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“BMW愛”を深めた先にあるものとは?

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“BMW愛”を深めた先にあるものとは?

11月16日~17日、山梨県北杜市でBMWのオウナーズクラブ「BMW Club Japan」のイベント「BMW Day 2019 "Join us 20th"」がおこなわれた。2000年から毎年、晩秋の八ヶ岳高原でおこなわれている「BMW Day "Join us“」は、全国のBMWファンやその家族が集まるイベント。2019年は20回目なので、”Join us 20th”とうたった。

イベントでは、「Z4」「8シリーズ クーペ」など最新BMWの試乗プログラム(BMW Efficient Dynamics)や、BMW Driving Experience(BMW公認のドライビング・レッスン)のインストラクターが指導するドライビング・クリニック、着席形式の懇親会(フレンチ・ディナー)を実施。会員総数約300人のうち、約120人が全国から集まり、楽しんだ。

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最新の「Z4」や「M850i」などが試乗出来るプログラムも用意。オウナー向けドライビング・レッスンは、愛車を使ってさまざまな運転技能を学ぶ。着席形式の懇親会では、地元・北杜高校のギター部による演奏もあった。BMW Club Japanは、独・BMW AG公認のオフィシャル・オウナーズクラブである。今年、創立55年を迎えた。

「日本にある海外メーカー公認のオウナーズクラブのなかでは、非常に古い歴史を有します。55年間、運営できた理由のひとつは、創立以来、独・BMW AGとのリレーションシップがあったからです。もうひとつは、メーカーやインポーターから金銭面の援助をほとんど受けず、自主運営(会費)だったからです。独立した組織ゆえ、あらゆる影響を受けることなく、長年、運営して参りました」

BMW Club Japanの会長を務める細淵雅邦氏は話す。細淵氏は1986年に同クラブに入会した。

BMW Club Japan会長の細淵雅邦氏(1960年生まれ)。ほかに、国際ボート連盟(FISA)の理事も務める。「きっかけは、偶然読んでいたとある自動車専門誌でクラブが紹介されていたからです。当時は633iに乗っていましたね。BMWの魅力ですか?あらゆるオウナーがクルマを操る楽しさを享受出来る点ではないでしょうか」

細淵氏が会長に就任したのは2009年。会員数は当時とほぼ変わらないという。

「1980年代後半~1990年代前半のピーク時は1000人近い会員が属していました。当時、独・BMW AGの方針もあって各国のクラブは会員数を増やすべく努めていたのです。結果、クラブの趣旨をよく理解されないまま入会する人が増えミスマッチが発生し、また、クオリティの高いサービスを提供出来なくなりました」

BMW Club Japanの現会員数は約300名。質の高いサービスを提供するため、あえて積極的な勧誘活動はおこなわないという。そこで、クラブの目的である「BMWのプレミアムな伝統を理解し、未来永劫BMWと共に“駆け抜ける歓び”を共有できるオーナー&ユーザーのクラブづくり」を目標に、拡大路線を廃止。クラブの趣旨を理解した会員同士で、クオリティの高いイベントを楽しめるよう運営しているそうだ。

BMWを通した社会貢献BMW Club Japanは現在、社会貢献活動にも力を入れている。

「ただし、会員同士が楽しめるイベントだけを運営しているわけではありません。現在、われわれは社会貢献活動にも力を入れています。たとえば、BMW Day 2019 では3年前からチャリティオークションを実施し、売り上げ全額を開催地である山梨県北杜市に寄付しています」

渡辺英子北杜市長に目録を贈る細淵会長。寄付金は北杜市の子育て支援に使われているという。「BMW Day 2019は、地元の子どもたち(身長150cm以上、18歳以下の男女)を対象に、クローズド・コースでの運転体感イベント『U-18 運転予備校』も開催します。こちらも、われわれが考える社会貢献活動のひとつです」

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)やインポーターの協力(車両提供)もあってU-18 運転予備校は開催出来たという。多くの人はBMW Club Japanの活動の幅の広さに驚くはずだ。

最新のBMWを使い、実施した「U-18 運転予備校」。インストラクターはモータージャーナリストの菰田潔氏をはじめ、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)のメンバーが務めた。「先日は自動車雑誌の『ル・ボラン』と共同で一般ユーザー向けの試乗イベントをおこないました。BMWを知らない多くの人に、その魅力を伝えられたと思います」

BMWを通した社会貢献活動というのはBMW Club Japanらしい。

ちなみに、BMWを心底愛する細淵会長に、今、気になるBMWについて訊くと、目を輝かせながら「M5 コンペティションですね」と、話す。

「あらゆるBMWに乗ってきましたが最新のBMWが最良であると思います。なかでも、M5コンペティションは知人のプリンツ・レオポルト・フォン・バイエルン氏(レーシング・ドライバー、旧バイエルン王国ヴィッテルスバッハ家の末裔)が乗っていて、その姿がものすごくカッコよかったんです。しかも、バイエルン氏が『今1番のオススメはM5コンペティションだよ』と、話していたのも印象的でしたね」

細淵氏が生まれてはじめて乗ったBMWは320i(E21)だったという。そのときのエピソードや、思い入れの強い「M1」、そして「M5」のエピソードなどについて楽しそうに話されるあたり、BMWが本当にお好きでいらっしゃることがひしひしと伝わる。会長だけじゃない、所属するメンバーは皆、心底BMWを愛している。

「M5 コンペティション」は、現行M5のハイパフォーマンス・モデル。Uwe FischerM1が搭載するエンジンは、ヨーロッパツーリングカー選手権用に開発された3.5リッター直列6気筒だ。最高出力はロード・カー仕様で277psを誇る。共通の趣味(BMW)を持つ者同士が語らい、そして分かり合えるコミュニティとしてのBMW Club Japanの存在意義は大きい。しかも、ただメンバーが楽しむだけでなく社会貢献活動も同時におこなっているからすごい。オウナーズ・クラブといってもさまざまなカタチがあるのだ。

最後、細淵会長に今後の方針を訊いた。

「今後はよりダイバーシティやジェンダー・イコーリティなどを念頭に置き、運営していきます。たとえば今回、BMW Day初の女性向けドライビング・クリニックを実施しました。と、申しますのも、女性の会員数は全会員数の約8~10%しかいません。今後、より女性の会員数を増やしたく考えています。また、全国さまざまな地域から入会してもらうべく施策を考えています。現状、全会員の約6割が関東、約2割が関西在住で、これら地域以外の会員数が少ないからです」

BMW Club Japanのさらなる発展を陰ながら応援したい。

文・稲垣邦康(GQ) 写真・小池義弘

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