欧州調で苦戦した先代から一変、押し出し強く
この記事の公開日は2023年10月19日。今から39年前の今日――すなわち1984年10月19日に発売された名車をご存じであろうか? 答は、C32型系・日産ローレルである。
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【画像22枚】押し出し強く生まれ変わったローレルを見る!
元祖ハイオーナーカーと言われる日産ローレル、その歴代モデルの中でも、C32は五代目にあたる。R31型系スカイラインと基本設計を共用していたことはよく知られているが、そのスカイラインよりも1年近く早い登場であった。当時の日産はこの新型ローレルについて、「『見て』『乗って』『走って』『触れた』それぞれのフィーリングで、心から満足感を体感できる『乗る人の感性に訴えかける最高級ハイオーナー・サルーン』」が開発テーマであるとしている。
ボディ形式は先代(C31型系)同様に、4ドアのハードトップとセダンの2種類。そのスタイリングは、C31が欧州調のクリーンなものであったのに対し、C32は直線基調の押し出しの強い風貌となるのが特徴である。先代では強くスラントしていたフロントは直立したものとなり、大きく四角いフロントグリルを装着。大きなテールレンズなどには先代のイメージも継承しつつ、全体の形状としては非常に鋭いエッジで成立している印象であった。当時の日産の説明によると「華麗で格調高いダイナミックなスタイル」ということになる。
機構面で特筆すべきは、新開発のRBエンジンがこのC32ローレルとともにデビューしたことだ。日産の直列6気筒2Lエンジンと言えば1960年代から長らくL型がその座にあったが、新設計のRB型へとここから徐々に切り替わり、1980-1990年代の日産2~2.5L車を支えていくことになる。そんなRBだが、この時点では2L SOHCのRB20E一機種のみ、最高出力130ps/最大トルク18.5kgm。最高グレード用のエンジンは、フェアレディZやセドリック/グロリアに採用済みであったV6 2LターボのVG20ET(170ps)で、この2種類により日産は「強力な6気筒エンジンラインアップを備えることになった」としていた。
このほか、1.8L 4気筒SOHCのCA18S(100ps)や、6気筒ディーゼルのLD28(91ps)などもあり、さらに営業車用にはLPG仕様のCA18P(87ps)も用意され、エンジンは全部で5種類ということになる。トランスミッションは全車5速MTと4速AT(スタンダード除く)の2種類を設定。ATにはグレードにより、電子制御によるパワー・エコノミー自動切換式スーパートルコン、OD付ロックアップオートマチックなど3種類があった。
駆動方式はFR。サスペンションは前ストラット/後5リンクが基本だが、ハードトップの上級モデルではリアがセミトレーリングアームとなる。セミトレが組み合わされるのはVG20ET搭載車と、ハードトップのRB20E搭載車であった。ステアリングにはローレル初のラック&ピニオン式を採用、また、VG20ET搭載車には四輪ディスクブレーキが具わる。
数々の先進装備、特にナイスだった電動格納式ドアミラー
インテリアはもちろん豪華なものであったが、ダッシュボードの形状は先代のシンプルなものから一転、圧迫感のある所謂”絶壁”スタイルに。ワインレッドの内装色なども、当時の豪華車を象徴するものだ。「最新のエレクトロニクスを駆使した数々の先進装備」もC32の特徴で、自動的に防眩調整するルームミラー、オートライト、ヘッドランプレベライザー、光通信ステアリング、メモリー付きスウィングアップチルトステアリングなど、「世界初」や「日本初」のギミックがめじろ押しであった。
その中でも白眉と言えるのは、電動格納式ドアミラーであろう。当時は「やりすぎ」「余計」など様々な批判を浴びた装備であったが、今ではほとんど常識ともなったこの機構を世界で初めて採用したのがC32ローレルということで、その面での再評価もされているようである。
車両本体価格はハードトップのV20ターボ・メダリスト・エミネンスで273.2万円、RB20メダリストで215.9万円、CA18 LRで139.6万円。セダンではV20ターボ・メダリストで234.9万円、RB20メダリストで208.6万円、LD28グランドエクストラで181万円、CA18グランドエクストラで151.2万円、CA18 LRで134.2万円、CA18スタンダードで116.1万円であった(いずれも5速MT、東京・名古屋・大阪地区での価格)。
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みんなのコメント
免許取ってからは、たまに父の32を借りて運転することもちらほらあったが、SOHCながらRB20はそれなりに扱いやすく、手動変速を駆使して市街地道路を小気味よく走ることが出きたな。
今は当然手元にありませんが、あればもう一度運転してみたい。