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トヨタS-FRとかマツダRX-VISIONとかどうなった!? あのニュースの「その後」に迫る

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トヨタS-FRとかマツダRX-VISIONとかどうなった!? あのニュースの「その後」に迫る

クルマ好きを楽しませるニュースが踊るベストカーの誌面。しかし、せっかくメーカーが面白い発表をしたのに盛り上がるのはほんの一瞬。いつの間にかそのホットなニュースも自然にフェードアウトなんてこともよくあります。そこでベストカーではあのニュースの「その後」を追いました。諦めないでよかった、と思えること間違いなし!?

文:ベストカー編集部/写真:Shutterstock

「驚愕のショーモデル26車」「一番賢いSUV選び」ほか鉄板企画連発『ベストカー9/26号』本日発売

ベストカー2017年9月10日号より再録

■トヨタS-FR計画はまだ生きている!? クルマ好きの悲願叶うか、コンパクトFR

前回、2015年の東京モーターショーコンセプトカーのなかでも仕上がり度が高く、これは市販化を前提としたコンセプトカーだな、と感じさせた最有力候補車がトヨタS-FRだった。もちろん当時トヨタ関係者に取材をしても「あくまでもコンセプトカー。ショーでのお客様の反応を見て、今後の方向性を検討します」という、モーターショーコンセプトカーの定番回答に過ぎなかったが、実際に展示されたS-FRはいわゆる「ハリボテ」ではなく、内装もしっかりと作り込まれており、乗り込むことも可能だった。

ドアの開閉感や、マニュアルトランスミッションをガチャガチャ動かした時の感触は、ちゃんとトランスミッションにつながっている感覚だったし、クラッチペダルも踏み応え感があって、「これは実際に動くクルマだな」と感じるほどの仕上げぶりだった。それ以前から本誌ベストカーでは「トヨタに86よりコンパクトなFRスポーツあり」の情報を得ており、誌面でもお伝えしていた。

150万円程度の価格でカジュアルにクルマの楽しさを味わえるコンパクトFRというコンセプトは、まさにS-FR。ついに具体的な動きが明らかにされた、と色めき立った。「その後」は当然順調だと思っていたのだが、その後に飛び込んできた情報は、まさかの開発凍結説。5ナンバーサイズのコンパクトカーというのが基本コンセプトだったのだが、グローバル展開を視野に入れる方針転換により初期のパッケージングから大きく変更が求められ、結果、コンセプトがブレた上にコスト高となり一旦棚上げされたというのが実情だ。

ところが事態はまたまた動いた。「その後」のキーはトヨタのカンパニー制により新設されたGAZOO Racing カンパニーにある。GRモデルも含めたトヨタのスポーツカー開発を一手に管轄するカンパニーで、S-FRをベースとしたコンパクトFRの開発も同カンパニーが担当する。86の開発責任者として知られ、その後もスポーツ車両統括部部長を務めてきた多田哲哉氏は現在、同カンパニー内に再編されたGR開発部チーフエンジニアとなっており、多田氏が以前から言っている「FRスポーツ、大・中・小ラインアップの構築」に向けた体制は整った、と見ることができる。

トヨタがカンパニー制を導入した最大の狙いは「臨機応変な商品企画と開発体制」にある。組織をコンパクト化したことで、市場ニーズに即した商品企画から、実際の車両開発の時間が大幅に短縮されるという。

最新情報では、2020年のコンパクトFRの市販に向けて専用プラットフォームを開発。エンジンはTNGAコンセプトに基づいた1.5L級ターボを新開発して搭載するという。

デザインについてはモーターショーに出展されたS-FRからの発展版も視野に入れつつ、まったく異なる2BOXスタイルやピュアスポーツクーペも検討されているという。二転三転したコンパクトFR開発だが、いよいよ本格的な開発が進行中というのが「その後」の最新情報だ。

■マツダのロータリーエンジンの開発はいったい!?

S-FRと同じく2015年の東京モーターショーで大きな衝撃となったのがマツダのRX-VISION。トヨタS-FRが「市販間近か!?」という点で会場をザワつかせたのとは対照的に、マツダRX-VISIONは、ロータリーエンジン(RE)開発を凍結していたと思われたマツダが、REを搭載するスポーツカーをコンセプトカーとはいえ東京モーターショーの場に華々しくプレスデーのサプライズカーとして出展してきたことに驚きとともに喜びを感じたのだ。

もちろんそのまま「RX-9」のようなかたちで市販されるとは思ってはいないが、ロータリーエンジンを搭載するスポーツモデル開発の手を止めていないことに大きな期待を寄せている。マツダRE開発の「その後」はどうなっているのか!?

マツダ内部の関係者は「レンジエクステンダー用のエンジンとしてREを生かしていくという方向性も検討されていますが、RX-VISONで示されたコンセプトは、ロータリーエンジンが直接駆動力となるものです」と新世代RE開発の進展を示唆。少なくともRE開発の手を止めるということはない、というのが最新の状況だ。

2017年は初代10A型ロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツデビューから50周年という記念すべき年。当然大きな「動き」に期待したいところだが、これについては10月28日より一般公開される東京モーターショーにマツダRX-VISIONの進化バージョンが出展される見込み。前回よりもさらに市販化を意識したデザインとなり、当然ロータリーエンジンを搭載。今回はパワートレーンに関する新たな開発状況や技術的なポイントなどが明らかにされる可能性が高い。マツダはREの開発を進めている!!

■スバルの独自ハイブリッドの実現の可能性は?

前回の東京モーターショーでスバルが提案した次世代型SUV「ヴィジブコンセプト」にはリアをモーターで駆動するスバル独自開発のハイブリッドシステムがパワートレーンとして採用されるとされていた。さてスバル独自開発のハイブリッドの「その後」はどうなっているのか!?

スバルの吉永社長は2018年に北米で新型ハイブリッド車を発売開始することを明らかにしている。現在開発中の新型フォレスターにハイブリッドモデルが設定されることになるのだ。しかしこれはヴィジブコンセプトで提示されたスバル独自開発のシステムではなく、トヨタとの提携から生まれたTHSを生かしたハイブリッドになることを吉永社長は5月に明言している。

吉永社長は「スバルのような中規模メーカーは独自の技術を開発するということはなかなかできない。大手とのアライアンスが必須」という趣旨の発言をしている。新型フォレスターに搭載されるパワートレーンは水平対向4気筒1.6Lターボにトヨタ式の動力分割機構を使ったハイブリッドシステム(THS)を組み合わせたものとなり、プラグインハイブリッドの用意もあるという。

まずはこの秋の東京モーターショーで市販前提の参考出品車としてお披露目した後に日本、北米などで正式デビューとなる計画。吉永社長の一連の発言などからもわかるように、スバルとしては時間とコストのかかる独自のシステムによるハイブリッドパワートレーンの開発よりも、トヨタとの提携による技術協力でのハイブリッドモデル開発にシフトしたというのがヴィジブコンセプトの「その後」ということだ。

■日本導入熱望!! 日産の新型ツインターボエンジンのその後

まさか!? の展開だったのが、日産が北米向けインフィニティQ50/60……日本名スカイラインに搭載するV型6気筒3Lツインターボエンジン「VR30DDTT」だ。スカイラインに搭載する直4、2Lターボエンジンはアライアンス関係にあるベンツから供給を受けたもの。

3L級のV6エンジン搭載の動きがあるとの情報を得た際も、これはベンツ製エンジンの供給を受けるのだろう、と予測をしていたのだが、実際に搭載されるVR30DDTTはその名が示すように、日産が独自に開発したエンジンで、福島県のいわき工場で生産されている。昨年末からインフィニティQ50/60の2017年モデルに搭載されているのだが、残念ながら日本向けスカイラインへの搭載の動きは今のところない。当然「その後」の進展が気になるところだ。

このエンジン、2タイプのスペックが用意されていて、ローパワーバージョンは最高出力300hp/6400rpm、最大トルク40.8kgm/1600-5200rpmとなっており、「RedSport400」に搭載されるハイパワーバージョンは最高出力400hp/6400rpm、最大トルク48.4kgm/1600-5200rpmとなっている。すでにQ50に搭載しているのだから、日本向けスカイラインに搭載するに当たっての技術的障害はない。しかし、日産に確認しても反応はイマイチ……。日本国内におけるスカイラインの販売台数が月販平均300台強という現実が、追加モデルの投入のカベとなっている。

とはいえこのエンジン、日産が開発し日本国内で生産しているのだから輸出モデル専用としておくのはもったいない。前号巻頭スクープでもお伝えしたように、2018年の投入に向けて開発が進められている次期型フーガに搭載される可能性が急浮上しているのだ。フーガに搭載されて国内での評価が高まれば、当然次期型スカイラインへの搭載の動きも出てくることになる。

■マークXはホントになくなるの!?

7月10日に登場した新型カムリはTNGAコンセプトに基づく新開発FFプラットフォームを採用し「走りのよさ」、「セダンの魅力」をアピール。実際、新型カムリを運転すると、従来までのファミリーセダン的な乗り味から一変、スポーティセダンの走りを楽しめる。

こうなると車格的にカムリとかぶるマークXの存在が微妙になる。FRのスポーティセダンという点はカムリとは異なるが、新開発FRプラットフォームはレクサスIS/GSが担えばスッキリと棲み分けができる。トヨタブランドのセダン系開発を担当する「ミッドサイズ・ビークル・カンパニー」の吉田守孝プレジデントに話を聞くと、「当然、商品計画に関するご質問には答えることはできません」としながらも、「現在トヨタブランドの4ドアセダンとしてはクラウンがあり、今回のカムリがあり、サイズ的に近いゾーンにSAIがあってスポーティという意味でマークXがあります。

クラウンは上級車として別ですが、あとの3モデルは、もちろんそれぞれに役割があり、特色があって〝かぶる〟ということはありませんが、市場規模と車種ラインアップ数のバランスは必要。今後、お客様の声を聞きながら判断していく必要があるとは考えています」と含みを持たせた回答。この発言を踏まえ、カムリがこれまでのカローラ店に加えてネッツ店、トヨペット店、東京地区ではトヨタ店でも販売されることで、マークXと販売チャンネルが重複することなどからも、やはりマークXは現モデルで消滅の可能性が濃厚、というのが「その後」の最新情報だ。

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