ロードレース最高峰「MotoGP」クラスにフル参戦する唯一の日本人ライダー、中上貴晶(なかがみ たかあき)選手(LCR Honda IDEMITSU)のトークショー&サイン会が、2021年1月8日にライコランドTOKYO BAY東雲店で開催され、多くのファンが足を運びました。
正月気分も抜けかけようとしている3連休初日のライコランドTOKYO BAY東雲には、大勢のバイクファンや中上貴晶推しが押し寄せました。
MotoGP最高峰クラスで活躍する中上選手は今、オフシーズンの短い休暇を日本で過ごしていますが、「日本のファンと交流したい」というご本人の強い希望から、今回のトークショー&サイン会が実現したそうです。
主催したのは、2021年シーズンから中上選手にレーシングスーツを提供している「IXON(イクソン)」。1996年にフランスで創業したライディングウェアブランドで、現在では約70か国で販売されています。
ちなみに、同じMotoGPライダーでは、KTMのB.ビンター選手やM.オリベイラ選手、アプリリアのA.エスパロガロ選手らが、同社のレーシングスーツを愛用しています。
●ファンを大切にする姿勢を目の当たりに
マスクの着用、消毒の徹底はもちろん、屋外での開催でソーシャルディスタンツを保つなどの感染防止対策がしっかりとおこなわれるなか、サイン会や撮影会では、ファンのひとりずつと気さくに会話をする姿が、じつに印象的でした。
また、30分を超えるトークショーでは、主催者によって中上選手のために椅子が用意されていましたが、「お客さんたちが立って見てくださっているのに、自分だけ座って話す訳にはいきません」と、立って話すカタチに急遽変更。ファンを大切にする中上選手の姿勢が、伝わってきます。
サイン会では、中上選手のゼッケンである「30」を付けた中上レプリカ仕様のホンダ「CBR600RR」で来場したライダーが、スマートフォンでバイクの画像を見せると、なんと一緒に駐輪場まで歩き、そのバイクに跨ってツーショット写真を撮るという大サービスも。
イベントの最後には、10名にカレンダーをプレゼントするというサプライズもあり、ファンの笑顔は絶えません。
中上選手自身も、マスク越しでソーシャルディスタンスをしっかりと取りながらも、「応援してくれる日本のファンとの交流を満喫できました」と、大満足の様子でした。
ここからは、トークショーでの質疑応答の様子をお伝えします。
●昨今の情勢で日本グランプリが2年続けて中止となり、久しぶりの帰国となりますが、いかがお過ごしでしょうか?
bシーズン中はまったく帰ることのできない状況でしたので、正直なところ早く帰りたいなって思っていました。シーズンを終えて11月末頃にようやく帰国でき、自宅隔離期間を終えたのですが、日本では自分がより自然体でいられるなって思います。
●メンタル面でもより良い状態をつくるという意味では、日本帰国は有意義ですね。
そうですね。家族とも、ゆっくりと過ごすことができました。
●2021年12月19日には、約4000人のファンが集まったRed Bull Race Day(レッドブル・レースデイ、明治神宮外苑特設コース)でホンダ「RC213V-S」をライディングしました。
大きなイベントはほぼ2年ぶりで、ファンの皆さんと一緒に自分自身も楽しめました。
●アラゴンGPで日本人ライダーとして初の通算200戦に到達。MotoGP最高峰クラスは今年で5年目となりますが、まずは昨シーズンを振り返ると?
リザルトも満足できるものを残せませんでしたし、正直なところ厳しいシーズンとなってしまいましたが、そのなかで学んだこともたくさんありました。昨シーズンのことも前向きに捉え、今シーズンに向けてしっかりと準備をし、4年間で学んだことをリザルトに反映したいと、切り替えています。
●近年、バトルが熾烈化し、1秒差以内に15台がひしめくなんてことも。その渦中にいて、いかがでしょうか?
本当に高いレベルのなかで競い合って、1000分の1秒差で順位が変わるっていうのは気が抜けませんし、厳しさもありますが、面白味ややりがいもあって、誰にでもチャンスがあるっていうのはいいことだと思います。
●最高峰クラスならではの難しさ、厳しさもあるのですね。
ありますね。マシンとライダー、チームの総合力が重要になってきています。ファンの皆さんは見ていて面白いと思いますし、そんななかで自分の位置を上げていきたいです。自分は、もう来シーズンがすごく楽しみです。
●ツイッターでファンから質問を募集しましたので、いろいろと聞いていきましょう。
はい。
●久々の帰国。何がイチバン楽しみでしたか?
う~ん、イチバンは食事ですかね。和食は向こう(海外)で食べれなくはないのですが、やっぱり日本で食べると落ち着きますし、この味だよなっていうのがありますね。日本でしか食べられないものも、もちろんありますし。
●海外の食事に苦労する選手もいると耳にしますが、中上選手はどうですか?
レースウィークはチームのホスピタリティがあり、ビュッフェスタイルで提供していただいていますが、それ以外では日本の食材を大量に持って行っていまして、お米だと15?から20kgくらいがっつりと。調味料や炊飯器も含めて。
●しっかりと自炊をしているのですね。
はい。昨年は少し外食できるようになりましたが、感染リスクを避けるために徹底的に対策をしていましたから、2020年はまったく外で食事はしませんでした。自炊も楽しみのひとつと考え、料理は少しずつ上手くなっています。
●各国を転戦されていますが、食という部分でオススメの国は?
自分がいま住んでいる、スペイン・バルセロナは料理が美味しいです。日本人の口に合うのは、スペインとイタリアだと思います。
●リヤブレーキの使い方を教えてくださいという質問も来ています。マシンの性能やタイヤの進化で、最高速はついに時速360km以上と上がる一方、ブレーキングでスライドしたりリヤが浮いていたり、見ている限り走りは別次元です。
年々スピードが上がって、もうそんなに速くなくてもいいかなとも思いますが、乗っていると時速300km以上が出ている感覚とかはなくて、正直なところスピードがどのくらいなのかはわかりません。極端な話し、最高速が時速400kmになっても乗れると思いますが、減速にかかる負担も同時に増えています。ブレーキレバーを握る際にかけるのは人差し指と中指の2本でしたが、一昨年の後半戦から3本掛けに変わりました。
3本掛けにしたとき、最初のうちは感覚のズレもありました。時速350kmから100kmまで一気に落とすブレーキングは、バンっとブレーキをかけるので問題ありませんが、細かなところで調整が必要でした。ブレーキレバーに触れるか触れないかくらいの微妙なコントロールが必要なときもありますし、1本掛けにすることもあります。
●使い分けているのですね。
はい、質問はリヤブレーキでしたね。じつはMotoGPだと、加速の時にもリヤブレーキを使っていまして……。
–:えぇっ、加速時にリヤブレーキを使うんですか!?
中上選手:本当に細かい話なんですが、アクセルを開けたときにホイールがスピンしてしまい、空転を弱めるためにリヤブレーキを踏むことがあります。旋回中、立ち上がり、ストレートでも使うことがありまして、いかにリヤタイヤのグリップを得るかを考えたときに荷重をかけてあげるのです。
–:ストレートも!?
中上選手:いまはウイングレットが進化して浮き上がりを抑えていますが、自分がMotoGPクラスに上がった2018年頃は、ストレートでフロントが上がってきちゃうのでリヤブレーキをちょんっと触って姿勢を整えていました。(リヤブレーキを操る)右足の運動量はすごく多いですね。
–:そういったものすごく繊細なコントロール。実際に日本のファンが目の当たりにできるのは、日本グランプリでの茂木90度コーナーになりますね。
中上選手:そうですね。下っていくときもフロントが浮いちゃうので、微妙な角度調整をしつつ……。あれ、2年走っていないので、忘れちゃったなぁ。200メートルをかけるフルブレーキで、フロントをかけ過ぎちゃうと下りで前のめりになるから、身体を後ろに残しつつっていう微妙な体重移動が必要です。停まれーって、周回するたびに思いながらブレーキする面白いポイントでもありますね。
カラーモザイクの意味は?
–:レーシングウェアやヘルメットに施されているカラーモザイク。その意味は?
中上選手:カラフルなデザインが好きなのと、他の人がやっていないというのもあります。みんな単色のイメージカラーがあると思うんですが、自分はいろいろな色を散りばめたら面白いなって思いました。
–:22年シーズンに乗るRC213Vの出来栄えは?
中上選手:見た目もそうですし、フルモデルチェンジと言えるくらい進化しています。4年間乗ってきたバイクではない感覚で、すぐに好タイムも出て、いいシーズンになるなという印象で楽しみです。
–:今シーズンは期待できますね。
中上選手:MotoGP5年目ということで、結果を残すべき年になってきていますし、強いホンダを取り戻すのが自分の仕事だと思っています。開幕戦から優勝、表彰台を目指し、今年こそはシャンパンファイトもしてチャンピオンシップを争うシーズンにしたいです。
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でも、今年もヤマハが来るよ。昨年は、ドカにパワーでやられる場面が多かったが、今年はパワー上げて、HY戦争の再来です。