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【V8ミドシップへ一新】シボレー・コルベット vs ポルシェ911 C8 進化度合いに驚く 前編

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【V8ミドシップへ一新】シボレー・コルベット vs ポルシェ911 C8 進化度合いに驚く 前編

北米では718ケイマンより安いコルベット

text:Matt Prior(マット・プライヤー)

【画像】米独スポーツ比較 シボレー・コルベットとポルシェ911カレラ 全98枚

photo:Olgun Kordal(オルガン・コーダル)

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


筆者の目の前に停まっている、真っ赤な8代目(C8)シボレー・コルベット・スティングレイ。ミドシップ・レイアウトへと一新したことは、ご存知の通り。

67年間に及ぶ歴史を持ち、ブルーカラーの労働者から銀幕のスターまで、幅広い世代に愛されるアメリカのヒーローといっていい。ジョー・バイデン新大統領も、1967年式のコルベットを所有しているそうだ。

2021年後半には、右ハンドル車もリリースされる予定。英国でも左ハンドル車であれば購入は可能ながら、まだ自身で輸入するか、輸入代理店を通じて手配してもらうしかない。

北米でのC8コルベットの価格は約6万ドル(624万円)からと、ポルシェ718ケイマンより安い。魅力的なプライスタグだが、税金に保険料、陸送料などが重なり、アメリカ人でも実際はそこまで安くは手に入らないらしい。

今回試乗したコルベットの場合、少なくないオプションが載っていた。その選択肢はかなり多い。

試乗車は3LTと呼ばれるトップグレードで、ベースグレードより1万1000ドル(114万円)も高い。さらに5000ドル(52万円)のZ51というパフォーマンス・パッケージなどが装備され、価格はかなり膨らんでいる。

この内容での北米価格は、8万5000ドル(884万円)。さらに先述の諸経費がかかる。

コルベットの中央に搭載されるのは、自然吸気の6.2LのV8プッシュロッド・ユニット。モノコックはアルミニウム製で、前後にアルミ製のサブフレームが付き、ボディはコンポジット素材が選ばれている。

C8コルベットならZ51パッケージも付けたい

サスペンションは、前後ともにダブルウイッシュボーン式。試乗車には1895ドル(20万円)のオプションとなる、磁性流体を用いたマグネティック・アダプティブダンパーを装備していた。

Z51パッケージを追加すると最高出力は502psへ引き上げられ、サイズアップしたブレーキディスクが組まれ、エアロパーツがボディに付加される。タイヤはオールシーズン・タイプではなく、ハイグリップなミシュラン・パイロットスポーツ4を履く。

さらに、スポーツエグゾーストと電子制御のLSDも装備される。C8コルベットを買うなら、Z51も欲しいところだ。

グレードやパッケージの内容に関係なく、トランスミッションは8速デュアルクラッチAT。コルベット史上初めて、MTが選べなくなった。

筆者はC8コルベットの発表会へ参加した。その時、リーフスプリングでなければピュアなコルベット・ファンの支持は得られないだろう、とシボレー側は話していた。今どき、果たして本当だろうか。

8代目でミドシップとなり、MTを失ったコルベット。我慢できなかったわれわれは、英国へ輸入した代理店から早速1台を借りてきた。最新のポルシェ911と比べるために。

ダークグリーンの911は、AUTOCARの長期テストで借りているクルマ。そちらの記事をお読みいただいている方も、なかにはいるだろう。

992型のカレラは、英国ならオプションレスで8万2793ポンド(1159万円)の値段が付いている。長期テスト車の場合、いくつかのオプションが載り9万891ポンド(1272万円)。お金の話題で申し訳ないが、英国では試乗したコルベットより安い。

ずっと質感を高めたインテリア

パワーもコルベットより控えめで、3.0Lツインターボ・フラット6の最高出力は385ps。100ps以上の開きがある。しかし、ひと回りコンパクトで、実際にアクセスできるパワーに不足はない。

赤いC8コルベットは、ナンバーが付いているものの、まだ公道走行が可能な状態ではない。比較試乗はサーキットに限定された。

輸入代理店の代表で、現在のオーナー、クライヴ・サットンに約束もした。タイヤスモークを上げて派手にドリフトしたり、0-97km/h加速2.9秒が真実かどうか、確かめないと。

初めにコルベットの車内を見てみよう。アメリカ車のインテリアは、欧州車より1世代は古いと評価されてきた時代もあった。努力も及んでいなかった。だが、新しいコルベットはずっと接近している。好感を持てるほど。

ポルシェ911では見られないようなプラスティック製部品や、人間工学的に及ばない部分はまだ少し残っている。でも、従来よりずっとイイ。

センターコンソールの中央には、エアコンの操作系が集約された大きな峰が伸びている。ステアリングホイールの形状はだいぶ四角いが、位置調整の幅は広く、ドライバーを中心としたコクピットだと感じさせる。

ドライブ・モードも複数から選択が可能。モードに合わせて、モニターによるデジタルメーターの表示も切り替わる。

エンジン後ろ側の荷室は大きく、取り外しできるタルガルーフが収まる。ゴルフバッグも積めるだろう。フロント側にも奥行きのある荷室があり、実用性も高い。見た目だけでなく、論理的に仕上げられた車内だ。

限界領域での振る舞いはフェラーリにも近い

全幅は1933mmもあり、ボディはかなりワイド。実際の路上でもワイドに感じるはず。

段差を超える時などにフロントの車高を持ち上げる、ノーズリフト機能をオプションで付けられる。動作は素早く、英国や日本でも有用だろう。

C8コルベットは、これまでのコルベットからの進化度合いが想像以上に大きく、正直驚いた。伝統のLTユニットを起動すると、大排気量のNA V8エンジンらしさが伝わってくる。ここまでは、代々のコルベットとのつながりを感じる。

筆者は先代のコルベットでも、走りを楽しんでいる。フロントエンジン・リアドライブでリミテッドスリップ・デフが付き、少し緩いアメリカン・マッスルカー的なハンドリングが好きだった。

でもC8コルベットは、もはや違う。走り始めてすぐ、コーナーを半分曲がった辺りで、明らかに違うことがわかる。

コースインし、リニアで豊かなトルク任せにストレートを加速する。最大トルクは64.8kg-m/5150rpmもある。シームレスにシフトアップする振る舞いを味わい、フルブレーキ。

コーナー目掛けて旋回させていく。C8コルベットはテールが流れ、ドリフトしたがる素振りを見せる。信じられないほど機敏。テールが流れても、正しいと思えるカウンターを当てれば対応でき、次のストレート目掛けて姿勢を整えられる。

最新のコルベットは、ミドシップのフェラーリと同じエンジンレイアウトにある。限界領域での振る舞いも、同じとはいわないものの、近いものがある。積極的にコーナーを攻めても驚くほど従順で、必要以上に向きを変えようとはしない。

この続きは後編にて。

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