■レースの世界で培われた技術を反映させた
レースありきのヨーロピアンバイクメーカーの中でも、ズバ抜けた戦績を誇っているのがイタリアのアプリリアです。スクーターからデュアルパーパスまで様々なモデルをラインナップしていますが、ここではその象徴とも言えるスーパースポーツ「RSV4 RF」を紹介しましょう。
BMWで一番ちいさなバイク 普通二輪免許で乗れる「G 310 R」の存在感
2009年にデビューしたRSV4シリーズは、およそ2年毎のモデルチェンジを経て進化。現行モデルの末尾に付く「RF」は「Racing Factory」を意味し、フラッグシップの役割を担っています。
「RSV4シリーズは市販車で争われるスーパーバイク世界選手権のために開発されたモデルで、発売された2009年から参戦を始めて2年目に早くも王座を奪取。これまで獲得した計7つのタイトル(ライダータイトル3回/メーカータイトル4回)がポテンシャルの高さを証明しています」と、アプリリアを取り扱うピアッジオグループジャパンの河野僚太さんがその性能の一端を説明してくれました。
日本のレースシーンではまだ少数派ですが、本場ヨーロッパでは大きな勢力を築いているのがアプリリアというメーカーなのです。
「世界グランプリ(現MotoGP)やスーパーバイク世界選手権の他、オフロード、スーパーモタードといった分野でも成功しており、これまでに収めた勝利数は100を優に超え、獲得した世界タイトルは54に達しています。この数字はヨーロピアンメーカーとしては最多のもので、もちろんそこで培われたノウハウが製品へと反映されているのです」と河野さん。
実際、RSV4 RFにまたがるとそれを感じます。2055mmの全長は1000ccクラスのスーパースポーツ中、最もコンパクトな部類に属し、車幅もスリムそのもの。静的な状態でも伝わっている「カチッ」とした剛性感には、確かにサーキット育ちの素性が感じられます。
とはいえ、エンジン特性そのものはまろやかです。65度のシリンダーバンク角を持つV型4気筒には並列4気筒のようなガツガツした激しいフィーリングがありません。「ドゥルルル~」と丸みのあるサウンドをともないながら吹け上がっていくため、ストリートでも扱い難さは皆無。最高出力が201psに到達すると聞けばかなりのプレッシャーでしょうが、むやみにスロットルを開けなければ電子デバイスの効果も手伝って洗練されています。
■速さの秘密は電子デバイスにあり
「アプリリアが最も得意とし、ライバルメーカーに対してアドバンテージを握っているのがその電子デバイスです。弊社ではそれらを総称して“APRC”(アプリリア・パフォーマンス・ライド・コントロール)と呼んでいますが、2011年型のRSV4に搭載されたこのデバイスはすでに3世代目へと進化し、介入のスムーズさや制御の緻密さは常に他社より抜きん出ていると自負しています」(河野さん)
好みの出力特性が選べるエンジンモードやトラクションコントロール、ウィリーコントロール、コーナリングABS、クイックシフターなどは今時のスーパースポーツなら当然のこと。RSV4 RFの独創性を感じさせる機能は他にあり、そのひとつが「V4-MP(マルチメディアプラットフォーム)」というシステムなのです。
これはスマートフォンのGPSアンテナと車載のマネジメントシステムを連動させることによって、サーキットのどこを走っているかをリアルタイムで検出し、それによってトラクションコントロールやウィリーコントロールの介入度を変化させるというものです。
と、サラッと書きましたがこのスゴさが分かっていただけるでしょうか?
つまり、あるコーナーは路面が荒れているためトラクションコントロールの介入度を上げたいけれど、他のコーナーはパワーを最大限伝えるために介入度を下げたい、というシチュエーションがあったとしましょう。そんな時、これまでの制御ならその中間的な介入度にセットしておくか、荒れたコーナーはガマンしながら走るか。いずれにしても妥協点を探る必要があったのですが、このシステムをフル活用すれば、あらかじめセットしたプログラムに従って、コーナー毎にその介入度が自動的に変化。いつでも望み通りのパフォーマンスで走れるというわけです。
また、このV4-MPにはスロットルを開けるタイミングやブレーキングポイントを視覚化する機能も組み込まれ、ライディングをアシスト。ひと昔前ならファクトリーマシンでも無理だった夢のようなシステムが組み込まれているのです。(ただし、機能する場所には限りがあり、スーパーバイク世界選手権が開催されているサーキットが中心です)
■ハイテク満載の車体を乗りこなすには?
そんなハイテクの塊と化したRSV4 RFですが、それらはサーキットのみならずストリートでも有効に機能します。クラッチ操作要らずのクイックシフターやクルーズコントロールはライダーの疲労を軽減し、トラクションコントロールはウェット路面での安全性を確保。ワインディングのブラインドコーナーでパニックブレーキを強いられたとしてもコーナリングABSによって、車体の挙動を乱すことなく減速できる・・・・・・と、いいこと尽くしなのです。
「RSV4 RFは市販車の中で最もレーシングマシンに近いスペックとハンドリングを持ち、サーキット走行やレースを楽しむ方々が多いのは事実です。その一方で“スパルタンなスタイリングとは裏腹に乗りやすい”とか“V4エンジン独特の心地いいフィーリングが新鮮”と、ストリートでも高い評価を頂いています。あらゆるライダーの要求を、高い次元で満たしてくれるのがこのモデルの魅力ですから、ぜひ多くの方々に楽しんで頂きたいですね」と河野さんは語ります。
本気で乗りこなすには相応のライディングスキルとセットアップ能力が求められるものの、軽量コンパクトな車体とクイックなハンドリングは街乗りでも持て余すことはありません。ヨーロピアンメーカーのスーパースポーツと言えば、日本ではBMW・S1000RRやドゥカティ・パニガーレがメジャーですが、本場のテスターが常に一目置いている存在がこのモデルなのです。
そんなRSV4 RFの車体価格は275万円です。300万円オーバーも珍しくないこのクラスのスーパースポーツの中にあって、かなり魅力的な設定と言えるでしょう。
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