1月23日から27日まで、マレーシアのセパンサーキットでミシュラン主催のウインターテストが行われ、いよいよ本格的に2020年シーズンに向けて動き出したスーパーGT。すでに東京オートサロン2020で体制発表を行ったニッサン勢の中核を担うNISMOの松田次生とロニー・クインタレッリが、テストを振り返った。
2020年も不動のエースコンビとしてエースナンバー『23』を背負いスーパーGTを戦う次生とクインタレッリ。2020年モデルのニッサンGT-RニスモGT500の開発から担当してきたふたりだが、「走りづらかった制御系(2020年からECU等がボッシュとなり、各メーカーともその対応の必要があった)も良くなっています。日本でのテストではまったく走れない状況すらありましたが、今は問題なく走れています(松田)」と開発も進み、セパンでのウインターテストでは精力的に走り込んだ。
スーパーGT:11台のGT500車両が参加し恒例のセパンでのウインターテストがスタート
「順調だと思います。まわりがどれくらいで走っているかは分かりませんが。12月から比べても悪くないし、いいテストになりました。特にタイヤではいいテストができています」と松田が語れば、「昨日からずっとタイヤテストをやっていて、今回はトラブルもないしロングランもできていて、順調に進みましたね(クインタレッリ)」とふたりからは“順調”というキーワードが並んだ。
さらにクインタレッリは「僕たちは車体含めて乗りやすいベースができています。去年のクルマに比べても悪いところがひとつもないし、レギュレーションでダウンフォースが減らされていても、それはひとつも感じないです」と2020年モデルのGT-Rにも好印象をうけている様子だ。
そして、現代のスーパーGTで最も重要なファクターであるタイヤについても「特にタイヤではいいテストができています(松田)」と手ごたえを得ている様子。実際にそれはタイムにも出ており、テストでも絶えずいいベストタイムが刻まれていた。
とはいえ、ライバルに対してどの位置にいるのかは、松田もクインタレッリも「向こうがどういう仕様で走っているのか分からない」と口をそろえている。「12月のテスト含めて、GRスープラがかなり決まっているような印象がある」とクインタレッリは、セパンテストでもトラブルなく走り込んだトヨタGRスープラに警戒感をみせた。
「実際に位置関係が分かるのは公式テストからになるんじゃないでしょうか」と松田も語った。
「ここからどうセッティングして、タイヤを合わせ込むかですね。あとはマイレージを稼いで、トラブルが出るかどうかだと思います」
セパンテストでは同じパッケージで走った230号車を平手晃平と千代勝正がドライブし、豊富なデータを得たGT-R+ミシュラン勢。ニッサンファンが期待するタイトル争いに戻るべく、貴重な材料を得た様子だった。
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