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ホンダの新型SUV「ZR-V」のパッケージングを「CR-V」「ヴェゼル」と比べたみた

掲載 更新 31
ホンダの新型SUV「ZR-V」のパッケージングを「CR-V」「ヴェゼル」と比べたみた

いよいよ2023年4月21日に発売されるホンダの新しいSUV、ZR-Vにひと足早く接することができた。こう言っては何だが、ホンダのクルマのエクステリアデザインとして、久しぶりに(ヴェゼル以来か)素直に「カッコいい!!」と感じさせてくれた新型である。

日本の路上でも扱いやすい、CR-Vの事実上の後継車

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ZR-Vは日本国内だけでなく、北米市場(ガソリン車のみ)、中国(ガソリン車とe:HEV)でも展開するグローバルSUV。北米では、日本では懐かしいHR-Vというネーミングで登場している。ボディサイズは全長4570×全幅1840×全高1620mm。ホイールベース2655mm。つまり、ヴェゼルと、日本では販売が終わったCR-V(海外では新型が発表済み)の中間のサイズとなる。言い方を変えれば、日本の路上でも扱いやすいサイズの、CR-Vの事実上の後継車となる。ちなみに基本部分となるプラットフォーム、パワーユニットは、走りの良さで定評があり、専門家からの評価も絶大な11代目シビックである(ヴェゼルはフィットベース)。

スタイリングは、すでに述べたように、一見、マセラティを思わせる縦桟のバーチカル(垂直)グリルとシャープな横長ヘッドライトがホンダ車としては新鮮で、ボディサイドの筋肉質な面構成、ワイドトレッドを強調する下半身にボリウムを持たせたスクエアマフラー左右2本出しのマフラーが印象的なリヤビューで構成され、大径225/55R18サイズのタイヤが足元を引き締める。



パワーユニットは3L V6並みの加速とホンダが謳う2Lエンジン+2モーターのe:HEV(エンジン141ps、モーター184ps)、および、1・5Lガソリンターボ(178ps)が揃う。

さて、ここでは新型ZR-Vの基本となるパッケージングについて、ヴェゼル、そしてこのZR-Vが事実上の後継車となりうるCR-Vと比較してみたい。

室内寸法は、ZR-Vが室内長1930×室内幅1530×室内高1195mm。ヴェゼルは室内長2010×室内幅1445×室内高1240mm。CR-Vは室内長1970×室内幅1550×室内高1185mm。室内長はインテリアデザインや計測方法の違いでいちがいに室内の長さにつながらないため、注目すべきは室内幅と室内高で、室内幅はもちろんヴェゼルより広く、室内高はクラス上のCR-Vと同等ということになる。

ZR-V

ヴェゼル

とはいえ、数値だけでは分からないのがパッケージング、そして後席に着座した時の広さだ。で、具体的に身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で後席に着座したときの頭上、膝周りスペースを紹介すると、ZR-Vは頭上に130mm、膝周りに205mm。ヴェゼルは頭上に115mm、膝周りに290mm。CR-Vは頭上に140mm、膝周りに280mmとなる。

ZR-V

ヴェゼル

ここで、クラス上のZR-Vよりヴェゼルのほうが、膝周りスペースが広いじゃないか!!となるのだが、ここはパッケージングの考え方の違いと言っていい。つまり、ZR-VはSUVの今のトレンド通り、後席の過剰な広さより、ラゲッジスペースの奥行きを重視したパッケージングとしているのだ。実際、ラゲッジスペースの奥行きは、ZR-Vが880mmなのに対して、ヴェゼルは755mmでしかない(CR-Vはさすがの920mm)。ヴェゼルは先代よりラゲッジスペースが狭まり、後席使用時だとゴルフバッグの積載にも難儀するスペースなのである。

ZR-V

ヴェゼル

また、ラゲッジスペースの最小フロア幅はZR-Vが1020mm、ヴェゼル1010mm、CR-V1140mmである。1000mm以上あれば、一般的にベビーカー、軽量折り畳み式ドッグカート(コムペットなど)を真横に積みこむことができ、効率的に荷物を積載できるのである(斜めにしか積めないと積載効率はガクリと落ちる)。

ZR-V

ヴェゼル

話は前後するが、後席の居住性でちょっと気になったのは、後席の着座性、立ち上がり性にかかわる、フロアからシート座面先端までの高さ=ヒール段差。ZR-Vは295mmと、室内高の低さもあってフロアに対してシートが低くセットされていて(前席同様に乗用車的なパッケージングコンセプトゆえ!?)、着座性、立ち上がり性、および前方視界の点ではやや不満アリだ。一方、ヴェゼルのヒール段差は340mmと十分な高さで、着座性、立ち上がり性ではヴェゼルが上回りそうだ(CR-Vは330mmだった)。

ZR-V

ヴェゼル

SUVはアウトドアにも大活躍してくれるクルマだが、となるとアウトドアに持っていく大きな荷物の積載性も気になるところ。ここはラゲッジスペースの開口部地上高がモノを言う場面で、ある程度低いほうが荷物の持ち上げ量が小さくて済み、快適だ。で、各車のラゲッジフロア開口部地上高を計ってみると、ZR-V700mm、ヴェゼル690mm、CR-V665mmとなる。ZR-Vとヴェゼルはほぼ同等の高さで、しかしCR-VはSUVとして異例に低いフロアだったことが分かる。とはいえ、700mm以下なら、重い荷物の積載にそれほど苦労せずに済むはずだ。実は、ZR-Vで1人掛けのソファ(18kg)を持ち帰り購入したのだが、一人でも無理なく積み込むことができた(後席し格納した)。

さらに、後席格納時のラゲッジスペースの拡大フロア長を計ってみると、ZR-V1620mm、ヴェゼル1550mmと、ヴェゼルを圧倒。ZR-Vはヘッドレストを逆に付ければ1730mmの”ベッド長”(ヴェゼルは同1660mm)になり、身長172cmの筆者であれば、ほぼフラットに畳める後席格納フロアに真っすぐに横になることができた。つまり、車中泊もしやすいというわけだ。

ZR-V

ヴェゼル

というわけで、新型ZR-Vのパッケージングをヴェゼル、今はなきCR-Vと比較したわけだが、とくにヴェゼルではラゲッジスペースが狭い!!と感じていたユーザーにとって、大きすぎないボディサイズにして、高級感、カッコ良さあるエクステリア、上質で精悍なインテリアデザインはもちろん、ラゲッジスペースの広さ、積載性にも十分に満足できるのがZR-Vということになる。

と、今回の新型ZR-Vのパッケージングを中心とした報告はここまで。国内での予約受注比率90%となるe:HEVモデルのFF、4WD、ガソリンターボモデルの走行性能を報告する試乗記は改めてお伝えしたい。



ホンダZR-V

文・写真/青山尚暉

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みんなのコメント

31件
  • アンチのウソコメは、いらないんなんだよね~
  • 中華よりのホンダは大嫌いですね。
    早速、中華製のホンダ車が日本国内で販売されるようです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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