■日産新型「キックス」に搭載される「e-POWER」はどんな仕様?
2020年5月15日、日産は東南アジアに位置するタイで“ワールドプレミア”として新型「キックス」を発表しました。そして、このモデルは日本とも大きく関係することになりそうです。その理由はどこにあるのでしょうか。
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キックスは2016年のブラジルを皮切りに北米、中国、マレーシア、そして台湾など世界各地で販売されている世界戦略車。しかし、タイで発表された“新型”はふたつの新しいポイントがあります。
ひとつはエクステリアデザイン。これまで世界各国で販売されていたモデルと比べてみると、顔つきが異なるのが一目瞭然です。
ヘッドライトが細くなるいっぽうで、グリルは従来モデルに比べてふたまわりも大型化。大きなグリルは最新のセレナに近い雰囲気です。またバンパー形状も変更されています。
顔つきが違う理由は、タイで発表された新型キックスはマイナーチェンジを受けたモデルだから。タイ市場では、世界に先駆けて大幅改良モデルが投入されたのです。
そしてもうひとつのポイントはパワートレイン。
これまで各地で販売されていたキックスは1.6リッター、もしくは1.5リッターのガソリンエンジンを積んでいましたが、タイ仕様の新型キックスは発電用の1.2リッターエンジンと駆動用のモーターを組み合わせて搭載するハイブリッド。つまり「e-POWER(イーパワー)」を搭載しているのです。
これはキックスとしてはじめての組み合わせ。最高出力は129馬力で、現在発売されているe-POWERのモデルと比べると、「セレナe-POWER」の136馬力よりは控えめなものの、「ノートe-POWER」の109馬力よりはパワフル。最大トルクは260Nmとしています。
今回タイ仕様にe-POWERが用意されたことには、とても大きな意味があるといえるでしょう。日本以外にe-POWERが導入されるのははじめてなのですから。
ノートでe-POWERがデビューした当初、日産は「e-POWERは『国内専用』」と説明していましたが、その後の人気の高まりにより方向を転換したということになります。
また、それに関係する動きとして注目したいのが、新型キックスに積まれるe-POWERのユニットはタイで現地生産されるということです。
日産はタイでの新型キックスe-POWERの生産開始に合わせ、タイのサムットプラカーン工場へ370億円を投資。そこで生産されるe-POWER搭載車は、タイ国外へも輸出されることでしょう。
ところでタイの新型キックスは、日本市場とも関連がありそうです。
なぜなら、新型キックスは近日中に日本でも発売される見込みで、その日本向けモデルもタイからの輸入になるといわれているからです。今回発売されたタイ仕様に近いモデルが日本に登場することになりそうです。
ちなみにかつて、日産には「キックス」と呼ばれる軽自動車のオフローダーがありました。2008年に販売をスタートし、2012年に終了した三菱「パジェロミニ」のOEMモデルです。
その際の英文字綴りの車名は「KIX」。いっぽう新たなコンパクトSUVは「KICKS」でカタカナ表記は同じですが、英字で表記すると異なります。
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