屈指のGT-Rチューナーが手がけたR35を谷口信輝はどう評価する!?
完成度の高さでスペック以上のフィーリング!
「マインズがなぜ名門と呼ばれるのか」その理由を谷口信輝がデモカー(R35GT-R)試乗で解明する!
これまで色々な仕様のR35GT-Rに乗る機会があったけれど、このマシンのまとまりの良さは驚きのレベルだと思うよ。いや、本当に凄いな。
エンジンは、マインズオリジナルの軽量ピストンとチタンコンロッド、ハイカムを組み込んでSPLタービンをセットしたコンプリートユニットが搭載されているそうだけど、走り始めてまず気がついたのがパワーの立ち上がる回転がノーマルよりも下からということ。
もちろん高回転側でパワーがタレることもないので、結果として大幅にパワーバンドが拡大されているというわけ。マインズが得意としているコンピュータセッティングと合わせて、アクセルに対するレスポンスが良いので、コーナーが楽しいんだな。
試乗前にマインズの新倉代表から聞いていたのは「ピークパワーよりもピックアップの良さを追求したエンジン」ってことだったけど、実際にはパワー感もかなりのもの。通常はドライで750ps(ブースト1.5キロ)としている設定を、今回はウエット路面に合わせて650psくらいにしてあると言うけど「えっ!?」って思うほど速い。
体感的にはもっと上のパワー感で、ウエット路面の箱根ではオレでも扱い切れないくらい。マインズがセットアップしたクルマとしては、かなりじゃじゃ馬の部類に入るんじゃないかな。
サウンドも抜群に良い。排気系は高回転でのブーストダウン対策に効果的なアウトレットと触媒ストレートを核としたSpec-X6.0キットに、海外向けのフルパワー設計としているレーシングコンペティションマフラーの組み合わせだけど、甲高くて乾いたエキゾーストサウンドがドライバーを昂ぶらせてくれる。
外観も「ザ・マインズ」だね。フロントまわりは拡大タイプのアンダースポイラーとカナード、ボンネットなどを装着。リヤはムーンクラフトとコラボした2枚タイプのリヤウイングカバーをセットして、あくまでもストリートを意識しながら、ワンランク上の空力性能を得られるオリジナルのエアロパーツで構成されている。
足回りは、ザックス製別タンク式の3ウェイ減衰調整可能なハイエンド車高調を装備。若干ハードな味付けだけど、路面追従性能が非常に高くて雨でも安心して踏めるね。
インテリアも質感を重視したカスタム仕様だ。ナッパレザーとアルカンターラ張りのステアリングはマインズのオリジナル品で、発売以来バックオーダーが途切れない人気作だとか。実際に触れてみると、グリップ感も良いし質感も高い。オーナーは欲しくなるだろうな。
全体としては、サスペンションやボディ剛性のセッティングと合わせてマシンがシッカリしていて、心地よく超ハイパフォーマンスが楽しめるマインズらしい上質な味付け。ただ速いだけではない、その先にある高度なボディバランスを知れば、なぜマインズがGT-Rチューンの名門と呼ばれるのか理解できると思う。
スペック
■エンジン:VR38コンプリートエンジン仕様(750ps) マインズ VX-ROM、インジェクター、燃料ポンプ、エアクリーナー、スロットル、パイピング、マフラー ■駆動系:マインズ 強化ミッション、7枚クラッチ ■サスペンション:マインズ 車高調(ハイパコF19.65kg/mm R12.5kg/mm) ■ホイール:ボルクレーシングG27(F10J+35 R11J+20) ■タイヤ:ダンロップSP600(F255/40R20 R285/35R20) ■エクステリア:マインズ・フロントリップ、グリル、サイドステップ、ボンネット、トランク、ウイング、カーボンルーフ、ミラー
●取材協力:マインズ 神奈川県横須賀市林5-7-25 ☎︎046-857-3313
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