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新型トヨタ・シエンタ、どう変わった? 価格/サイズ/内装/3列目シートを解説 2022年の注目ミニバン

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新型トヨタ・シエンタ、どう変わった? 価格/サイズ/内装/3列目シートを解説 2022年の注目ミニバン

3代目にフルモデルチェンジ

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】新型トヨタ・シエンタ【細部まで見る】 全127枚

8月23日。トヨタはコンパクト・ミニバンの「シエンタ」をフルモデルチェンジして発売した。

コンパクト・ミニバン、つまり1.5Lクラスのエンジンを搭載して(ハイブリッドもあり)、ボディサイズは5ナンバー枠に収めながら、3列シートで7人乗りを可能にしているモデルは、現在のところ、このシエンタとホンダ・フリードしかない。

この2台が双璧というか、がっぷり四つのマーケットとなっている。

2021年通年の登録台数を見ると、軽自動車を除いたランキングでは、フリードは6万9577台で第10位、シエンタは5万7802台で第13位。

2022年上半期(1~6月)では、フリードが4万3827台で第6位、シエンタは2万5861台で第11位と、シエンタはライバルにやや水をあけられている。

モデル末期だったシエンタに対し、フリードはモデルライフの終盤ながら、この6月に一部改良が施され特別仕様車の「ブラックスタイル」が設定されるなど、上向きの状況。

今回のフルモデルチェンジで、シエンタがどう巻き返しを図っていくのか。まずは、新型の概要を紹介していこう。

全長/全幅は維持、全高はアップ

新型シエンタのボディサイズは、全長4260×全幅1695×全高1695~1715mm、ホイールベースは2750mm。

全高は従来型より20mm高くなったが、他のサイズは変わっていない。

デザインのコンセプトは、アクティブさを狙った従来型から、ライフツールとしての“機能”を素直に表現した方向へシフトしている。キーワードは「エモーティブ・ライフツール」、つまり、日常を彩り、愛着が沸く“ちょっといいモノ”を目指しているという。

外形デザインの狙いは、室内の広さを感じさせながら、車体が大きく見えないこと。

例えば、水平基調の低いベルトラインに、サイドガラスを立てたルーミネスなウインドウは、広く開放感ある室内空間を創出している。

また、ボディの前後四隅、ルーフの左右両端などのカドを落とした「シカクマル」シルエットにより、クルマを大きく見せない工夫がなされた。

さらに、ドアの下部やフロントフェンダーの前、リアフェンダーの後ろに樹脂製のサイドプロテクションモールを装着。ちょっとした接触からボディパネルを守ってくれ、気兼ねなく使えるツールとしての機能を素直に表現している。

ボディカラーは、訴求色のアーバンカーキをはじめ、鮮やかなスカーレットメタリックなど、オフ・ニュートラルカラーを中心に7色を設定。また、ウェルキャブ専用色1色と、ダークグレー・ルーフの2トーンカラーも2色設定され、全10色が用意された。

内装 2列5人乗り/3列7人乗り

インテリアも、使う楽しさと居心地の良い空間がデザインの狙いだ。

インパネは水平基調で室内を広く見せている。インパネアッパー部前端から左右のドアベルトラインへとシームレスに繋がる造形で、空間の広がりを強調。また車両感覚のつかみやすさをサポートしている。

エクステリア同様、インテリアにも「シカクマル」のシンプルなモチーフが用いられた。

メーターパネル、エアコンの吹出し口、シフトまわり、ドアポケットなど、異なる機能部品でありながら「シカクマル」で愛着のわくデザインに統一性を持たせている。しかも、アイコニックでシンプルだ。

さらに収納スペースには、入るモノ(ペットボトル、エコバッグ、水筒など)をピクトグラムで楽しく表示したり、機能部分には刺し色でアクセントを入れたりと、それぞれのファンクションを楽しく表現している。

インテリアカラーは、明るいフロマージュと落ちついた空間を演出するブラックが標準で、オプションパッケージでアースカラーのカーキも設定された。

なお、従来型のシエンタは2列5人乗り、3列6人/7人乗りの3タイプが設定されていたが、新型では「2列5人乗り」と「3列7人乗り」の2タイプとなっている。

3列目シートは? 自転車は入る?

前述のように外寸は従来型より車高がわずかに高められただけの新型シエンタだが、前後カップルディスタンスは従来型より80mm長い1000mmに。

室内高は20mm高い1300mm、後席ヘッドクリアランスも従来型より20mm広いなど、とくに2列目シートの快適性を向上している。

2列目に座ったお子さんが、車内で着替えをしやすいだけの室内高があり、また2列目シートのヒザ前スペースに買い物かごがそのまま置けるなど、十分な広さを確保した。

2列目はスライドが可能で、1列目シートのヘッドレストを外してシートバックを倒せば、2列目と繋いでセミフラットにして休憩スペースにできる。また、コンパクトな外観ながら、3列目シートにも大人がしっかり座れるパッケージを達成。

従来型同様、シートアレンジは多彩だ。

3列7人乗りの場合、3列目シートは2列目の下に折りたたむことができる。さらに2列目シートを前方へ回転させながら折りたためば、27インチタイヤの大人用自転車と20インチタイヤの子ども用自転車の2台を積載可能。

2列5人乗りも、リアシートを倒した状態での室内高を広げ、より使いやすいラゲッジスペースに。チルトダウン機構を最適化し、折りたたみ時により低く、よりフラットなデッキ面を実現。オプションのマットなどを使えば、車中泊にも最適な空間が出現する。

ハイブリッドの燃費 28.8km/L!

パワートレインは、1.5Lのガソリンエンジンと、それにモーターを加えたハイブリッドの2種という組み合わせは、従来型と排気量は同じ。

だが、エンジンは別ものだ。

ガソリンエンジン車は、1.5Lのダイナミックフォースエンジン(120ps/14.8kg-m)に10速シーケンシャル・シフトマチックのダイレクトシフトCVTを組み合わせる。力強くダイレクトな走りを実現しながら、クラストップレベルのWLTCモード18.4km/L(2WD・5人乗り)という優れた燃費性能も達成。

ハイブリッド車は、1.5Lのダイナミックフォースエンジン(91ps/12.2kg-m)にモーターを組み合わせる。

フロントモーターは80ps/14.4kg-m、リアモーターは3ps/4.5kg-mというスペック。

システムの高効率化により、心地良い走りと、クラストップレベルのWLTCモード28.8km/L(2WD・5人乗り・Xグレード)を達成する。

駆動方式は、ガソリンエンジン車は2WD(FF)のみだが、ハイブリッド車は前述のリアモーターで駆動するEフォーを設定し、降雪時・雨天時における登坂発進時の安心感を向上させている。

また、プラットフォームはTNGAの「GA-B」をベースに新設計された。

主要な骨格を連結させた環状骨格構造とし、結合部の剛性を向上。軽量・高剛性ボディが、上質な乗り心地と優れた操縦安定性を実現している。

ADAS/装備について

安全・安心装備では、先進機能を付与し、機能向上した最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備した。

「プリクラッシュセーフティ」は、車両、歩行者、自転車運転者に自動二輪車(昼)を加え検知範囲を拡張し、衝突回避・被害軽減に寄与する。

「プロアクティブ・ドライビングアシスト」は、運転の状況に応じたリスクの先読みを行うことで、歩行者、自転車、駐車車両に近づきすぎないよう、ドライバーの操舵/ブレーキ操作を支援するなど、対応する事故形態を一層拡大し、安心なドライブをサポート。

また、高度運転支援技術「トヨタチームメイト」の機能「アドバンストパーク」を設定。

ハンドル操作、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジの全操作を車両が支援するとともに、俯瞰映像に車両周辺の死角や目標駐車位置などを常に表示し、安全・安心でスムーズな駐車を実現する。

さらに、無線通信または販売店での有線接続により、常に最新のソフトウェアに更新可能な「ソフトウェアアップデート」、「コネクティッドナビ」対応のディスプレイオーディオを搭載、「車内Wi-Fi」、ドライブレコーダー(前・後方)、アクセサリーコンセント(AC100V/1500W)など、一部はオプションだが、快適装備も充実している。

価格と発売日

新型シエンタの発売日は8月23日。生産は、トヨタ自動車東日本の宮城大衡工場で行われる。

また、月販基準台数は8300台と発表された。

各グレードの価格は下記のとおりとなっている。

ガソリン仕様(FF)

X:195万円(5人乗り)/199万円(7人乗り)
G:230万円(5人乗り)/234万円(7人乗り)
Z:252万円(5人乗り)/256万円(7人乗り)

ハイブリッド仕様(FF)

X:238万円(5人乗り)/242万円(7人乗り)
G:265万円(5人乗り)/269万円(7人乗り)
Z:287万円(5人乗り)/291万円(7人乗り)

ハイブリッド仕様(Eフォー)

X:257万8000円(5人乗り)/261万8000円(7人乗り)
G:284万8000円(5人乗り)/288万8000円(7人乗り)
Z:306万8000円(5人乗り)/310万8000円(7人乗り)

新型シエンタ スペック

トヨタ・シエンタZ(ハイブリッド/7人乗り/FF)

価格:291万円
全長×全幅×全高:4260×1695×1695mm
ホイールベース:2750mm
0-100km/h加速:-
車両重量:1370kg
パワートレイン:1490cc直3+モーター
最高出力(エンジン):91ps/5500rpm
最大トルク(エンジン):12.2kg-m/3800-4800rpm
最高出力(モーター):80ps
最大トルク(モーター):14.4kg-m
燃料消費率:28.2km/L(WLTC)
タンク容量:40L
タイヤサイズ:185/65R15
最低地上高:140mm

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みんなのコメント

27件
  • 非常給電装備があるから、災害時にも役に立つだろうね。
    良いと思う。
  • 先代のデザインは生理的に受け付けなかったが
    これなら乗れる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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