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東京~軽井沢間往復360kmを走ってわかった三菱「エクリプスクロスPHEV」の実力

掲載 更新 32
東京~軽井沢間往復360kmを走ってわかった三菱「エクリプスクロスPHEV」の実力

運転好きも唸る一台!三菱エクリプスクロスPHEV

三菱自動車のPHEVは、SUVのボディタイプとしてPHEV世界販売台数NO.1を誇っている。そんな三菱のPHEVのコンパクトクロスオーバーSUVが、三菱自慢のスーパーオールホイールコントロール=S-AWCを用いたエクリプスクロスPHEVだ。

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2020年12月のマイナーチェンジでは、デリカD:5などと共通するダイナミックシールドの顔つきが与えられたほか、全長を140mm延長。そして現行アウトランダー譲りの、待望のPHEVシステムが搭載されている。

エクステリアは以前にも増して堂々とした佇まいになり、インテリアもスマホ連携のディスプレーオーディオが7インチから8インチに大型化されるなどの進化が見られ、内外装ともにひとクラス上の存在感を示していると言っていいだろう。

マイナーチェンジではもうふたつ、見逃せない改良点がある。一つ目は後席。マイナーチェンジ前はスライド機構を備えていたのだが、今では廃止。現行型は全長の拡大をほぼリヤオーバーハングに与えたため、後席膝周り空間とラゲッジスペースの奥行きが広がり、あえて後席にスライド機構を持たせる理由がなくなったというわけだ。さらに二つ目として上下2分割のダブルガラスウインドーが改められ、一般的なリヤウインドー、視界に改善されている。

パワーユニットは2・4Lエンジン、128ps、20・3kg-mに、前82ps、後95psのモーターを加えた、ツインモーター4WD。基本的にはPHEV=”プラグインハイブリッドEV”が示すように、駆動力はモーター走行優先の、EVに近いキャラクターとなる(EV走行モードを基本にハイブリッド走行、エンジン主体のパラレル走行モードが自動的に切り替わるほか、EVモードも選択できる)。

エクリプスクロスはアウトランダー同様、悪路や雪道にも強いクロスオーバーSUV。よって、ドライブモードとして経済性と穏やかな走りを優先するECO、デフォルトかつ万能なNORMAL、乾燥路の山道で威力を発揮するパワーと操縦性重視のTARMAC、そして高い走破性を誇るラフロード(悪路)向けのGRAVELモードの選択がスイッチひとつで可能になる。なお、最低地上高はガソリン車の175mmに対してPHEVはよりゆとりある185mm。ハイブリッド燃料消費率はWLTCモード総合で16・4km/Lとなっている。

また、電子パーキングブレーキとともに、オートブレーキホールド機能も備わるため、一時停止時にブレーキペダルを踏み続けなくて済み、信号待ちや渋滞時、料金所などで右足の負担から解放されるのがうれしい(メモリー機能はなし)。

さて、今回、東京から軽井沢に向けて試乗したのは、最上級のPグレードにオプションの淡いグレーの本革シートを奢ったモデルだ。PHEVモデルはすべて18インチ大径タイヤ&ホイールを装着し、市街地の乗り心地はやや硬めの剛性感、骨太感あるタッチとなる。

しかし、乗り心地は速度を上げるほどにフラットかつ快適になり、特に前席のシートのかけ心地の良さは特筆もので、東京~軽井沢間往復約360kmの運転でも、背中や腰の疲れは最小限だった。帰宅してすぐにこの記事を書き始められたのが、その何よりもの証拠である。

話をエクリプスクロスPHEVの走行性能に戻せば、高速走行では先進運転支援機能の三菱e-Assistに含まれるレーダークルーズコントロールシステム=ACCの的確な追従走行、停止保持、再発進機能、そしてレーンチェンジを安心して行えるレーンチェンジアシスト機能付き後側方車両検知システム=BSW/LCA、いわゆるブラインドスポットモニターなどによって、ストレスフリーのドライブが味わえた。直進性、安定感はさすが、三菱の4WDである。

驚かされたのはシートのかけ心地の良さなどだけではない。そう、電動車ならではの車内の静かさである。街中ではEV、高速走行ではHV走行が主なのだが、EV走行からエンジンが発電を行い、モーター走行するハイブリッドモードに移行しても、そうとは気づかせないシームレスさ、静かさが持続されるのだ。

上信越道碓井軽井沢ICからプリンス通りに至るバイパスは、一気に標高1000m近くまで駆け上る絶景・爽快なワインディングロードだが、ここでは見事な安定感と自在感たっぷりの操縦性、運転好きをも唸らせるダイナミクス性能を披露。ステアリングを右へ左へと切り返す場面での姿勢変化は少なくないのだが、まるでタイヤが路面に吸い付くかのようなロードホールディング性能を見せつけ、ドライバーはもちろん、同乗の乗員さえ安心してバイパスからの景色を楽しめたほどだった。回生レベルセレクター=パドルシフトによって、車速をコントロールしやすいのも、こうした山道では(回生によるダウンシフト効果として)大きなメリットとなったのも本当だ(帰路、バイパスの下り坂ではさらなる威力を発揮。安定感、安心感は文句なしだった)。

ところで、PHEVは充電を気にせず高速走行、ロングドライブが可能な電動車だが、軽井沢の澄んだ空気を汚さないために、往路は軽井沢直前の上信越道横川SAで急速充電。約25分で約80%の充電が可能だから、トイレや売店を利用しているうちに充電が完了。横川SAから、例えばプリンスショッピングプラザまでは約22km、約25分の距離にあり、WLTCモードのEV走行可能距離57・3kmに対して、エアコンなどを使った実質EV走行可能距離約50kmでEV走行をまかなうことが可能だ。もちろん、登坂路では駆動バッテリーを消費するものの、最初の目的地としたプリンスショッピングプラザの駐車場P3には200Vの普通充電設備が数基あり、ランチやショッピングの間に充電ができるから、効率がいい。

東京~軽井沢往復約360kmを、静かで快適、かつS-AWCや先進運転支援機能に支えられて走行した実燃費は、なんとWLTCモードのハイブリッド燃料消費率16・4km/Lを超える16・5km/Lを達成。4WDの本格SUVとして、かなり立派な数値だと言っていいだろう(決して意図的なエコ運転だけに徹したわけではない)。

そして何と言っても、エクリプスクロスPHEVにはAC100V/1500Wコンセントがラゲッジスペースに装備されている点にも注目だ。車内外で家電品が使え、アウトドア派もちろん、災害時にも役立ってくれるありがたさがある。軽井沢では、眺めのいい場所に止め、電気ポットでお湯を沸かし、ティタイムを楽しむことができた。

なお、エクリプスクロスPHEVの価格は384・89万円から。試乗した最上級、装備満載のPグレードは447・7万円となる。大きすぎないサイズによる日常使いからアウトドア、悪路はもちろん、冬に雪道を走る場面では、エクリプスクロスPHEVのオールラウンダーとしての魅力、頼りがい、走破性が一段と際立つに違いない。

そして、ドアのガーニッシュがドア側についていることで、悪路や雪道を走っても、サイドシルをカバーし汚れにくく、乗降の際にパンツやスカートを汚さずに済む点も、スタイリッシュなクロスオーバーモデルながら、SUVとして”本格”な実用性をフルに備えていると、結論づけられるのではないだろうか。これから先、寒さ厳しい季節が到来するが、スマホとエクリプスクロスを連系させた三菱リモートコントロールによって、乗り込む前に車内を暖めておくこともできるから快適である(暑い季節には冷やしておける)。

三菱エクリプスクロス
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/eclipse-cross/

写真 雪岡直樹

文 青山尚暉

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みんなのコメント

32件
  • 記事が10ヵ月遅いと思いますが
  • eoy********
    PHEVはやはりメタボ。人間と一緒でデブだとろくなことはない。高速16.5はパッとしないね。それとエクリプスクロスはリアから見た目が残念。これはマイナー前の方が良かった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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