現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いつからこうなった!? 販売差約2倍 ヴェルファイアよりアルファードが人気の理由とは

ここから本文です

いつからこうなった!? 販売差約2倍 ヴェルファイアよりアルファードが人気の理由とは

掲載 更新 197
いつからこうなった!? 販売差約2倍 ヴェルファイアよりアルファードが人気の理由とは

 トヨタの誇るラージミニバンである、アルファードとヴェルファイア。この2台、以前はヴェルファイアのほうが人気だったのだが、現在その状況は逆転しており、2019年はなんと1.9倍も、アルファードのほうが多く売れた。

 アルファードがヴェルファイアを大きく引き離したこの逆転劇は、なぜ起きたのだろうか。そしてそもそも、商品力が同じ2台に、なぜこれほどまでに差ができるのだろうか。

最近よく聞く「グローバルプラットフォーム」 何がいいの? 賞味期限は?

 また、2020年5月以降の「トヨタ全系列で全車種の併売化」によって、車種統合されるウワサがあるアルファード&ヴェルファイアの販売は、どのようになっていくのだろうか。

グラフ1.アルファードとヴェルファイアの過去10年間の販売台数比較

【アルファード&ヴェルファイア 過去5年間の販売台数】

2015年販売台数 アルファード:4万4366台 ヴェルファイア:5万4180台
2016年販売台数 アルファード:3万7069台 ヴェルファイア:4万8982台
2017年販売台数 アルファード:4万2281台 ヴェルファイア:4万6399台
2018年販売台数 アルファード:5万8806台 ヴェルファイア:4万3130台
2019年販売台数 アルファード:6万8705台 ヴェルファイア:3万6649台

【関連記事】【最強ミニバンはHVが3割未満!?】アルファード/ヴェルファイアはなぜガソリン車が圧倒的なのか

【画像ギャラリー】歴代アルファード&ヴェルファイアをみる

文・グラフ:吉川賢一、写真:トヨタ

アルファードとヴェルファイアの違いとは?

 アルファードは、初代モデルが2002年、2代目が2008年に発売されており、3代目となる現行型は2015年に発売された。

初代アルファード(2002年)

 2代目アルファードへとモデルチェンジをしたタイミングで、ネッツトヨタ店向けとして売られていた「アルファードV」の後継モデルという形で、ヴェルファイアが用意された。

 その後、アルファードは法人顧客の多いトヨペット店の専売ブランドとなり、フロントマスクは比較的落ち着いた雰囲気を持たせることとなった。

アルファードVの後継モデルとして誕生した初代ヴェルファイア(2008年)

 対照的に、ヴェルファイアは若者や女性をターゲットとしたネッツ店の顧客に合わせて、艶やかで派手なフロントフェイスとし、存在感の強い路線を邁進することとなった。

 その結果、ヴェルファイアは狙い通り若者の支持を得て、販売台数を伸ばしていった。2017年あたりまで、常に1万台~2万台ほど、アルファードよりも多く売れていたのだ(グラフ1参照)。

なぜここまで人気が逆転したのか?

アルファード&ヴェルファイア

 転機は2018年のマイナーチェンジだ。変更点は、内外装のデザイン変更やクオリティアップ、使い勝手の向上、3.5L車に新開発の直噴エンジン搭載と新開発ダイレクトシフト8ATの組み合わせた。

 さらに最上級グレード「エグゼクティブラウンジ」の設定、「第2世代トヨタセーフティセンスP」の標準装備など、多岐にわたっている。

 販売台数の明暗に直結したのは、両車のフロントマスクにある。2015年に登場した3代目アルファードは、比較的おとなしめで、クラウンのような清潔感のあるフロントマスクだった(とはいえ縦型グリルはメッキでギラギラだったが)。

アルファード(2018年マイナーチェンジ)

 エアロタイプの方は、やや厳つさを強調していたが、まとまり感のあるフェイスとなっていた。

 それが2018年のマイナーチェンジで、ヘッドランプ内をブラックアウトと細目化を行い、フロントグリルもブラック基調にしながらも、メッキの縦ラインを入れ、高雅ながらも派手なフェイスとなった。特にエアロ仕様による厳つさが「引き締まって程よくカッコよい」と、好評を得た。

 ヴェルファイアのほうはというと、2018年のマイナーチェンジで、メッキエリアをフロントのサイドエリアまで拡大し、横に引かれたサイドグリルのデザインと相まって、ますますギラギラ感が増したフロントフェイスとなった。

ヴェルファイア(2018年マイナーチェンジ)

 トヨタは「この手のクルマを好むユーザーは、顔つきがギンギラギンであるほどに喜ばれる」と考えたのかもしれないが、ほどよいバランスに変化したアルファードのほうが、顧客に受けることとなったのだ。

 個人的には、アルファードの最上級グレード「Executive Lounge」がもつ雰囲気に、魅力を感じる。あくまで筆者のイメージだが、企業のオーナーや要人、といったVIPを乗せて、運転手がハンドルを握る高級車を想像させてくれる。

アルファードExecutive Lounge 室内(2015年)

全系列併売化でアルファードに一本化? 販売動向はどうなる? 

 2020年3月の販売台数は、アルファードが7885台、ヴェルファイアが2719台と明暗を分けているが、もし統合されれば、販売台数が1万台以上となる高級ミニバンブランドとなる。

 しかし先日、5月1日からアルファードとヴェルファイアに、ゴールドをアクセントにした特別仕様車が設定されることがリリースされた。このことからも、ヴェルファイアが即時、カタログ落ちするということはない、と思われる。

ヴェルファイア 特別仕様車 Z“GOLDEN EYES”(2020年)

 今後は初代のアルファードVのように、アルファードの1グレードになる(ヴェルファイアという名称は消滅)というのが筆者の予想だ。

まとめ

 フロントフェイスの造形一つで、これほどの逆転劇が起きてしまうとは、非常に面白い。ただ逆に考えると、フェイスチェンジ一つで、販売失速したクルマが復活する可能性もあるということだ。

 直近では、2012年発売の三菱ミラージュがこの4月にビッグマイナーチェンジで、ダイナミックシールド顔となり、南米で2016年から販売されている日産キックスが、フェイスリフトとともに日本に登場する。これらの躍進にも注目だ。

【画像ギャラリー】歴代アルファード&ヴェルファイアをみる

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
レスポンス
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
motorsport.com 日本版
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
くるまのニュース
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
バイクのニュース
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
@DIME
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
motorsport.com 日本版
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
レスポンス
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

197件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

510.01480.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

18.41899.0万円

中古車を検索
アルファードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

510.01480.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

18.41899.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村