トヨタの誇るラージミニバンである、アルファードとヴェルファイア。この2台、以前はヴェルファイアのほうが人気だったのだが、現在その状況は逆転しており、2019年はなんと1.9倍も、アルファードのほうが多く売れた。
アルファードがヴェルファイアを大きく引き離したこの逆転劇は、なぜ起きたのだろうか。そしてそもそも、商品力が同じ2台に、なぜこれほどまでに差ができるのだろうか。
最近よく聞く「グローバルプラットフォーム」 何がいいの? 賞味期限は?
また、2020年5月以降の「トヨタ全系列で全車種の併売化」によって、車種統合されるウワサがあるアルファード&ヴェルファイアの販売は、どのようになっていくのだろうか。
グラフ1.アルファードとヴェルファイアの過去10年間の販売台数比較
【アルファード&ヴェルファイア 過去5年間の販売台数】
2015年販売台数 アルファード:4万4366台 ヴェルファイア:5万4180台
2016年販売台数 アルファード:3万7069台 ヴェルファイア:4万8982台
2017年販売台数 アルファード:4万2281台 ヴェルファイア:4万6399台
2018年販売台数 アルファード:5万8806台 ヴェルファイア:4万3130台
2019年販売台数 アルファード:6万8705台 ヴェルファイア:3万6649台
【関連記事】【最強ミニバンはHVが3割未満!?】アルファード/ヴェルファイアはなぜガソリン車が圧倒的なのか
【画像ギャラリー】歴代アルファード&ヴェルファイアをみる
文・グラフ:吉川賢一、写真:トヨタ
アルファードとヴェルファイアの違いとは?
アルファードは、初代モデルが2002年、2代目が2008年に発売されており、3代目となる現行型は2015年に発売された。
初代アルファード(2002年)
2代目アルファードへとモデルチェンジをしたタイミングで、ネッツトヨタ店向けとして売られていた「アルファードV」の後継モデルという形で、ヴェルファイアが用意された。
その後、アルファードは法人顧客の多いトヨペット店の専売ブランドとなり、フロントマスクは比較的落ち着いた雰囲気を持たせることとなった。
アルファードVの後継モデルとして誕生した初代ヴェルファイア(2008年)
対照的に、ヴェルファイアは若者や女性をターゲットとしたネッツ店の顧客に合わせて、艶やかで派手なフロントフェイスとし、存在感の強い路線を邁進することとなった。
その結果、ヴェルファイアは狙い通り若者の支持を得て、販売台数を伸ばしていった。2017年あたりまで、常に1万台~2万台ほど、アルファードよりも多く売れていたのだ(グラフ1参照)。
なぜここまで人気が逆転したのか?
アルファード&ヴェルファイア
転機は2018年のマイナーチェンジだ。変更点は、内外装のデザイン変更やクオリティアップ、使い勝手の向上、3.5L車に新開発の直噴エンジン搭載と新開発ダイレクトシフト8ATの組み合わせた。
さらに最上級グレード「エグゼクティブラウンジ」の設定、「第2世代トヨタセーフティセンスP」の標準装備など、多岐にわたっている。
販売台数の明暗に直結したのは、両車のフロントマスクにある。2015年に登場した3代目アルファードは、比較的おとなしめで、クラウンのような清潔感のあるフロントマスクだった(とはいえ縦型グリルはメッキでギラギラだったが)。
アルファード(2018年マイナーチェンジ)
エアロタイプの方は、やや厳つさを強調していたが、まとまり感のあるフェイスとなっていた。
それが2018年のマイナーチェンジで、ヘッドランプ内をブラックアウトと細目化を行い、フロントグリルもブラック基調にしながらも、メッキの縦ラインを入れ、高雅ながらも派手なフェイスとなった。特にエアロ仕様による厳つさが「引き締まって程よくカッコよい」と、好評を得た。
ヴェルファイアのほうはというと、2018年のマイナーチェンジで、メッキエリアをフロントのサイドエリアまで拡大し、横に引かれたサイドグリルのデザインと相まって、ますますギラギラ感が増したフロントフェイスとなった。
ヴェルファイア(2018年マイナーチェンジ)
トヨタは「この手のクルマを好むユーザーは、顔つきがギンギラギンであるほどに喜ばれる」と考えたのかもしれないが、ほどよいバランスに変化したアルファードのほうが、顧客に受けることとなったのだ。
個人的には、アルファードの最上級グレード「Executive Lounge」がもつ雰囲気に、魅力を感じる。あくまで筆者のイメージだが、企業のオーナーや要人、といったVIPを乗せて、運転手がハンドルを握る高級車を想像させてくれる。
アルファードExecutive Lounge 室内(2015年)
全系列併売化でアルファードに一本化? 販売動向はどうなる?
2020年3月の販売台数は、アルファードが7885台、ヴェルファイアが2719台と明暗を分けているが、もし統合されれば、販売台数が1万台以上となる高級ミニバンブランドとなる。
しかし先日、5月1日からアルファードとヴェルファイアに、ゴールドをアクセントにした特別仕様車が設定されることがリリースされた。このことからも、ヴェルファイアが即時、カタログ落ちするということはない、と思われる。
ヴェルファイア 特別仕様車 Z“GOLDEN EYES”(2020年)
今後は初代のアルファードVのように、アルファードの1グレードになる(ヴェルファイアという名称は消滅)というのが筆者の予想だ。
まとめ
フロントフェイスの造形一つで、これほどの逆転劇が起きてしまうとは、非常に面白い。ただ逆に考えると、フェイスチェンジ一つで、販売失速したクルマが復活する可能性もあるということだ。
直近では、2012年発売の三菱ミラージュがこの4月にビッグマイナーチェンジで、ダイナミックシールド顔となり、南米で2016年から販売されている日産キックスが、フェイスリフトとともに日本に登場する。これらの躍進にも注目だ。
【画像ギャラリー】歴代アルファード&ヴェルファイアをみる
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
離陸直前のロシア軍機が「撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 地上のレーダーシステムにも被害か
中国空母が沖縄の「絶海の孤島」を1周! 海自艦艇と睨み合い 約260回も艦載機が発着
「ヘッドライトが“まぶしすぎるクルマ”」最近なぜ増えている? 信号待ちで「ライトを消さない人」が多数派に!? 夜間のヘッドライトにまつわる“新たな常識”とは!
「凄い迫力」中部空港に“ギネス持ち巨大な珍客”」飛来にSNS騒然 さらにまさかの並びに「とんでもない事になってる」
大雪の国道で「スタック同時多発」に怒りの声“殺到”!? 「免許返納しろ!」「厳罰化を!」 この期に及んで「タイヤチェーン未装着」全く動けず… 東北の国道で4件発生 山形・宮城
「ヘッドライトが“まぶしすぎるクルマ”」最近なぜ増えている? 信号待ちで「ライトを消さない人」が多数派に!? 夜間のヘッドライトにまつわる“新たな常識”とは!
中国空母が沖縄の「絶海の孤島」を1周! 海自艦艇と睨み合い 約260回も艦載機が発着
「シビックのくせに高い」は本当か? “新車価格400万円時代”と日本人の給料を冷静に見比べて見えてきた残酷な現実
ダイハツ新「オトナ・タント」初公開! 高級感すごい「ド迫力バンパー&“光る”大型グリル」採用した“クロメキ”仕様! 超クールで大胆な「タント カスタム クロメキ」東京オートサロンに出展へ!
軽自動車に「普通車っぽい“白いナンバー”」を付けたいです! 「黄色いナンバーは軽自動車って感じがしてイヤ…」な人に朗報! どんなナンバーを選べばいい?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント