「第七世代」というとお笑い芸人と思う人が多いかもしれないが、マツダの商品群も現在第七世代と呼ばれる商品が2019年から登場し始めた。
その新世代商品群のオープニングを飾ったのが、2019年5月に登場した「マツダ3 ファストバック/セダン」だ。先代モデルは日本市場では「アクセラスポーツ/アクセラ」のネーミングで販売されていたが、今回のフルモデルチェンジを機にグローバルモデルの名称である「マツダ3」へと変更されている。
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同様にアテンザが「マツダ6」、デミオが「マツダ2」に名称変更しているが。こちらは世代交代であるフルモデルチェンジではなく、マイナーチェンジで名称が変わったという珍しいパターンとなった。ここでは登場から1年が経過した「マツダ3 ファストバック/セダン」の中古車事情に迫ってみる。
文/萩原文博
写真/編集部
【画像ギャラリー】中古なら気になっていたあのエンジンも選択肢に! マツダ3をもう一度詳しくチェック
■登場から1年 増えたエンジンバリエーション
マツダ3 ファストバック/セダンは2019年5月に登場。搭載されているエンジンはデビュー当初ファストバックが1.5L&2L直列4気筒ガソリンエンジン、1.8L直列4気筒ディーゼルターボエンジンの3種類。セダンが2L直列4気筒ガソリンエンジン、そして1.8L直列4気筒ディーゼルターボエンジンの2種類だった。
その後、2019年12月に新世代2L直列4気筒ガソリンエンジンの「スカイアクティブX」を追加。2020年2月にガソリンエンジンに4WD車を設定。
そして、2020年5月にはセダンに1.5L直列4気筒ガソリンエンジンを追加し、ファストバックとセダンのエンジンラインアップが同じになり、全エンジンで駆動方式は2WDと4WDを選べるようになるなどグレードが拡充されている。それでは、マツダ3ファストバックとセダンの中古車事情を見てみよう。
■走行距離は横ばいだが スカイアクティブX登場で中古車市場に変化あり
先代モデルのアクセラではハッチバック車の流通台数が多く、セダンは少なかった。しかし、マツダ3の中古車の流通台数はファストバックが約192台、セダンは約137台と従来モデルと比べると、今のところ差は僅差となっている。
高級ブランド化を狙うマツダの戦略として、日本名の「アクセラ」を捨て「マツダ3」に変更。左手前がファストバック、右奥がセダン
まず、流通台数の多いファストバックから詳しく見てみる。3カ月前の2020年4月の時点における「マツダ3ファストバック」の中古車の流通台数は約130台。その後右肩上がりで増えて現在は約192台まで増加している。
まだ、登場して1年が経過したばかりのモデルなので、中古車の平均走行距離は3カ月前、現在ともに約2600kmで非常に少ない。走行距離は横ばいで推移しているのだが、平均価格は3カ月前の約261万円から現在は約289万円とわずか3カ月で28万円も値上がりしている。
一方の「マツダ3セダン」はというと、流通台数は3カ月前の約90台から現在は約137台まで増加している。中古車の平均走行距離はファストバック同様に3カ月前、現在ともに約2500kmで横ばいとなっている。
この動きに連動して、マツダ3セダンの平均価格は3カ月前の約278万円から今月は約276万円とほぼ横ばいで推移している。なぜ、ファストバックとセダンで平均価格の動きに差が出るのか。これはファストバックのほうが人気だからというのが理由ではない。
その答えは、流通しているグレード構成にあった。新車価格の高いスカイアクティブX搭載グレードの流通台数を見るとセダンが約20台。一方のファストバックは約74台と非常に多くなっている。このスカイアクティブX搭載車の台数が中古車の平均価格に大きな影響を与えていたのだ。
2019年12月中旬に追加された「SKYACTIV-X」。SKYCATIV-X搭載のXグレードは、SKYACTIV-G2.0の同グレードより68万2407円高い300万円オーバーからと、一番高価なパワーユニットとなっている
■ディーゼルとスカイアクティブXが中心 どのモデルがオススメか!?
中古車の価格帯を見てみると、ファストバックは約200万~約369万円。セダンは約175万~約372万円となっている。グレード構成を見てみると、ファストバックは最も多いのがディーゼルターボエンジンを搭載した「XD Lパッケージ」の約31台。続いて、スカイアクティブXを搭載した「Xプロアクティブツーリングセレクション」の約25台。そして同じスカイアクティブXを搭載した「X バーガンディセレクション」の約20台となっている。
1.5Lエンジンを搭載した「1.5Sツーリング」は約11台が最多で、1.5Lエンジン全体でも約18台、2Lエンジンは約16台と少なく、ディーゼルとスカイアクティブXが中心だ。
ファストバック専用、バーガンディレザー内装車のインパネ。基本的な意匠はこれまでのマツダ車に近いが、質感は大幅に向上している
一方のセダンでは、ディーゼルターボエンジンを搭載した「XD Lパッケージ」が約70台と圧倒的に多く、これに続くのは「20S Lパッケージ」の約12台、「XD Lパッケージ 4WD」が約11台となっている。
スカイアクティブX搭載車は約20台。追加されたばかりの1.5L車はまったく流通していない状況だ。流通台数の多いグレードの値動きを見てみると、ファストバック全体では値上がり傾向となっているが、最も流通台数が多い「XD Lパッケージ」の平均価格は3カ月前の約284万円から、現在は約274万円と10万円の値落ち。
「Xプロアクティブツーリングセレクション」は約348万円から約315万円と33万円の値落ち。そして「Xバーガンディセレクション」は約342万円から約322万円と20万円の値落ちを記録。
新車価格の高いスカイアクティブX搭載車の中古車が大量に流通した影響で平均価格は値上がり傾向となったが、スカイアクティブX搭載車は20万円以上という大幅な値落ちを記録し、割安感が漂っている。
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同様にマツダ3セダンを見てみると、圧倒的な流通台数を誇る「XD Lパッケージ」の平均価格は3カ月前の約282万から現在は約273万円と9万円の値落ち。「20S Lパッケージ」は3カ月前、今月ともに約241万円と横ばい。そして、「XD Lパッケージ 4WD」は3カ月前の約313万円から7月は約303万円と10万円の値落ちとなっている。
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流通している中古車の多くは、ディーラーの試乗車や展示車アップのクルマが多く、ボディカラーはマシーングレープレミアムメタリックやソウルレッドクリスタルメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカといった有償色が中心となっている。
このセダンがまとっているのがマシーングレープレミアムメタリック。ソウルレッドクリスタルメタリックと同じく、マツダが誇る匠の塗装技術から生まれたボディカラーだ
このボディカラーを考えている人は新車だけでなく、中古車まで選択肢を拡げるとお買い得な買い物ができる。特にファストバックのスカイアクティブX搭載車は、新車時の価格差を一気に縮められるほど値落ちが大きくなっているので狙い目だ。セダンは流通台数の多い「XD Lパッケージ」がオススメ。4WD車の中古車が多く流通しているのも魅力だ。
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