現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > バッテリーEVでMT車!? その時の気分で何にでも乗れる! トヨタの新OS「アリーン」が変えるクルマの未来

ここから本文です

バッテリーEVでMT車!? その時の気分で何にでも乗れる! トヨタの新OS「アリーン」が変えるクルマの未来

掲載 34
バッテリーEVでMT車!? その時の気分で何にでも乗れる! トヨタの新OS「アリーン」が変えるクルマの未来



「クルマの未来を変えていこう」をテーマにした「トヨタテクニカルワークショップ2023」を開催したトヨタ自動車株式会社は、「クルマの新価値を提供する知能化」として、独自の車両用OS「Arene(アリーン)OS」を中心としたクルマの未来を公開した。そこにはバッテリーEVのMT車やLFA、パッソ、タンドラに変化可能なオンデマンドカーがあった。それって一体何!? という気になる中身をリポートしよう。

次期「ランドクルーザープラド」が見えた!? レクサス新型「GX」のオフローダーらしいタフなプロポーション

●文:月刊自家用車編集部 ●写真:トヨタ自動車株式会社

次世代バッテリーEVでは、車両OS進化で走る/曲がる/止まるなど「乗り味」のカスタマイズも可能に!?

―― トヨタモビリティコンセプト

4月7日、佐藤恒治新社長を中心に新経営体制による新体制方針説明会で説明された「トヨタモビリティコンセプト」。その一翼を担うのがクルマの知能化だ。今回ワークショップでは、独自の車両用OS(オペレーティングシステム)である「Arene(アリーン) OS」によってクルマの知能化を加速させることが宣言された。

―― 次世代音声認識

最新のAI技術を活用し、まるでオペレーターと対話しているような、高速で高性能なレスポンスやシチュエーションや好みに合わせた提案をできる次世代音声認識を次世代グローバル量産モデルに搭載する予定で、「Arene(アリーン) OS」で200以上の車両機能を操作できるという。実際のデモ操作を見ることができたが、言語は英語であるものの、対話中に人間側が話を遮ったり、かぶせたりしてもスムーズにシステムが返答していた。

さらに、次世代バッテリーEVでは、今後のOSの進化で、走る/曲がる/止まるにこだわった「乗り味」のカスタマイズも可能になるという。

―― マニュアルBEV

ワークショップでは、バッテリーEVに電気的に接続されたMT(マニュアルトランスミッション)を模したシフトレバーと、クラッチペダルを装着したバッテリーEV「レクサスUX300e」に試乗することができた。写真ではご覧に入れられないが、EV用シフトレバーがあった場所に6速マニュアルシフトレバー(バックはリング式)が装着されており、ペダルにもクラッチが追加されている。すべて電気的に接続されており、駆動制御などでバッテリーEVでもMT車のような走りを楽しめるというもの。

同乗したエンジニア氏の説明を受けながら、恐る恐るクラッチを繋いで走り出すと、4A-GEを積んだAE86レビン/トレノのようなエンジン回転音とスポーツマフラーを装着したようなエキゾーストノートで走行開始。2速から6速まで変速して速度を上げたが、ここまでの操作やシフトアップ時のショックなど、音も体感もエンジン車そのもの。だが、すべてソフトウェアにより動きや音が再現されているのだ。「6速に入れて走ってみてください」と指示をいただき走行するとギヤ比がきっちり再現されているので、ハイギヤでの加速体感そのもの。

テストコースを登り坂まで進むと、「ここで停めてください」と指示があり坂道発進を体験。ギヤをニュートラルに入れるとスルっと車両は後ろにずり下がり、まさにMT車のニュートラル状態である。ここからクラッチを繋いでアクセルを軽く踏んだのだが、どこかで「ホントにMT車か?」と信じていない気持ちもあり、繋ぎ方が甘かったのか見事にエンストとなった。ガクッという振動もエンジン車そのもので、「そこまで再現するのか?」というのが正直な感想。

エンストした時に、思わずシステムスタートボタンを押そうとしたら、「不要です」と言われてしまった。エンストした場合、自動でニュートラルになるそうだ。また、シフトがニュートラルの場合は、バッテリーEVの「D(ドライブ)」になるだけで、普通に走行することができる。

とても短い試乗時間だったが、衝撃的な体験だった。この衝撃はこの後に乗った「走りをオンデマンドで変更可能な車」でさらに強くなる。

―― 走りをオンデマンドで変更可能な車

次の試乗車はバッテリーEV「レクサスRZ」をベースにしたテストカー。「走りをオンデマンドで変更可能な車」ということで、レクサスのスーパーカーの「LFA」、トヨタのコンパクトカー「パッソ」、トヨタの北米向けピックアップトラック「タンドラ」の走りを体感できるという。

まずは、スーパーカーの「LFA」からスタート。筆者は「LFA」に乗った経験は無いが、アクセルを踏んだ瞬間から車室内全体を野太いエキゾーストノートが包む。あぁ、これが「LFA」なんだということはなんとなく分かった。短い試乗体験で乗り味の感覚までは感じ取れなかったが、明らかに特別な存在であることは体感できた。

続いて、「パッソ」。エンジニア氏が端末を操作してモードを変えると、一瞬で大人しいクルマに様変わり。3気筒エンジンの「パッソ」をシミュレーションしている割には、加速が良いのが気にはなったが、「パッソ」と言われれば「パッソ」かもしれない。そして最後は「タンドラ」。これまた乗ったことは無いのだが、ブルンという振動とともに発進する様は、縦置きエンジンを搭載するフレーム車の動きが見事に再現されていた。

試乗後にエンジニア氏に質問したところ、データさえあればどんなクルマも再現が可能という。昔乗っていたクルマあのクルマ、憧れの1台はもちろん、トヨタやレクサスではない他社のクルマでさえ、乗り味やエンジン音を再現できるトヨタのバッテリーEVの可能性を体感できた。

しかし、気になったのはその完成度の高さ。完成度の高さが気になるというのも変な話だが、今すぐ市場に出してもおかしくない精度と質感を持っていた。トヨタは次世代バッテリーEVを2026年から市場投入していくとアナウンスしているが、それを待てないほどの感動だった。「Arene(アリーン) OS」を中心としたクルマの知能化は、まさにブレークスルーと言えるだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

FIA、F1ラスベガスGPを前にプランクの摩耗を防ぐルールの抜け穴を技術指令で塞ぐ。一部チームに影響か
FIA、F1ラスベガスGPを前にプランクの摩耗を防ぐルールの抜け穴を技術指令で塞ぐ。一部チームに影響か
motorsport.com 日本版
ラッセルはFP1でのルーキー起用増加を歓迎も、マシン損傷があった場合の修復費用はコスト制限から外すべきだと提案
ラッセルはFP1でのルーキー起用増加を歓迎も、マシン損傷があった場合の修復費用はコスト制限から外すべきだと提案
AUTOSPORT web
マツダ新型「CX-5」まもなく登場!? 独自「ハイブリッド」&ダイナミックデザイン採用か? デビュー7年目の大進化予想CGがスゴイ
マツダ新型「CX-5」まもなく登場!? 独自「ハイブリッド」&ダイナミックデザイン採用か? デビュー7年目の大進化予想CGがスゴイ
くるまのニュース
来季のレース情報も盛りだくさん! 世界最大のモーターサイクルショーEICMAレポート レーシングライダー大久保光の海外生活
来季のレース情報も盛りだくさん! 世界最大のモーターサイクルショーEICMAレポート レーシングライダー大久保光の海外生活
バイクのニュース
ロゴを刷新した新生ジャガー、デザインビジョンコンセプト発表へ…12月2日
ロゴを刷新した新生ジャガー、デザインビジョンコンセプト発表へ…12月2日
レスポンス
【遂に価格決定】フォルクスワーゲン新型ティグアン 3世代目は7年ぶりのモデルチェンジ
【遂に価格決定】フォルクスワーゲン新型ティグアン 3世代目は7年ぶりのモデルチェンジ
AUTOCAR JAPAN
もうこんな[クルマ]作れないかも?? 買うなら今よ初代[コペン]!!
もうこんな[クルマ]作れないかも?? 買うなら今よ初代[コペン]!!
ベストカーWeb
レクサス「UX300h」に特別仕様車/「LBX」にエントリーグレードを設定! 511万円と420万円からというお値段以上の中身を紹介します
レクサス「UX300h」に特別仕様車/「LBX」にエントリーグレードを設定! 511万円と420万円からというお値段以上の中身を紹介します
Auto Messe Web
はみ出した看板! 酔って道路に座り込み! ヘタしたら打ち水も! そこかしこで見かける道路交通法違反
はみ出した看板! 酔って道路に座り込み! ヘタしたら打ち水も! そこかしこで見かける道路交通法違反
WEB CARTOP
欧州フォード、2027年末までにさらに4000人削減 EV工場も生産調整
欧州フォード、2027年末までにさらに4000人削減 EV工場も生産調整
日刊自動車新聞
【ヨーロッパ以外で初】本日から開催! アルピーヌA110RGTが「フォーラムエイト・ラリージャパン2024」参戦
【ヨーロッパ以外で初】本日から開催! アルピーヌA110RGTが「フォーラムエイト・ラリージャパン2024」参戦
AUTOCAR JAPAN
今年は飛びませんように……ラスベガスGP、マンホール/水道管の蓋を舗装&補強。昨年とばっちりのサインツも「安全が何よりの願い」
今年は飛びませんように……ラスベガスGP、マンホール/水道管の蓋を舗装&補強。昨年とばっちりのサインツも「安全が何よりの願い」
motorsport.com 日本版
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
EV好調のシトロエン『C3』新型、欧州カーオブザイヤー2025最終選考に
レスポンス
ルノー新型「5 Eテック」は約450万円から 英国仕様が発表、春に納車開始へ レトロな最新EV
ルノー新型「5 Eテック」は約450万円から 英国仕様が発表、春に納車開始へ レトロな最新EV
AUTOCAR JAPAN
レクサス新型「“和製”スーパーカー」に反響多数! V8×超美麗ボディに「いつ登場する!?」「憧れる」の声も! 噂の「LF“R”!?」に期待高まる
レクサス新型「“和製”スーパーカー」に反響多数! V8×超美麗ボディに「いつ登場する!?」「憧れる」の声も! 噂の「LF“R”!?」に期待高まる
くるまのニュース
通学向けに特化した専用設計 ヤマハ新型「PAS ULU」登場 バイクメーカーならではの設計が
通学向けに特化した専用設計 ヤマハ新型「PAS ULU」登場 バイクメーカーならではの設計が
バイクのニュース
いまさら聞けない「水素自動車」って何? メリット/デメリット、課題とは 普及は実現可能か
いまさら聞けない「水素自動車」って何? メリット/デメリット、課題とは 普及は実現可能か
AUTOCAR JAPAN
10年の休眠を経てシングルナンバーで路上復帰! 激レアいすゞ「ベレットGT」のファストバックに34年…2年がかりでリフレッシュ!!
10年の休眠を経てシングルナンバーで路上復帰! 激レアいすゞ「ベレットGT」のファストバックに34年…2年がかりでリフレッシュ!!
Auto Messe Web

みんなのコメント

34件
  • 志村けんのアイーーン
  • 日本がOSで成功するはずがないことは歴史が証明してる
    どうせスーパーチャージャー規格もOSもテスラに負けるんだよ
    残念だけど
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村