そのスペックが車好きの注目を集めているトヨタのスポーツモデル「GRヤリス」。GRヤリスのような本格的なスポーツカーに興味を抱く方は、あまり燃費にはこだわりがないかもしれません。しかしガソリン代が高騰している昨今、維持費の目安をつけておくためにも車選びの際には燃費性能を確認しておくことをおすすめします。
ここでは、GRヤリスの燃費性能について詳しくご紹介します。
「トヨタGRヤリス」 いやはや、すごいクルマが出てきたものだ(岡崎五朗レポート)
【この記事のポイント】
GRヤリスのWLTCモードカタログ燃費・実燃費はこちら
エンジン 駆動方式 トランスミッション カタログ燃費(km/L) 実燃費 (km/L)
1.5L 2WD CVT 18.2 14.5
1.6L 4WD 6MT 13.6 11.2
カタログ燃費と実燃費の差は1.5L車が大きい
1.5L車はライバル車のスズキ「スイフトスポーツ」より低燃費を実現している
GRヤリスの燃費性能の特徴
GRヤリスは「WRCで勝てるクルマ」であることを軸に開発された本格的なスポーツモデルで、一般的な乗用モデルの足回りなどに手を加えてスポーツモデルとしたわけではなく、「モータースポーツ車両を市販化する」という逆転の発想から誕生しました。
そのためトヨタの人気コンパクトカー「ヤリス」のモデル名を有してはいますが、GRヤリスはヤリスとは異なるスポーツ4WDプラットフォームを採用、またパワーユニットも異なるものを採用しています。兄弟車というよりも別モデルといった表現のほうがしっくりとくるかもしれません。
なお、ヤリスは世界トップレベル(2022年7月、トヨタ調べ)の低燃費が自慢のモデルですが、GRヤリスは走行性能を極めたモデルのため、燃費性能は大きく異なります。
GRヤリスのカタログ燃費
GRヤリスは、最高出力120ps、最大トルク145Nmを発揮する1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジンと、新開発の最高出力272ps、最大トルク370Nmを発揮する1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジンを採用しています。
GRヤリスのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。1.5Lエンジンを搭載する 「RS」「RS“Light Package”」は、スポーツカーとしてはかなりの低燃費といえます。
グレード 駆動方式 トランスミッション カタログ燃費(km/L)
RS 2WD CVT 18.2
RS“Light Package” 2WD CVT 18.2
RC 4WD 6MT 13.6
RC“Light Package” 4WD 6MT 13.6
RZ 4WD 6MT 13.6
RZ“High performance” 4WD 6MT 13.6
GRヤリスの実燃費
GRヤリスに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、GRヤリスの実燃費(2022年9月19日時点)は以下のとおりです。
グレード 駆動方式 トランスミッション 実燃費(km/L)
RS/
RS“Light Package” 2WD CVT 14.5
RC/
RC“Light Package”/
RZ/
RZ“High performance” 4WD 6MT 11.2
実燃費は走行環境や荷物の重さなどに影響されるため、カタログ燃費よりもある態度は悪化するのが一般的です。GRヤリスでも差が見られますが、4WD車よりも2WD車のほうがカタログ燃費と実燃費の差は大きい傾向があることがうかがえます。
GRヤリスとライバル車のカタログ燃費を比較
国産モデルには、GRヤリスの明確なライバルは存在しない状況です。価格帯やスペックは異なりますが、比較対象となりうるのはコンパクトホットハッチといえるスズキ「スイフトスポーツ」程度でしょう。
ここでは、GRヤリスとスイフトスポーツのカタログ燃費を比較してみます。
スズキ「スイフトスポーツ」
出典:スズキ「スイフトスポーツ」外観
スズキ「スイフトスポーツ」はボディの徹底した軽量・高剛性化によって970kg(AT車は990kg)という車両重量を達成。最高出力140ps、最大トルク230Nmを発揮する1.4L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、スポーティーな走りとベースモデルである「スイフト」譲りの使い勝手の良さを両立させたモデルです。
スイフトスポーツのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
駆動方式 カタログ燃費(km/L)
6MT 2WD 17.6
6AT 2WD 16.6
GRヤリスとスイフトスポーツのカタログ燃費を比較すると、GRヤリスの1.5L車はスイフトスポーツより低燃費を実現していますが、新開発のハイパワーエンジンを搭載する1.6L車は燃費の数値だけで比較するとスイフトスポーツに後れを取っています。
GRヤリスの走行性能
出典:トヨタ「GRヤリス」ギャラリー
GRヤリスはゼロベースから鍛え上げ、バランスのとれた高剛性のボディ、サスペンションジオメトリの最適化、新開発の多板クラッチによる前後駆動力可変システムを採用したスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」の組み合わせにより、高次元の動的性能を追求しています。
モータージャーナリスト・岡崎五朗さんの試乗記でGRヤリスの走行性能を詳しくチェック!
GRヤリスはパワートレインによって走行性能や燃費が大きく異なる
GRヤリスはシビアに走行性能を突き詰めたスポーツカーですが、扱いやすい1.5Lエンジンの2WD車は18.2km/Lという低燃費を実現しています。また、グレードによって搭載するパワートレインが異なり走行性能、燃費が大きく異なるため、よく確認して選ぶことをおすすめします。
よくある質問
Q1:GRヤリスのカタログ燃費はどのくらい?
A:GRヤリスでは、1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジンと、新開発の1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジンを採用しています。WLTCモードカタログ燃費は、1.5Lエンジン搭載モデルが18.2km/L、1.6Lエンジン搭載モデルが13.6km/Lです。
Q2:GRヤリスの実燃燃費は?
A:GRヤリスの実燃費は、1.5Lエンジン搭載モデルが14.5km/L、1.6Lエンジン搭載モデルが11.2km/Lです。実燃費は気温や走行環境によって変わるため一定の環境下で計測されているカタログ燃費よりも悪化するのが一般的ですが、1.5Lエンジン搭載モデルは若干差が大きい傾向があるといえるでしょう。
Q3:GRヤリスの走行性能は?
A:GRヤリスは専用に鍛え上げた高剛性のボディ、サスペンションジオメトリの最適化、新開発の多板クラッチによる前後駆動力可変システムを採用したスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」の組み合わせなどにより、高いレベルで動的性能を追求しています。
※この記事は2022年9月時点の情報で制作しています
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