現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 21世紀の到来とともに誕生した「ムルシエラゴ」(2001-2004)【ランボルギーニ ヒストリー】

ここから本文です

21世紀の到来とともに誕生した「ムルシエラゴ」(2001-2004)【ランボルギーニ ヒストリー】

掲載 更新 2
21世紀の到来とともに誕生した「ムルシエラゴ」(2001-2004)【ランボルギーニ ヒストリー】

Lamborghini Murcielago

ランボルギーニ ムルシエラゴ

V10を搭載した新世代スモール・ランボ「ガヤルド」前編(2003-2007)【ランボルギーニ ヒストリー】

伝統と革新を併せ持つ21世紀版V12ミッドシップ

1990年から2001年まで生産が続けられたディアブロ。その後継車となったのが、2001年のフランクフルト・ショーで正式に発表されたムルシエラゴだ。ムルシエラゴとはイタリア語で蝙蝠(コウモリ)を意味する言葉だが、同時にそれはスペインの闘牛史に残る、勇気と精神力をもった史上最強の闘牛の名でもあった。

ムルシエラゴが、すでにランボルギーニによって進められていた、カントやアコスタといったデザイン・プロトタイプをもとにした次世代モデルのプランをキャンセルし、親会社であるアウディの主導で改めて開発されたモデルであることは、ディアブロの項でも触れたとおり。その事実が最も直接的に表れているのは、やはりエクステリア・デザインだろう。

後にランボルギーニへと移籍し、ランボルギーニ・チェントロスティーレ(デザインセンター)のチーフに抜擢される、ルーク・ドンカーヴォルケによって生み出されたボディは、最新世代のスーパースポーツに必要不可欠なエアロダイナミクスを実現すると同時に、ランボルギーニの伝統的なモチーフを効果的に採り込んだ、現代的で魅力的なものに仕上がった。かつてのカウンタックを連想させるリヤセクションのフィニッシュや、ディアブロの面影を残すダイナミックなシルエット、リヤピラーにはバリアブル・エアフロー・クーリング・システムと呼ばれる可変エアインテークが採用されており、これもまたオープン時にはカウンタックを彷彿させる。リヤウイングは速度可変式となり、220km/h以上の速度域では最大値の70度までライズアップする仕組みになっている。

カーボン製のハニカム材を使用して強化されたシャシー

このボディがマウントされる基本構造体は、これも鋼管スペースフレームとディアブロ時代から変わらないが、走行中の応力を負担するためにカーボンファイバー製のハニカム材が補助構造材として使用されるほか、フロアパネルもカーボンファイバー製に。前後のサスペンションはダブルウイッシュボーン形式で、ダンパーには電子制御の減衰力可変機構が備わる。これはオートマチックモードのほかに、マニュアルオペレーションもキャビンのスイッチにより操作することも可能だ。ブレーキを含めたシャシー一式は、まさに万全の備えといった印象。タイヤはピレリ製のPゼロ・ロッソが唯一の純正装着タイヤで、フロントは245/35ZR18、リヤが335/30ZR18というサイズ設定となっている。

580psを発揮する自然吸気仕様のV12エンジン

一気に現代的な雰囲気となったキャビンは、とてもラグジュアリーな空間だ。ワイドなセンタートンネルがキャビンを明確に二分しているのは、このムルシエラゴもカウンタックから継承する、独特なパワーユニットの搭載方法を採用しているからだ。

ミッドに搭載されるエンジンは、ディアブロの最終型、6.0のそれからさらにストロークアップすることで6192ccの排気量を得たV型12気筒DOHC48バルブ。吸気システムが前後2系統に分割されたことやバリアブル・ジオメトリー・インテーク・システムを新採用したこと、そして潤滑方式がドライサンプに改められたことなどで、より高性能なエンジンへと進化を果たしている。

2003年にはセミATを追加。そして2004年にはロードスターも

最高出力で580psを発揮するこのエンジンに組み合わされるトランスミッションは、ついに6速化されたものの、当初はMTのみの設定。ランボルギーニが「eギヤ」と呼ぶセミATの追加は2003年まで待たなければならないが、このeギヤ仕様はムルシエラゴのセールスに、さらに大きな加速度を生み出した。ちなみにeギヤは10気筒モデルのガヤルドが先行して採用したメカニズム。オートマチックモードをもつガヤルドに対して、ムルシエラゴのeギヤには同モードが存在しない。また駆動方式は4WDのみとなる。2004年のジュネーブ・ショーでは、オープン仕様の「ロードスター」もラインナップに加わった。

【SPECIFICATIONS】

ランボルギーニ ムルシエラゴ

発表:2001年

エンジン:60度V型12気筒DOHC(4バルブ)

総排気量:6192cc

圧縮比:10.7

最高出力:426kW(580ps)/7500rpm

トランスミッション:6速MT(6速セミAT)

駆動方式:AWD

車両重量:1650kg

最高速度:330km/h

ランボルギーニ ムルシエラゴ ロードスター

発表:2004年

エンジン:60度V型12気筒DOHC(4バルブ)

総排気量:6192cc

圧縮比:10.7

最高出力:426kW(580ps)/7500rpm

トランスミッション:6速MT(6速セミAT)

駆動方式:AWD

車両重量:1650kg

最高速度:320km/h

解説/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

こんな記事も読まれています

眩しすぎだぜどうにかしろ! 夜間の点灯は[ハイビーム]が基本ってマジか! ロービームだと捕まるってほんと?
眩しすぎだぜどうにかしろ! 夜間の点灯は[ハイビーム]が基本ってマジか! ロービームだと捕まるってほんと?
ベストカーWeb
カリフォルニア「最初の街」かつ「最後の街」のニードルスは、警官のノリの軽さも西海岸スタイルでした【ルート66旅_51】
カリフォルニア「最初の街」かつ「最後の街」のニードルスは、警官のノリの軽さも西海岸スタイルでした【ルート66旅_51】
Auto Messe Web
ポルシェが両クラスで最速。ロッテラー組6号車、初日に続きFP3でもトップタイム/WECスパ
ポルシェが両クラスで最速。ロッテラー組6号車、初日に続きFP3でもトップタイム/WECスパ
AUTOSPORT web
最後尾から大逆転! キャシディが今季2勝目をマーク|フォーミュラE第9戦ベルリンE-Prix
最後尾から大逆転! キャシディが今季2勝目をマーク|フォーミュラE第9戦ベルリンE-Prix
motorsport.com 日本版
期待どおり!「熟成」ワゴン 新型フォルクスワーゲン・パサートへ試乗 巨大モニターは必要?
期待どおり!「熟成」ワゴン 新型フォルクスワーゲン・パサートへ試乗 巨大モニターは必要?
AUTOCAR JAPAN
マルティン、完璧ポール・トゥ・ウィンでスプリント3勝目! 驚異11ポジションアップでマルケス2位|MotoGPフランスGP
マルティン、完璧ポール・トゥ・ウィンでスプリント3勝目! 驚異11ポジションアップでマルケス2位|MotoGPフランスGP
motorsport.com 日本版
キック・ザウバー離脱の可能性高まるボッタスに、ウイリアムズとハースが関心
キック・ザウバー離脱の可能性高まるボッタスに、ウイリアムズとハースが関心
AUTOSPORT web
トヨタ新型「ハリアー」!? めちゃ”精悍デザイン”で超カッコよく!? ワイド&ローな大胆予想したCG「2025 VENZA」に反響も
トヨタ新型「ハリアー」!? めちゃ”精悍デザイン”で超カッコよく!? ワイド&ローな大胆予想したCG「2025 VENZA」に反響も
くるまのニュース
国産旧車からBMW「1シリーズ」に乗り換え…5ドア2シーターで「憧れていたシルキー6で最速のE87を目指したいです」
国産旧車からBMW「1シリーズ」に乗り換え…5ドア2シーターで「憧れていたシルキー6で最速のE87を目指したいです」
Auto Messe Web
5月18・19日にFIMトライアル世界選手権がモビリティリゾートもてぎで開幕。Enjoy Hondaなどイベントも盛りだくさん
5月18・19日にFIMトライアル世界選手権がモビリティリゾートもてぎで開幕。Enjoy Hondaなどイベントも盛りだくさん
AUTOSPORT web
【オンライン150台限定発売】 アウディA1スポーツバック・アーバン・シック・エディション
【オンライン150台限定発売】 アウディA1スポーツバック・アーバン・シック・エディション
AUTOCAR JAPAN
Moto2フランス予選|アロン・カネットがポールポジション獲得。小椋は不完全燃焼17番手
Moto2フランス予選|アロン・カネットがポールポジション獲得。小椋は不完全燃焼17番手
motorsport.com 日本版
トーヨータイヤが小型EVトラック専用スタッドレスタイヤ『NANOENERGY M951 EV』を発表
トーヨータイヤが小型EVトラック専用スタッドレスタイヤ『NANOENERGY M951 EV』を発表
レスポンス
出力大幅アップ! ブリッツから『ジムニー』MT用・専用ECU付きボルトオンターボシステムが登場
出力大幅アップ! ブリッツから『ジムニー』MT用・専用ECU付きボルトオンターボシステムが登場
レスポンス
鉄仮面な“BMWグリル”付き「バイク」実車公開! 美しすぎるシルバーボディがたまらない! MOTOR FORCEの「R100/7」とは
鉄仮面な“BMWグリル”付き「バイク」実車公開! 美しすぎるシルバーボディがたまらない! MOTOR FORCEの「R100/7」とは
くるまのニュース
【スタッフ通信】プレミアムSUV 2台でGO!!
【スタッフ通信】プレミアムSUV 2台でGO!!
Auto Prove
いま大型トラックは小径タイヤが人気! どんどん大径化する乗用車とは真逆のトレンドなワケ?
いま大型トラックは小径タイヤが人気! どんどん大径化する乗用車とは真逆のトレンドなワケ?
WEB CARTOP
グーマガ 今週のダイジェスト【5/4~5/10】GW中のスクープ、見逃してませんか?
グーマガ 今週のダイジェスト【5/4~5/10】GW中のスクープ、見逃してませんか?
グーネット

みんなのコメント

2件
  • 昨年、仕事でムルシエラゴのフロントガラスの交換の見積りをした

    120万円です。
    ひゃくにじゅーまんえん!ですよ!
    フロントガラス交換で軽自動車買えます
    まぁそれくらいしても不思議じゃないが
    普通の金銭感覚では乗ってられないと思った
  • 憧れのクルマのひとつ。
    カウンタックよりメンテ知識なくても乗れ、ディアブロよりも安全に走れる。
    かつMTで上に開くドアを持つ。
    何度か本気で買おうとしたのも良い思い出。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2250.04150.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2769.03800.0万円

中古車を検索
ディアブロの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2250.04150.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2769.03800.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村