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【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#24 クルマってこんなにハゲるのか!

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【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#24 クルマってこんなにハゲるのか!

エンジンフードの塗装がハゲて来た!

大貴族号(筆者の所有する先代マセラティ・クアトロポルテ)は、エンジンフードの塗装がハゲて来た。具体的には、表面のクリア塗装が一部剥離しつつある。一番陽が当たる部分が真っ先に劣化した、と推測される。

【画像】衝撃のハゲと、大貴族号こと筆者の所有する先代マセラティ・クアトロポルテ! 全91枚

ハゲたのはエンジンフードなので、一枚まるごと塗り直すのは比較的容易だ。しかし、塗装の劣化はエンジンフードだけではないだろう。いずれ他の部分もハゲてくるはず。そうなったら、全塗装するしかない。

車両本体200万円(+納車前整備代80万円くらい)のクルマを全塗装するのは、投資としては極めて分が悪い。超不人気モデルにつき、下取りに出してもほとんどゼロ円らしい。部品取り車両としてなら、多少値が付くかもしれないが、それでも10万円くらいだろうか? 今度タコちゃん(マイクロ・デポ代表岡本和久氏)に聞いてみよう。

最大で10万円の価値しかない(推定です)クルマを、100万円くらいかけて全塗装するのは、経済行為としては『カネをドブに捨てるようなもの』である。大金持ちならそれもいいが、私は大金持ちじゃない。そもそも大金持ちは、200万円の激安中古マセラティを買ったりしない。

パールホワイトは無敵だ!

どうすべきか?

幸いにもボディカラーはパールホワイトだ。ハゲは目立たない。目立たないどころが、目を凝らさないと発見できない。他の部分がハゲてきても、同じようなものだろう。これが濃色なら、数メートル先から判別できるかもしれないが、パールホワイトは無敵だ。ハゲに関しては。

このまま放置しようか?

私はピカピカの新車を買ったんじゃない。ロマンを求めてステキなポンコツを買ったのだ。ステキなポンコツのクリア塗装が一部ハゲていて何が悪い。むしろ歓迎だ。そこらじゅうハゲだらけでもいいくらいだ!

でも、カーマニアとして、どこかに罪悪感が残る。

そんなある日、私は近所を散歩していた。そして通ったことのない路地に足を踏み入れた。

月極駐車場に、紺の高級セダンが止まっていた。ふと見ると、表面のクリア塗装がハゲている。

「(おっ、ハゲじゃん)」

私は強いシンパシーを感じて接近した。どうやらベントレーらしい。

「ひいいっ!」

近くに寄って悲鳴が出た。凄まじくハゲていたのだ。いやもう凄いなんてもんじゃない。これまで目撃したクルマの中で、最大のハゲかもしれない。

クルマってこんなにハゲるのかぁ。しかもベントレー・アルナージが!

ハゲているのは表面のクリア塗装だけっぽいが、その下の本塗装も完全に色褪せている。クリアがハゲると、いずれはこうなるのである。

放っておくなんて俺にはできない!

はぁ~……。

アルナージは、1998年から2004年まで生産された。当該車両は恐らく初期型と思われるので、車齢は27年くらいだろうか。ベントレーって、屋外に駐車しておくと、27年でこうなる(こともある)んだなぁ。

ここまでハゲてるってことは、ハゲ始めたのはかなり前だろう。ひょっとして10年くらい前かもしれない。つまり、17歳でハゲ始めて、10年後にこうなった、のかもしれない。

ガーン。

18歳でハゲ始めた大貴族号は、ボディカラーがパールホワイトゆえに、10年後、ここまで悲惨な見た目にはならないだろう。しかし、放置すれば、表面は同じようなことになるかもしれない。そんな残酷な事実を突きつけられた。

こんな未来がわかっていて、放っておくなんて俺にはできない!

直そう!

いえ、全塗装じゃないです。エンジンフードだけです。根本的解決にはなりませんし、いつかは別の部分がハゲるでしょう。でも、最初のハゲをこのまま放置するのは、購入早々、クルマを捨てたも同然な気がする。病気にかかったペットを、「どうせ亡くなってしまうから」と、獣医さんに連れて行かないようなものかもしれない。

それはカーマニアとして耐えられない! とりあえず直さないと! ほかの部分がハゲてきたら、それはその時考えよう。うお~ん。

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は12月19日金曜日公開予定)

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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