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フェラーリ サーキット走行限定の実験車輌「FXX-K Evo」を発表

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フェラーリ サーキット走行限定の実験車輌「FXX-K Evo」を発表

フェラーリは2017年10月29日、ムジェロサーキットで開催されたフィナーリ・モンディアーリにおいて、サーキット走行限定の実験車輌 XXシリーズの最新モデルとなる「FXX-K Evo」をワールドプレミアした。

フェラーリは2005年から、XXプログラムと呼ばれる次世代プロダクションモデルの研究・開発プログラムを行なっている。これはレース由来の最先端テクノロジーを投入した、サーキット専用の実験車輌を製作し、ごく限られたスーパーカー・エンスージアストに販売。その走行データを回収し、次の世代の市販モデル開発に役立てようというものだ。

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このプログラムのために用意された車輌は、第1世代がエンツォフェラーリをベースに作られたFXXと、その発展型のFXX-Evo。そして2010年には第2世代として、599GTBフィオラノをベースとした599XXと、同じく発展型の599-Evoが作られ、2014年にはラ フェラーリをベースとした第3世代のFXX-Kが登場している。今回のFXX-K Evoは、FXX-Kの発展型という位置付けだ。

FXX-K Evoのパワーユニットは、ラ フェラーリに搭載される6,262cc V型12気筒を基本とはしているものの、エンジン自体を860PSまでパワーアップしているのに加えて、140kWの電気モーターを組み合わせたHY-KERSシステムを採用。システム総合最高出力はじつに1,050PSを発生する。ただしこれはFXX-Kと同一のスペックだ。

今回の改良の目玉は、ボディの空力特性向上にあるといっていい。1年にわたる綿密なCFD(流体解析)シミュレーションと、ウィンドトンネル実験を重ねた結果、FXX-K Evoのエアロダイナミクス性能は、GT3およびGTEレース車輌に極めて近いダウンフォース値を獲得している。

ダウンフォース係数は、従来比で23%向上した。これは、ベースとなるロードゴーイングカー比では75%増に匹敵する値で、速度200Km/hで発生するダウンフォースは640kg。最高速度域では830kgを超えるまでに至っている。

FXX-K Evoのダウンフォースレベルを引き上げたのは、リアに装備したツインプロファイル(2枚翼)の固定ウイングだ。この新デバイスは、アクティブ・リアスポイラーとシームレスに効果を発揮するよう開発されていて、モバイル・スポイラーの制御ユニットとその可動範囲を緻密に解析・設定することで、ダウンフォースとドラッグの最適化が図られている。

ツインプロファイル・リアウイングは、ボディ両端のサイドフィンとセンターフィンで支持されている。センターフィンは、ヨー角が小さい時のスタビリティを確保するバーチカルフィンとして機能するが、その他にも3枚のデルタ・ボーテックスジェネレーターのステーとしても役立っている。

ボーテックスジェネレーターは、ラジエターからボンネットに抜ける排熱気流よって発生する乱流を整え、ウイングへ理想的な気流を流す役割を担っているが、同時にここでダウンウォッシュ(吹き降ろし)を生成。ツインプロファイル・ウイングで発生するダウンフォース量を増加させている。このようなリアのシステム・デバイスによって、ダウンフォース量は10% 増加している。

リアバンパーのデザインも、新しい気流構造に合わせて改良された。リア・ホイールアーチ後方のバイパス・エアベントは拡大され、ホイールからの後流を確実に引き抜くことで、このエリアの乱流を効果的に処理。これにより、リアディフューザーへの気流を保護し、ロスを削減することで5%のダウンフォース増を達成した。

リア・ダウンフォースの大幅な増加に合わせて、フロントエリアもバンパーおよびアンダーボディのデザインを再構築し、車輌全体のダウンフォースを最適化。フロントバンパー周りの処理などを加えて、フロントのダウンフォースをFXX-K比で10%増大させている。

アンダートレーにもボーテックスジェネレーターを装備することで、グランドエフェクトも強化。またサスペンションも、新しいエアロダイナミクス効率に合わせてセッティングが変更されている。

5,000kmに及ぶ開発テスト、そして15,000kmの信頼性テストを経て、FXX-K Evoは2018/2019シーズンのXXプログラムでの主力となり、3月から10月までの間に、サーキット走行が9回予定されている。さらにXX車輌は、毎年レースシーズン終了後に開催されるフェラーリの伝統となったイベントであり、今回のワールドプレミアの場にもなった、フィナーリ・モンディアーリにも参加する予定となっている。

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