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【試乗】レクサスLS500、LS500hがマイナーチェンジ。洗練度を増した内外装に高度な先進技術を満載

掲載 更新 12
【試乗】レクサスLS500、LS500hがマイナーチェンジ。洗練度を増した内外装に高度な先進技術を満載

2020年11月19日にマイナーチェンジとなったレクサスのフラッグシップセダンであるLS。現行型は2017年に発表された5代目で、上質な走りはすでに定評がある。その上、今回どのような改良が施されたのか、その概要を解説するとともに、LS500h FスポーツおよびLS500 バージョン Lの試乗記をお届けする。

機能性を追求するとともに、スタイリングもより伸びやかに
マイナーチェンジされたレクサスLSだが、まず、ここまでの経緯を振り返ろう。初代レクサスLSは1989年に北米マーケットに投入しされレクサスブランドの礎となったクルマだ。ほぼ同時に国内では「トヨタ セルシオ」と命名されて発売、人気車種となっている。

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その後、3代目までレクサスLSは国内ではセルシオを名乗ったが、2006年に発表された4代目から日本でもレクサスLSとなり、現行型は2017年に発表された。米国発売の初代レクサスLSから数えて5代目となる。

エクステリアはバンパー形状と新意匠のヘッドランプが特徴
今回試乗したのは「LS500h Fスポーツ」と「LS500 バージョン L」だが、まずLSの全体的な改良点を説明していこう。エクステリアの主な変更点だが、フロントバンパーの一部が意匠変更された。バンパーコーナー部に縦基調のキャラクターラインを配し、オーバーハングが短く見えるようにしてスタイルのバランスを整えている。フロントバンパー下端のメッキモールもサイドまで回り込ませ、より伸びやかさを増したことでその効果も一層高まっている。

ヘッドランプも新意匠となった。小型3眼ランプユニットとL字を際立たせたクリアランスランプの下に、ブレードスキャンAHS(アダプティブ ハイビーム システム]を搭載。厚みのあるヘッドランプ形状としたでより存在感を増した面構えとなっている。

リアコンビネーションランプ内のメッキモールもピアノブラックに変更された。ヘッドランプとの調和を図るために厚みを感じるランプ形状としたのも特徴だ。レクサスのアイデンティティであるスピンドルグリルのメッシュカラーはダークメタリックとし、従来との差別化を図っている。

今回は試乗できなかったが、新外板色として銀影(ぎんえい)ラスターを追加した。これはハイライトの美しい輝きと奥行きをもつ遺影を特徴とするシルバーで、長年開発に力を注いできたボディカラーとなっている。また、ソニックイリジウムも新色として追加されている。

インテリアは、オーカー、ヘーゼルの内装色が新規設定された。オーナメントを新規設定し上質感を上げるとともに、シートヒーターとステアリングヒーターの操作画面を表示させるスイッチをセンターコンソールに追加して、操作性、機能性を上げた。

走行性能の部分では乗り心地向上と静粛性向上に力が入れられている。減衰力可変ダンパー(AVS=アダプティブ バリアブル サスペンションシステム)を採用しているが、今回は油圧制御用ソレノイドのオイル流量制御バルブの流路を拡大した。これによりさらに減衰力の可変幅を増大し、条件を選ばず操舵応答性と安定性の向上を図った。さらにランフラットタイヤの縦バネ剛性、スタビライザーバーのバネ定数の低減、シート縫い位置変更や新開発の低反発ウレタンパッド、バネ下質量の約3.5kg軽量化などで上質な乗り心地を追求している。

内部に圧倒的なパフォーマンスを秘めながらもジェントルに乗るのがふさわしい
パワーユニットにも手が加えられている。LS500系に搭載される3.5LのV6ツインターボエンジンは、電動駆動方式で過給圧を制御するウエストゲートバルブの開度を緻密に制御。アクセル操作に対して発生するエンジントルクを高め、加速レスポンスを向上させた。また、シフトスケジュールを変更し、ギア段を維持したまま加速できる領域を広げることで、シフトダウン頻度を低減している。

加えて燃焼室形状の最適化により、燃焼効率を高めることで出力、燃費性能、静粛性を向上。さらにコンロッド形状の最適化やクランクシャフトのクランクピン径を拡大することで軽量化と、剛性向上によっても静粛性を向上している。可変バルブタイミング機構(VVT)は油圧制御化し、軽量化を図るとともに、オイルコントールバルブの油路を短縮することで応答性の向上を図った。

方やハイブリッドエンジンを搭載したLS500hにパワーユニットに変更点はないものの、駐車場での高度運転支援技術システムである「アドバンスパーク」が標準装備されている。ドライバー監視のもと、カメラと超音波センサーを融合し、全周囲を監視することで、適切に認知、判断、操作を支援。ハンドル操作、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジの全操作を車両が支援するとともに、俯瞰映像に車両周辺の死角や目標駐車位置などを常に表示し、安全、安心でスムーズな駐車を実現している。

まず試乗したのはLS500h Fスポーツだ。これはマットブラックのスピンドルグリルおよび専用サブラジエターグリルを採用したバージョン。とくにサブラジエターグリルのガーニッシュをサイドまで回り込ませることで、ワイドなスタンスを強調している。足元は20インチホイールなどのアイテムでスポーティさを増している。

20インチホイールを履くとなると乗り心地の向上を掲げたLSの改良の中では不利とも思えるが、それでもバネ下重量を3.5kg軽量カしたことや新AVSの採用の効果もあり、ゴツゴツ感をまったく感じさせないしなやかな乗り心地を実現している。短時間の試乗だったために本質的な走りの良さまでは感じることができなかったが、高速でのクルージングでは静粛性の高さも合わせて、快適な移動空間となるはずだ。

続いて試乗したのがLS500 バージョンLだ。こちらは3.5LのV6ツインターボを搭載と聞くと、どうしても過激な速さを期待してしまうが、今回短時間の試乗での一般走行領域はあくまでもジェントルなフィーリング。乗っていてエンジンの主要パーツを軽量化、高剛性化してまで静粛性の高さを狙ったという意図がはっきりと伝わってくる。もちろんその気になりさえすれば鋭く回転を上げる。ステアリングに伝わるしっとりとしたフィーリングとともに、高性能を内に秘めながらも、あくまでもジェントルに走るのがふさわしいクルマといえるだろう。(文:Motor Magazine編集部 飯嶋洋治/写真:井上雅行)

レクサスLS500h Fスポーツ(2WD)主要諸元
●全長×全幅×全高=5235×1900×1450mm
●ホイールベース=3125mm
●車両重量=2260kg
●エンジン= V6DOHC
●総排気量=3456cc
●最高出力=220ps/6600rpm
●最大トルク=356Nm/5100rpm
●モーター=交流同期電動機
●モーター最高出力=132kW
●モーター最大トルク=300Nm
●駆動方式=FR
●トランスミッション=電気式無断変速機
●車両価格(税込)=1351万円

レクサスLS500 バージョンL(2WD)主要諸元
●全長×全幅×全高=5235×1900×1450mm
●ホイールベース=3125mm
●車両重量=2210kg
●エンジン= V6DOHCツインターボ
●総排気量=3444cc
●最高出力=422ps/6000rpm
●最大トルク=600Nm/1500-4800rpm
●駆動方式=FR
●トランスミッション=10速AT
●車両価格(税込)=1345万円

[ アルバム : レクサスLS はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

12件
  • 良くも悪くも、もはや大定番ですね。
    安心感と安定感はダントツだし、エクステリアもスタイリッシュさとコンサバの匙加減が絶妙。

    クラウン・セダンが現行限り、センチュリーには世間の風当たり強しとなると、レクサスLSには今後とも益々頑張ってもらうしかない。
    FRのフルサイズセダン、気づいたらトヨタ以外の国産メーカーからはエントリーゼロですからね。。
  • LSはフルサイズセダンなのだから堂々としたセダンでいい。
    クーペルックにするならLCをベースに4ドアクーペをラインナップした方がよりカッコよくなると思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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