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【名門ブルーバード後継セダン一新!!】新型セントラ発表で日本版シルフィはどうなる??

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【名門ブルーバード後継セダン一新!!】新型セントラ発表で日本版シルフィはどうなる??

 日産の名門セダン「ブルーバード」の後継車が海外でモデルチェンジ! 日本仕様のシルフィも合わせて新型投入に向かうのか?

 2019年11月20日、日産は米国ロサンゼルス・オートショーで新型セントラを公開。セントラは、シルフィの姉妹車にあたる日産の小型セダンで、中国では日本と同じくシルフィの車名で販売。4月の上海モーターショーで同一モデルの新型シルフィもすでに公開されている。

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 新型セントラ/シルフィが海外で公開されたとなれば、気になるのは“日本仕様のシルフィ”の今後だ。

 日産のセダンでは、ラティオの年内生産終了が明らかになったが、2012年の発売から7年が経過している国内向けシルフィは、新型にフルモデルチェンジされるのか? あるいはこのまま廃止に向かってしまうのか?

文:渡辺陽一郎
写真:NISSAN、編集部

【画像ギャラリー】ここまで違う!! 生まれ変わった新型セントラ&シルフィの気になる内外装

シルフィに続きセントラも一新!! 新型はどう変わった?

新型セントラ(2020年仕様)。セントラは、もともとサニーの北米版として誕生したが、今ではシルフィと共通のモデルとなっている

 最近は「セダンが売れない」といわれるが、今でもクルマの基本形であることに変わりはなく、新型車も定期的に発売されている。

 2019年にはアクセラがマツダ3に刷新され、カローラは3ナンバーサイズのミドルセダンに発展した。インプレッサG4も比較的規模の大きなマイナーチェンジを実施して、手頃なセダンが一気に充実した。

 そこで注目されるのが日産 シルフィだ。中国でも売られ、北米で扱われるセントラも今はシルフィの姉妹車になる。この海外版シルフィ&セントラが、フルモデルチェンジを受けて新型になった。

2019年4月の上海モーターショーで公開された新型シルフィ。新型セントラとほぼ同一モデルで、全長4641×全幅1815×全高1450mm

 外観は日本で売られる従来型に比べて格段に格好良い。フロントマスクは鋭角的な形状でスポーティな雰囲気だ。

 ボディの側面は水平基調ながら、リヤピラー(柱)の部分でキックアップさせ、リヤウインドーは大きく寝かせた。古典的にいえばファストバック風、最近の表現なら4ドアクーペ風の外観で、トランクフードは短く抑えた。

 ボディサイズは全長が4641mm、全幅は1815mm、全高は1450mmとされる。外観に視覚的な安定感を与えたこともあり、全幅はワイドになった。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2712mmと長い。

 内装は外観と同じくスポーティだ。インパネは中央部分を手前に張り出させ、ドライバーの囲まれ感を重視する。質感を高めながら、従来型と同じく空間効率も優れ、後席の頭上と足元も広い。

 エンジンは直列4気筒の1.6Lから2.0Lを用意する。サスペンションは刷新され、走行安定性も向上させるから、デザインから走りまで魅力を大幅に高める。

新型シルフィの日本導入「現時点では聞いていない」

日本仕様の現行型シルフィ。全長4615×全幅1760×全高1495mmと、国内では日産のセダンラインナップ中、最も小型なモデルとなっている

 一方、従来型のシルフィは、快適な居住性と優れた視界に基づく運転のしやすさが特徴だ。後席を含めて車内はLサイズセダン並みに広く、広いウインドウによって開放感も味わえるから、大人4名がリラックスして移動できる。

 そうなると海外で発表された新型シルフィ&セントラは、従来型とは性格の異なる趣味性の強いセダンに発展するわけだ。

 気になるのは、新型シルフィ&セントラを日本で売るか否かだろう。販売店では「シルフィをフルモデルチェンジしたり、あるいは廃止する話は、現時点では聞いていない。今後も従来通り現行型を売り続ける」という。

 ただし、現行シルフィの登録台数は、1か月に100~150台だから、セレナの1~2%にとどまる。発売から約7年を経過して、緊急自動ブレーキも採用されていない。

 新車を購入する一番のメリットは、今では安全装備を充実できることだから、緊急自動ブレーキを装着できないのは辛い。売れ行きが伸び悩んで当然だ。

 その点で新型シルフィ&セントラであれば、衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱時の警報、後方を走る並走車両を知らせる機能など、数々の安全装備が装着される。商品力を充分な水準まで高めることが可能だ。

ティアナ終売で日産のセダンは4車種に

2019年内に生産終了となるティアナ。セフィーロの後継車となる大型セダンで、車格としてはシルフィよりワンランク大きい

 また、今の日産では、セダンの品ぞろえが乏しい。ティアナは近々販売を終えるので、シルフィ、スカイライン、フーガ、シーマの4車種だ。

 スカイラインは先ごろ規模の大きな改良を行い、運転支援機能のプロパイロット2.0を採用して、新しいV型6気筒3Lツインターボエンジンも搭載した。ただし価格が430万円以上と高い。フーガとシーマは基本設計が古く、価格はさらに上まわる。

 そうなるとセダンの購入を希望するユーザーにとって、今の日産は選びにくい。これは惜しいことだろう。もともと日産は、ブルーバード、プリメーラ、パルサーなど、コンパクト&ミドルサイズのスポーティセダンを豊富にそろえていたからだ。

 日産のブランドイメージはセダンと相性が良いのに、肝心の魅力的な商品はスカイラインに限られ、もったいない状態になっている。

名門ブルーバードの系譜引くシルフィが日産の窮地を救う鍵に

1967年発売のブルーバード(510型)。日産車ではノートが2018年度販売台数の首位を獲得したが、これは50年前の同ブルーバード以来のこと。その後、ブルーバードシルフィ、シルフィと系譜を繋ぐ

 今の日産は、20年前と同様の苦境に立たされている。

 業績は悪化して、元会長は逮捕され、社長も交代した。この混乱の中で、日産内部からは「これからは今まで冷遇してきた国内市場を見直すべき」という声も聞かれる。

 その国内に向けた戦略の一貫として、新型シルフィ&セントラを導入すると良い。もともとシルフィはブルーバードの後継としてスタートしたから、日本における車名をブルーバードに戻す手もある。

 エンブレムをインフィニティから日産に戻したスカイラインと併せて、日産が培った走りの伝統を未来に伝える商品に位置付けたい。低重心で高剛性のボディを備えるセダンは、この役割に最適だ。

 スカイラインやシルフィのようなセダンは、大量に販売できる商品ではない。しかし、優れた空間効率や価格の割安感が求められるミニバンやコンパクトカーと違って、デザインや走りの魅力を表現しやすい。これは日産ブランドの発信と同じ意味を持つ。

 苦境に立たされている時だからこそ、日産の想いを託せるセダンが大切だ。スカイラインとブルーバードが日産を救う、そんなドラマを見せて欲しい!

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