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まさに小さな高級車!! 輸入車オーナーにも人気のノートオーラ「大ヒットの理由」

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まさに小さな高級車!! 輸入車オーナーにも人気のノートオーラ「大ヒットの理由」

 コンパクトカーといえば、ほとんどが5ナンバーサイズが基本となっている。海外市場をにらみ、安全性と快適性の両立をねらった3ナンバーサイズモデルもあるが、国内では目立ったヒットとなっていない。

 しかしここにきて、売り上げを伸ばしている3ナンバーのコンパクトカーがある。日産ノートオーラだ。その魅力はどこにあるのだろうか?

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文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部

[gallink]

■ノート全体の売れ行きのほぼ半数を占めるノートオーラ

2021年8月に発表された日産 ノートオーラ。ノートの上級シリーズで、プレミアムコンパクトという新たなジャンルを開拓した

 安全性や環境性能の向上により、新車の価格は15年ほど前に比べると1.2~1.3倍に高まった。かつて200万円で売られていた車種は、今は240~260万円だ。安全装備、運転支援機能、環境性能は価格差以上に向上しており、クルマはむしろ割安になったといえるが、値上げされると購入は難しくなる。

 特に今の平均所得は、1990年代の中盤から後半に比べると下がっている。そのためにクルマが値上げされると、小さな車種に乗り替える必要も生じる。

 そこでコンパクトカーが人気を高めた。特に2020年から2021年には、ヤリス、フィット、ソリオ、ノート、ノートオーラ、アクアなどのコンパクトカーが次々と発売されて売れ行きも好調だ。今では国内で新車として売られるクルマの約40%をコンパクトカーが占める。

 この中でも特に注目されるのが、2021年8月に発表されたノートオーラだ。ノートの上級シリーズで、日本自動車販売協会連合会が公表するデータによると、登録台数はノートに含まれる。

 日産でもノートオーラのみの台数は公表してはいないが、2021年11月におけるノート全体(ノートオーラを含む)の登録台数は9412台であった。販売店では「ノートオーラの売れ行きは好調で、ノート全体の50~60%を占める」としているから、2021年11月のノートオーラの売れ行きは5000台前後だろう。

■3ナンバーサイズでも売れ行き好調のヒミツ

本来なら売れ行きが伸び悩みがちな3ナンバーサイズコンパクトでありながら、ノートを購入しに来店してノートオーラを契約するユーザーも少なくないという

 それにしても、なぜノートオーラが好調に購入されるのか。ノートオーラは全幅が1735mmの3ナンバー車で、価格も一番安いGが261万300円だ。今はノート、ノートオーラともにハイブリッド専用車になって価格を高めたが、コンパクトカーが260万円以上では、高価格の印象が強い。

 過去を振り返ると、イストのような3ナンバーサイズのコンパクトカーは、販売を低迷させた。インプレッサスポーツやマツダ3のような3ナンバーサイズのハッチバックも、海外では主力商品になるが、国内の売れ行きは伸び悩む。

 そこでノートオーラの販売状況を販売店に尋ねると「ノートオーラを最初から指名するお客様に加えて、ノートを目当てに来店しながら、検討を行ってノートオーラに上級移行する場合もある」という話が聞かれた。

 この事情はノートとノートオーラを比べると分かりやすい。ノートで売れ筋になるXの価格は218万6800円だが、プロパイロット(車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなどの運転支援機能)と、LEDヘッドランプはオプション設定になる。

 運転支援機能は、ヤリス、アクア、フィットといったライバル車では大半のグレードに標準装着されるが、ノートのプロパイロットは、ほかの複数の装備と併せて別途装着せねばならない。しかもこのセットオプション価格は44万2200円と高い。

 LEDヘッドランプも、フィットなどライバル車の売れ筋グレードには標準装着されるが、ノートでは9万9000円のオプションだ。

 これらをノートXの車両価格に加えると、合計272万8000円に達する。今は運転支援機能とLEDヘッドランプは装着されて当然の装備になりつつあるから、見積書を取って218万6800円のXが272万8000円に高まると、驚くユーザーも多いだろう。

 この時に示される選択肢は2つある。ひとつは運転支援機能などを諦めて装備をシンプルに抑えることだ。価格が最も安い202万9500円のSを選び、9万9000円のLEDヘッドランプ、約25万円のディーラーオプションナビ(オリジナルナビ取付パッケージを含む)を装着する買い方なら、総額は約240万円に収まる。

■盛ってもお得!? ノートからの移行が目立つワケ

ノートオーラに標準装備のBOSEパーソナルプラスサウンドシステム。装備の充実度を考えると、ノートオーラには額面以上のお得さが感じられる

 2つ目の選択肢は、ノートオーラへの上級移行だ。ノートの場合、後側方車両検知警報などの安全装備やアルミホイールはオプション設定になるが、ノートオーラは標準装着している。従ってノートオーラGの価格は261万300円に達するが、装備も相応に充実するわけだ。

 ノートオーラでもプロパイロットはセットオプションに含まれ、これをGに装着すると、40万1500円が上乗せされて総額は301万1800円まで高まる。

 それでもBOSEパーソナルプラスサウンドシステムなども併せて標準装着され、前述の通り各種の安全装備やアルミホイールはノートオーラGに標準装着されるので、装備の充実度は大幅に向上する。

 以上の装備の違いを補正すると、ノートとノートオーラの正味価格差は約16万円だ。この金額で、ノートオーラはボディが3ナンバーサイズに拡大され、外観も存在感が強い上質なデザインになる。シート生地も上級化して内装の質も高まる。モーターと足まわりの設定が変わり、動力性能と走行安定性も向上する。

 これらをすべて含めて16万円なら、ノートオーラが買い得と受け取られるわけだ。

 開発者は「ノートオーラは、上級セダンのティアナ、フォルクスワーゲンゴルフのような欧州のコンパクトカーから乗り替えるお客様も多い。そうなると上質な内外装や充実した装備が好まれ、好調な売れ行きに結び付いている」という。

 プロパイロットなどを装着したいユーザーは、ノートをベースにオプション装備を加えて総額が270万円を超えるなら、300万円に達しても、ノートオーラをベースに最上級仕様へグレードアップしたいと考えるだろう。

 さらにノートオーラでは、Gの価格に8万9100円を加えると、本革シートと後席アームレストを備えた269万9400円のGレザーエディションを購入できる。ノートオーラは質感や装備を上級化しながら、価格アップを抑えたから、予算に余裕がある場合はノートよりも魅力的に受け取られる。

 このことはスポーツ指向のNISMOにも当てはまる。NISMOの外観は専用のエアロパーツを装着して空力特性を向上させ、見栄えもカッコイイ。

 アルミホイールも専用デザインで、タイヤの銘柄は上質なミシュランパイロットスポーツ4に変わる。ショックアブソーバーなどのサスペンションも専用にチューニングされ、ドライブモードもNISMO専用に変更された。

 さらに内装もスポーティにデザインされている。ノートオーラNISMOは、これだけ内容を充実させて、価格は286万9900円だ。Gレザーエディションと比べた時の価格上昇は17万500円に抑えている。

■少ない車種で最大限の効果を

ノートオーラNISMO。海外指向が強く、国内向けのラインナップは充実しているとはいえない日産だが、既存車種内の選択肢を増やすことで国内のニーズに応えたいという狙いもあるのだろう

 このようにノートオーラは装備の違いを考えるとノートよりも割安で、さらにノートオーラの中でも、Gレザーエディション、NISMOと上級化するに従って買い得になっていく。

 そのためにノートオーラの内、NISMOの販売比率は約20%と高い。スポーティなクルマが欲しいユーザーにとって、Gレザーエディションに17万500円を加えてNISMOが買えるならとても割安だ。

 ノートオーラは3ナンバー車だが、外観は5ナンバーサイズのノートに似ており、上級シリーズの位置付けになる。そのために販売店のコメントにもあった通り、ノートを検討した結果、ノートオーラに上級移行するユーザーも多い。

 価格も割安だから、3ナンバーサイズが売れ行きを妨げる原因になっていない。セレナでも5ナンバーサイズの標準ボディよりも3ナンバー車のハイウェイスターが好調に売られており、同様のことがノートオーラにも当てはまる。実際のサイズは3ナンバー車でも、イメージは5ナンバー車なのだ。

 ノートオーラの納期を販売店に尋ねると「ノートよりも半月ほど長いが、モノトーンなら約3か月で納車できる。2トーンは約半年に伸びるので注意したい」という。納期が想定の範囲に収まることも、ノートオーラが堅調に売られる理由だ。

 最近の日産は国内市場に目を向けるようになったといわれ、ノートも国内向けに開発された。それでも日産の海外指向は依然として根強く、国内向けの車種を多彩にそろえるには至らない。

 そこでノートは、SUV風のノートオーテッククロスオーバー、上級のノートオーラ、スポーティなノートオーラNISMOと選択肢を充実させた。限られた投資で、最大限度の効果が得られるように工夫している。

 これから登場するセレナやエクストレイルも、同じようにさまざまな仕様を用意するとユーザーに歓迎される。日産車の国内販売も徐々に増えてくるだろう。今の日産の国内販売順位は、トヨタ、スズキ、ホンダ、ダイハツに次ぐ5位だが、2022年には順位を繰り上げる見込みもある。

[gallink]

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みんなのコメント

81件
  • これはどう見ても高級車じゃないでしょ。
    普通にコンパクトカーの範疇だよね
  • 一番根本の原因はノーマルノートがダメダメだったからだぞ
    発売直後から言われてたが、今時当たり前の装備付けると競合より50万以上高いとかザラなのに
    内装酷いと言われたヤリスより酷い内装でどー見てもその誤魔化しのための2画面モニタだったからな
    オーテックをエントリー、オーラを上級くらいに考えとくのが一番無難。ノーマルノートを今から買うのはかなりコスパ悪い選択だと思う
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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