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新型登場から2年経ってもまだ「旧型」も売り続けるカローラ! 狙いと需要はドコにあるのか?

掲載 更新 8
新型登場から2年経ってもまだ「旧型」も売り続けるカローラ! 狙いと需要はドコにあるのか?

 この記事をまとめると

■カローラは先代モデルとなるアクシオとフィールダーがいまも併売されている

カローラひと筋30年のマニアライターが選出する歴代カローラTOP5!

■新旧併売は新型だけでは販売に苦戦しそうなときに実施されている

■先代となるアクシオはウエブサイトではビジネスカーとしてカテゴライズされている

 5ナンバー車へのニーズに対応するために新旧併売を実施

 現行カローラセダンと、ステーションワゴンとなるツーリングが正式発売となったのが2019年9月。

 しかし、その先代モデルとなる、シリーズ通算で11代目となる2代目カローラ アクシオと、3代目カローラ フィールダーは、現行モデル発売後も継続してラインアップされており、現在でも新旧併売状態が続いている。

 トヨタにおける新旧併売は、今回のケースが初めてではない。記憶に新しいところでは3代目プリウスがデビューした時も、2代目がプリウスEXと改名し、しばらく新旧併売が続いた。

 また、古くは1974年4月に3代目カローラが発売となったが、3代目がデビューしてからしばらくの間、2代目が併売されていた。このとき併売をした背景としては、3代目の車両価格が目立って上昇してしまい、そもそも2代目が割安感を追求していたことから、廉価グレードに絞って2代目が残り、併売となったといった話も聞いている。

 つまり、トヨタが新旧併売をする時には、「新型だけではちょっと危なっかしい(販売苦戦しそうだな)」と判断した時に実施されているようにも見える。3代目プリウスはそれまでの初代や2代目が1500ccエンジンベースだったのだが、1800ccエンジンベースとなっている。

「ベースエンジンの排気量がアップされたことが、クリーンイメージのハイブリッドに水をさすのでは?」といった話もあり、良くも悪くも排気量アップが話題となったこともあり、2代目との併売となったとの情報もあった。

 現行カローラはセダンとステーションワゴンボディとしては初の3ナンバーワイドボディとなり、1200ccターボがMTしかないことを考えると、事実上1800ccエンジンと1800ccベースのハイブリッド仕様しか実用車としては選択肢がなく、一方先代モデルは1500ccエンジン及び1500ccベースのハイブリッドとなるので、新旧併売として様子を見ているように思われる。

 商用車としてもカテゴライズされるアクシオ&フィールダー

 注目すべきは、新旧併売となった以降は先代となるアクシオ&フィールダーは、トヨタのウエブサイトでは、“ビジネスカー”としてもカテゴライズされているところである。

 5ナンバー時代のカローラセダンやステーションワゴンは、法人営業車としてのニーズも目立っていた。それが3ナンバーサイズとなったことで、現行カローラシリーズでは「3ナンバーサイズとなってはどうも……」と、法人ニーズが減ってしまうのではないかとは、筆者でも考える話。

 得意先へ3ナンバーサイズのカローラを乗り付ければ、「3ナンバーのクルマを営業に使うなんて、儲かっているんだね」と皮肉のひとつも言われかねないとして、購入を躊躇してしまう法人向けに、先代カローラアクシオ&フィールダーが新旧併売として継続して残されたと考えれば納得がいく。

 また、いまではかなり少数となっているが、地方の山間部や郡部といったところでは、年配ドライバーを中心にMT(マニュアルトランスミッション)のニーズが根強く残っている。

 現行カローラセダンやツーリングでもMTがあるが、それは1.2ℓターボのみに用意された6速MTのみとなり、実用的なMTとはいえない。

 新旧併売後もアクシオ、フィールダーともに1500ccガソリン車に5速MTが残されている。新旧併売となれば、旧型車はグレードやエンジンラインアップなどを、極力スリムにするのが通例。そのなかでMTが残されたことには、それなりの理由があるものと考えていいだろう。

 販売現場で話を聞くと、「現行型が発売されてからは、先代モデルを販売したことはない」というセールスマンの声が目立っていた。新旧でだいたい26万円強の価格差(現行型のほうが高い)はあるものの、3ナンバーワイドボディをどう考えるかは別として、ヴィッツベースのプラットフォームから、TNGA思想に基づく新規プラットフォームの採用など、メカニズムや装備、質感などの大幅向上を見れば、一般ユーザーが先代型を選ぶというケースはかなり少ないケースとなっているようだ。

※TNGAプラットフォーム。画像はカローラクロス

 ビジネスカーとしてカテゴライズされていることからも、販売の主体は各販売拠点のセールスマンではなく、法人営業やフリート販売をメインとする“特販課”などと呼ばれる部署になっているものと考えられる。法人だけでなく、トヨタ系をはじめとするレンタカー会社へもフリート販売されているようである。

 また、先代モデルをベースとした教習車としての需要も忘れてはならない。セダンがメインとなるようだが、先日フィールダーベースの教習車を筆者は目撃している。また、LPガススタンドが廃業などもあり、相当離れたところにあり、そこまで行ってLPガスの充填をするのは非効率と判断した、地方部のタクシー事業者がハイブリッド仕様をタクシーとして導入ケースもあるようだ。

 先代ベースの教習車が出たころに、ある関係者に話を聞いたところ、「通算11代目となるカローラ アクシオは、カローラの平均ユーザー年齢が結構高いということも考慮し、安全運転のために良好な視界の確保というのをかなり意識しました。教習車ではマツダさんの車両も多く使われているようですが、アクシオを使う教習所では、その視界の良さもあり教習中の“見極め”がもらえやすいようで、回転をよくしたい(早く免許を取ってもらい短期間で卒業して欲しい)教習所ではカローラの教習車が使われるとの話を聞いたことがあります」とのことであった。

 教習車としてのニーズは確かなものがあったようだが、法人営業車としては、とくにこだわりもなく、現行カローラセダンやツーリングが、筆者が思っていた以上に使われているようであり、世の中のクルマへの興味がますます薄れている(3ナンバーや5ナンバーへの強いこだわりがない)ようにも見える。5ナンバーや3ナンバーといったものが、世の中に3ナンバー車があふれることにより、形骸化していることが影響しているのかもしれないとも考えている。

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みんなのコメント

8件
  • これぞ日本のカローラ。
    5ナンバーにこだわる人、MTセダンにこだわる人は是非買って欲しい。これじゃないと言って市場を活性化しないと減る一方ですよ
  • トヨタにしかできないでしょうね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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