世間ではSUVの天下が続いているが、セダン感覚で荷物も積めるステーションワゴンも捨てがたい。そのワゴンの老舗中の老舗、フォルクスワーゲンのパサート ヴァリアントが8月中にフルモデルチェンジすることをご存じだろうか。今作で9代目となる新型パサートの最新情報をお届けしよう!
文/ベストカーWeb編集部、写真/フォルクスワーゲン
ランクルもいいけどワゴンもよくない? フォルクスワーゲン9代目パサート ヴァリアントが8月末に世界初公開!
■セダンを廃止しステーションワゴンに一本化!
フォルクスワーゲン新型パサート ヴァリアント(テストミュール車両)
派手な存在感はないが、使い勝手のいいセダン&ワゴンとしてフォルクスワーゲンの屋台骨を支えてきたパサート。初代の発売が1973年だから、その歴史はなんと50年にもなる。
そのパサートが8月末にフルモデルチェンジを迎える。先代デビューが2014年の発売(日本デビューは翌年)だったから、9年ぶりの完全刷新だ。
新型だが、土台とするプラットフォームはゴルフ8と同じ「MQB-Evo」。ゴルフ7や現行ティグアンが採用したMQBと基本は同じだが、剛性面や軽さで進化し、電動化のバッテリー搭載なども考慮されている。
とはいえ新型パサート最大のトピックはそこではない。次期パサートはセダンボディを廃止し、ヴァリアント(ステーションワゴン)に一本化されるのだ。一説にはアウディの次期A4もアバントを廃止するという情報だが、世界的なセダン不振を受けての決定だろう。
さておきパサートヴァリアントのボディだが、現行よりもさらに一回り大きくなり、全長は4900mmを突破するもよう。全幅も1850mmをわずかにオーバーしそうだから、立体駐車場利用時などは注意が要りそうだ。
とはいえホイールベースも2850mmまで拡大するはずだから、乗り心地面では優位になる。さらに新世代のアダプティブシャシーコントロール(DCC Pro)を採用し、後席シートは足元スペースを5cm拡大、形状もよりコンフォートに改良されるというから、路面を問わず快適なドライブが楽しめそうだ。
■サイズはさらに大きく。PHEVもラインナップ
センターコンソール上に大型のタッチ式ディスプレイを搭載
ボディサイズ拡大は当然ラゲッジスペースにも寄与する。荷室容量は後席使用時でも690リットルというから、新型Eクラスワゴンよりも広い。さらに後席を倒せば1920リットルまで拡大するから(Eクラスは1820リットル)、荷物が積めないという不満は感じないだろう。
インテリアだが、歴代パサートの合理的なたたずまいは残しつつ、大画面ディスプレイを融合した。センターコンソール上のディスプレイは標準で12.9インチだが、オプションにより15インチも取り付け可能だという。
ディスプレイ下には、ゴルフ8で採用したタッチスライダーが装着されている。オーディオ音量やエアコンを指のスライドでコントロールするUIだが、ゴルフ8については使い勝手に不評があり、VW自身も変更を発表している。新型パサートでは新しいUIが適用されているのかもしれない。
パワートレインについては多彩なラインナップとなる。TDI、TSI、eTSI(マイルドハイブリッド)のほか、プラグインハイブリッドも登場するという。このPHEV、1.5リッターにモーターを組み合わせると予想されており、EVモードで100km超の走行が可能というから楽しみだ。
日本導入がいつになるのかは今のところ不明だが、来春までには実現するだろう。今年のフォルクスワーゲンはフルモデルチェンジラッシュで、パサートに続いて秋にはティグアンもフルモデルチェンジするというから楽しみだ!
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