フェラーリが最新モデル「SF90 XX(エックスエックス)」をワールドプレミアした。V8ツインターボと3つのモーター、そして7.9kWhのバッテリーを搭載するプラグインハイブリッド車だが、いかにも彼ららしい電動システムの活かし方は、明らかに「フェラーリが作るピュアEVの姿」を予想させる。その全容を、発表会の現場から自動車ジャーナリスト・小川フミオがレポートする。
公道とサーキットの両方で使えるクルマ
地域のための脱炭素プロジェクト「フェラーリ・エナジー・コミュニティ」が始動
フェラーリがプラグインハイブリッドの新型車「SF90 XX(エックスエックス)」を、2023年6月29日に発表。
それに先立ち、ジャーナリストを集めての記者会見を、28日にイタリアの本社ちかく、ピスタ・ディ・フィオラノで開催した。
発表の瞬間まで、集まったジャーナリストにも車名も内容も伏せられていた。「こんなクルマってうわさがあるけど」と水を向けても、広報担当者はニヤニヤして首を橫にふるばかり。
最終的に午前10時を回って、フェラーリのマーケティング担当重役、エンリコ・ガリエラ氏の合図で、クルマがスポットライトとともに登場したのだった。
このクルマ、車名から、ひょっとしてクルマに詳しいかたならご賢察のとおり、2019年発表の「SF90 ストラダーレ」の発展形ともいえる。
「車名がこのクルマのコンセプトと技術的内容を物語っています」。ガリエラ氏は言う。
「公道とサーキット、どちらでも使えるクルマとして、開発したのです」
モーターだけで最長25kmの走行が可能
3,990cc V型8気筒ツインターボエンジンをミドシップ。そこに、フェラーリ初のプラグインハイブリッドシステムを組み合わせたモデルがSF90 ストラダーレだ。
今回のSF90 XXは、たしかに、SF90 ストラダーレを彷彿させるデザインだ。しかし、ノーズはより低く、前後左右フェンダーには3本ずつ空気抜きのルーバーが開けられている。
そしてリアにそびえ立った大きな固定式ウィング。リアのデザインもだいぶ異なる。
注目すべき点は、プラグインハイブリッドシステムの搭載だが、SF90 XXも、バッテリー駆動の電気モーターを、トルクの積み増しを主目的として使っているところ。
もちろん、モーターだけで最大25kmの走行が可能なので、カーボンフットプリントの減少に役立っているだろうし、ICE(エンジン)車は走行禁止のエリアにも入っていける。
それでも、フェラーリはそこは強く主張していない。2013年に送り出したプラグインハイブリッド「ラ・フェラーリ」でも、“ハイブリッドシステムはさらなるパワーのため”という主旨の発言をしていたはず。
SF90 XXは、左右1基ずつの電気モーターで前輪を駆動し、さらにもうひとつのモーターがエンジンとツインクラッチ式の変速機の間に入る。
そこはSF90 ストラダーレと同じだが、今回は、ハイブリッドシステムを使って「エクストラブースト」機能を開発し、初搭載。
駆動用バッテリーの機能を使って、スポーツカーとしての性能を出来るだけ引き出そうという、フェラーリの開発者のコンセプトに基づいた設定となっている。
Vol. 2 へ続く
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