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【モデル3のクロスオーバー版】新型テスラ・モデルYへ試乗 クラストップの実力 後編

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【モデル3のクロスオーバー版】新型テスラ・モデルYへ試乗 クラストップの実力 後編

どのメーカーよりタッチモニターを活用

執筆:Matt Prior(マット・プライヤー)

【画像】新型登場 テスラ・モデルYとモデル3 欧州で競合するクロスオーバー純EVと比較 全112枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


テスラ・モデルYのステアリングホイールやペダル類以外のインターフェイスは、ダッシュボード中央の15インチ・タッチモニターに集約されている。走行速度の確認も、グローブボックスの開閉も、このモニターを介することになる。

出発前には、ドアミラーやステアリングホイールの角度を調整したいと考えるはず。モデルYの場合は、モニターのメニューをタップして機能を選び、ステアリングホイールのダイヤルを回して変更できる。

手に力を入れる必要はほぼないし、個別のレバーやボタンを与えるより安価に作れるのだろう。テスラの理論は充分に理解できる。

反面、いくつかの操作では従来的なダッシュボードのボタンより、複雑なメニューを掘り下げる必要もある。特にエアコンの温度調整には、独立したダイヤルが欲しいと思う。

ただし、テスラ並みにタッチモニターの表示がきれいで、活用できている自動車メーカーはないことも事実。高精細で画面のレイアウトも整っている。反応も素早い。

ナビの設定も簡単。テスラが展開する急速充電器、スーパーチャージャー・ネットワークとの連携も素晴らしいと感じた。

少々磨きの足りない乗り心地

テスラであと少しだと感じた部分が、従来的な動的性能に関する技術面。電気モーターはスムーズに加速し、線形的でレスポンスも優秀。だが、アクセルオフで大きな減速感を得られるものの、日産リーフのようにワンペダル・ドライブはできない。

モデルYはAT車のように緩くクリープ走行し、MT車のように滑走もできる。停止中にブレーキペダルから足を放せる、オートホールド機能もついている。この制御は好印象。ステアリングホイールの重み付けも変えられる。

乗り心地は、あまり巧みとはいえない。19インチ・ホイールを履いたモデルYを試乗してみたいところだ。ボディ剛性が特段高いような印象も受けなかった。

20インチ・ホイールの場合でも、慣れることができないほど強い揺れが侵入するわけではない。でも、洗練性に影響があることは間違いない。19インチで充分だと思う。

純EVの場合は駆動用バッテリーで車重が重くなり、姿勢維持のために硬めのアンチロールバーを与えたくなる。そうすると、左右のサスペンションの独立性が低められ、乗り心地も悪化してしまう。

反面、純EVは重心位置が低いため、過度に硬いアンチロールバーは実際には必要ない。つまり、左右の独立性を奪う必要性は低いといえる。一部のメーカーは、この加減がうまい。特にポルシェは、タイカンの足まわりを適正に設定していると思う。

余裕でクラストップにランクインできる

それ以外、走りの質感は良好。ステアリングホイールはスムーズだし、正確に反応する。セルフセンタリング性も良かった。操舵時の重さは3段階から選べるが、コンフォート・モード以上に重くする必要はないだろう。

ドライバーとの一体感という点では高くないが、全般的に安定している。ファミリーSUVとしては、充分以上の操縦性といえる。

テスラといえば、オートパイロット。すべてのモデルYにも実装されている。とはいえ、かなり高機能なアダプティブ・クルーズコントロールに近い。フルセルフ・ドライビング機能もオプションで追加できるというが、試乗車には備わっていなかった。

テスラは、常にドライバーがステアリングを握り注意を払うように、強く念を押している。「オート」パイロットや「フルセルフ」・ドライビングとまでは、表現しない方が良いと感じた。

競合車種が増え、2018年にモデル3が英国へ上陸した時より、純EVには良い競争が生まれている。そのなかにあって、乗り心地やタッチモニターに頼りすぎたインターフェイスなど気になる部分もあるものの、モデルYは良いクルマだ。

加えてテスラが有するスーパーチャージャー・ネットワークは、圧倒的な強みでもある。テスラ・モデルYは、余裕でクラストップにランクインできる実力を備えていると思う。

テスラ・モデルY ロングレンジ(欧州仕様)のスペック

英国価格:5万4990ポンド(852万円)
全長:4750mm
全幅:1920mm
全高:1624mm
最高速度:214km/h
0-100km/h加速:5.0秒
航続距離:506km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2003kg
パワートレイン:ツインAC電気モーター
バッテリー:75kWh(実容量/予想)
最高出力:440ps
最大トルク:58.5kg-m
ギアボックス:−

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