現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜヘッドライトにワイパー付いてた? 降雪時には必須装備… いまやほぼ絶滅な理由とは

ここから本文です

なぜヘッドライトにワイパー付いてた? 降雪時には必須装備… いまやほぼ絶滅な理由とは

掲載 16
なぜヘッドライトにワイパー付いてた? 降雪時には必須装備… いまやほぼ絶滅な理由とは

■現在ではほとんど見かけないヘッドライトワイパー

 最近では見かけることがほとんどなくなりましたが、1990年代の欧州車の一部にはヘッドライトにワイパーが装備されていました。
 
 最近ではほとんど見かける機会がなくなりましたが、なぜなくなったのでしょうか。

【画像】「えっ!」黄ばみすぎ! めちゃ綺麗になったヘッドライトがこれです。(28枚)

 通常のワイパーは視界の確保をすることを目的に装備されていますが、ヘッドライトワイパーは付着した虫や泥、雪などを取り除くことで、光量の確保を目的に採用されています。

 欧州の一部の地域では、日本ほど外灯が設置されていないことあって、ヘッドライトの光に虫が集まりやすいことや、未舗装の道路も多く、泥はねなども珍しくないことから導入されていました。

 また、欧州地域では降雪量が多いこともあり、視界確保のためにヘッドライトワイパーは必須アイテムとなっていました。
 
 そのため、メルセデス・ベンツでは他のメーカーに先駆け、1972年の初代「Sクラス(W116)」にヘッドライトワイパーを初搭載したと言われています。

 ほかにもスウェーデンのボルボやサーブは、1970年代ごろからヘッドライトワイパーの採用が拡充されてきました。

 とくに1990年代のボルボでは、多くのモデルにヘッドライトワイパーが装備され、夜間の視界確保に努めていたことがうかがえます。

 国産車では、1980年に登場した日産「サファリ(160型)」に採用されていた他、同じくの日産の「シルビア(S12)」にはリトラクタブルヘッドライトワイパー採用されていました。

 このように、便利なヘッドライトワイパーですが、現在では見かける機会がありませんが、搭載車が減った理由にはどのようなものがあるのでしょうか。

 かつてはほとんどの車種にヘッドライトワイパーを搭載していたボルボの販売店担当者は、次のように話します。

「かつてはヘッドライトワイパーが主流となっていましたが、ヘッドライトウォッシャーが搭載されるようになってからは、完全にこちらに移行しました。

 これは、LEDヘッドライトが一般的となったこともあり、デザイン性の自由度が上がったことにも起因していると考えられます。

 ヘッドライトウォッシャーは、ワイパーを搭載するのが難しい形状のヘッドライトにも対応できます。

 加えて、近年のモデルは風洞実験による空力特性の向上もあることから、ヘッドライトに雪や泥が付着しにくくなってきています。

 また、ワイパーのゴム部分が傷みやすいなど、デメリットが目立つようになったこともあり、現在のクルマでは採用されることがなくなったと考えられます」

 ヘッドライトワイパーがなくなった理由のひとつにヘッドライト内部のリフレクターが効率の良いものに変化したことが挙げられます。

 そしてヘッドライトの明るさを向上させる技術がバルブの変化で「ハロゲン」から「キセノン(HID)」、近年では「LED」に変わったことが大きいといえるでしょう。

 ただし、キセノンやLEDは消費電力の少なさからハロゲンと比較しても熱をほとんど発生させません。

 熱がないと雪をとかすということでは不利になるため、代わりにヘッドライトにウォッシャー液を噴霧する「ヘッドライトウォッシャー」が主流となってきました。

 欧州ではキセノンやLEDヘッドライト装着車はヘッドライトウォッシャーの装備が義務付けられているため、ヘッドライトワイパーに代わって主流になっています。

 また、ヘッドライトそのものの進化もヘッドライトワイパーがなくなった理由のひとつです。

 以前のヘッドライトカバーの素材はガラスが主流でしたが、透明度が課題で光量に限界がありました。

 現在では、ポリカーボネート樹脂が主流になっており、格段の明るさを確保できるようになっています。

 このように、技術の進化により、かつての必需品とも言えたヘッドライトワイパーは、近年のクルマからは姿を消したようです。

※ ※ ※

 なお、日本国内でも「2000ルーメン以上の明るさ及び、配光可変型前照灯はヘッドライトウォッシャー設置が義務」となっていることもあり、搭載車が増えています。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
ベストカーWeb
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
AUTOSPORT web
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
AUTOCAR JAPAN
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
AUTOSPORT web
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
ベストカーWeb
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!?  実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!? 実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
Auto Messe Web
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
AUTOCAR JAPAN
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
Auto Messe Web
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE

みんなのコメント

16件
  • gnz********
    ウォッシャーがあると両方装備する必要が薄いということで
    コストダウンにもなるからというのがメーカー側の理由。

    しかし、ワイパーがあると安心感が違う。

    張り付く雪や前走車の巻き上げる泥水が乾いてマスクしていく状況だと
    ウォッシャー液は直になくなってしまう。
  • ya_********
    冬はないと困る。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村