現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 渋滞中も便利な最新クルーズコントロール「ACC」、過信しすぎると痛い目に遭うケースとは

ここから本文です

渋滞中も便利な最新クルーズコントロール「ACC」、過信しすぎると痛い目に遭うケースとは

掲載 更新 12
渋滞中も便利な最新クルーズコントロール「ACC」、過信しすぎると痛い目に遭うケースとは

便利機能がもたらす危険なシーン

「ACC=アダプティブクルーズコントロール」はじつに便利な先進安全運転支援機能だ。従来のクルーズコントロールは車速を一定に保ってくれるだけで、前車との距離を保ってくれず、前車がいきなり速度を落とせば追突する可能性があった。アメリカの広大な土地の一本道を延々と走るようなシーンでない限り、もはや使い勝手はあまり良くない。特に、交通量の多い日本の高速道路においては、である。

「夜間走行はロービーム? ハイビーム?」 本当に正しいヘッドライトの使い方

 ACCはステアリングスイッチなどの簡単な操作で、セットした速度を上限として、任意の車間距離を保ったまま、前車に追従。前車がいない場合は、セットした速度で走り続け、前方にクルマが入ってきたら、車間距離を保った走行になる。

 また、これからの時代に不可欠な「全車速域対応型」や「渋滞追従型」と呼ばれる0km/hから機能するACCは、高速道路での渋滞時から完全停止まで対応。数秒の停止であれば、何もしなくても追従走行に復帰してくれたりする。数秒以上、経過しても、アクセルペダルを踏むか、RES=レジュームボタンを押すことで追従走行に復帰。まさに自動運転の入り口と言える機能なのである。

 ただし、車種によっては渋滞対応せず、約30km/h以上からでないと機能しないACCもあるので、クルマの購入時には、全車速域対応型、渋滞追従型であるかを確認したい。

 ACCのありがたみを最も強く感じるのは、やはり高速道路の渋滞時。しかも、長距離の高速走行でACCを使うと、下手にアクセルペダルとブレーキを踏む走行よりも、燃費が向上するケースもある。筆者の愛車もACC付きだが、東名高速(東京~御殿場間)の走行で、ACCを使い続けると約10%燃費が向上したデータがある。

 さらに、個人的に高速走行で常にACCをONにしている理由として挙げられるのが、「プレ自動ブレーキ」としての効果。前車との距離を一定に保ってくれるため、追突の心配が低減するというわけだ。また、うっかりして前車との車間が詰まることもないため、あおり運転と間違えられる心配もない。

 そんな便利なACCは、今や日産デイズ・ハイウェイスター、三菱ekクロス、ホンダN WGN、ダイハツ・タント(ターボ)、スズキ・ハスラー(ターボ)などの軽自動車にまで装備され、多くの車種に普及している時代。しかし過信しすぎると痛い目にあうことがある。

同じ車速をキープすることで生まれる危険性

 まず、一般的なACCは「セットした車速のまま走り続けてしまう」ということ。例えば、80km/hにセットしてACC走行をしていたとする。直線なら前車に追従、あるいは80km/hをキープして走ってくれるから快適そのものだが、カーブに差し掛かっても80 km/hで進入してしまう。カーブの曲率によってはかなり危ないシーンとなるわけだ。

 この場合、カーブ手前でいったん解除するか、あらかじめ速度設定ボタンを操作して、車速を落とさないといけない。多くのACCの速度設定ボタンの「-」を長押しすると、10km/hずつ車速を落としてくれることも知っておこう。

 高速道路の料金所にしても、前車にくっついていれば、前車に合わせて速度を落とし、再び自動でセットした速度まで再加速してくれる。しかし、そのつもりで前車のいない料金所に進入すれば、ETCゲートのバーに衝突する危険性もありえる。一般的なACCはマップデータや速度標識を読んでいるわけでないのだ。

 その点、日産スカイラインの「プロパイロット2.0(ACC機能含む)」は、日本車初の高精度3Dマップと7個のカメラ、ソナーを採用。高速道路のナビ連動ルート走行と同一車線での「ハンズオフ機能」を同時採用する。

 最大の売りであるハンズオフ機能は、約60~90km/hの速度域に限られるが(±10km/hの猶予があり、それ以上の速度域では従来のプロパイロットの機能になる)、高精度3Dマップがカーブなどを認識しているため、自動でカーブの手前から減速。コーナーを抜けるとスムーズに速度を復帰させるので安心感は高い。

 高精度3Dマップ搭載によって道路の速度標識も認識する先進のプロパイロット2.0だが、こちらも落とし穴がある。例えば、高速出口などで速度制限がいきなり40km/hになったりするケースでは、速度制限標識通り40km/hまで急減速。かなりの減速Gに見舞われ、それこそ、車両後方にピタリとついているクルマがいれば、追突されかねない事態になってしまうのが、悩みどころではある。

 さて、話を一般的なACCに戻すと、「再加速性能」というキーワードにも注目したい。ACC走行中に、料金所を通過し、前車が減速したあとの再加速、速度復帰もACCにお任せできるのだが、その再加速性能が穏やかすぎると、後続車に急接近、追突されかねない危険がある。

 ホンダ・ステップワゴン(2019年時点)など、再加速性能が穏やかすぎるクルマは、場面によっては安全のためにアクセルを踏んで加速する必要があることも知っておきたい。

 いずれにしても、高速走行の機会の多いユーザーにとって、全車速域対応型、渋滞追従型のACCは、クルマが快調に流れているシーンはもちろん、渋滞時でも非常に便利なのは事実。頻繁なペダル操作から解放され、運転のストレスを劇的に低減してくれる先進安全運転支援機能と言っていい。その便利さを過信することなく、安全・快適に使いこなしてほしい。

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

車中泊に最適&最強! 日産の「巨大ベッド搭載車」が完成度高すぎ! 「キャラバン マイルーム」何がスゴい?
車中泊に最適&最強! 日産の「巨大ベッド搭載車」が完成度高すぎ! 「キャラバン マイルーム」何がスゴい?
くるまのニュース
日本でドゥカティの世界にどっぷり浸かる1DAYイベント『DUCATI DAY 2024』開催
日本でドゥカティの世界にどっぷり浸かる1DAYイベント『DUCATI DAY 2024』開催
バイクのニュース
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
くるくら
PHEVモデル促進へ レンジローバー・イヴォーク2025年モデル発表 価格改定とオプション見直し
PHEVモデル促進へ レンジローバー・イヴォーク2025年モデル発表 価格改定とオプション見直し
AUTOCAR JAPAN
先代からはデザインを一新!! 7代目セリカは中古平均価格80万円も190馬力って十分すぎない???
先代からはデザインを一新!! 7代目セリカは中古平均価格80万円も190馬力って十分すぎない???
ベストカーWeb
ベントレー最後のW12!「バカラル」「バトゥール」に続く第3の特別仕様車のディザー映像を公開! 5月7日の正式発表が待ち遠しい
ベントレー最後のW12!「バカラル」「バトゥール」に続く第3の特別仕様車のディザー映像を公開! 5月7日の正式発表が待ち遠しい
Auto Messe Web
フィアット500(チンクチェント)に新グレードを追加。オシャレなブルーの限定車も発売
フィアット500(チンクチェント)に新グレードを追加。オシャレなブルーの限定車も発売
Webモーターマガジン
福岡の春祭り「博多どんたく」に花自動車が彩り 5月2-4日
福岡の春祭り「博多どんたく」に花自動車が彩り 5月2-4日
レスポンス
トヨタのスゴい「小さな高級車」現る! 6連スロ&MT搭載の「コンパクトFRセダン」 狼の皮を被った羊とは
トヨタのスゴい「小さな高級車」現る! 6連スロ&MT搭載の「コンパクトFRセダン」 狼の皮を被った羊とは
くるまのニュース
特定小型原付「SS1」対象のショッピングローン取り扱いがスタート!
特定小型原付「SS1」対象のショッピングローン取り扱いがスタート!
バイクブロス
『スカイラインGT-R(BCNR33型/1997年編)』2年連続の逸冠を喫してしまった熟成版【忘れがたき銘車たち】
『スカイラインGT-R(BCNR33型/1997年編)』2年連続の逸冠を喫してしまった熟成版【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
アオシマの1/12 完成品バイクシリーズに「Yamaha Vmax」が登場!
アオシマの1/12 完成品バイクシリーズに「Yamaha Vmax」が登場!
バイクブロス
2024年ル・マン24時間の詳細スケジュール発表。ハイパーポール進出は各クラス8台、スタートは16時
2024年ル・マン24時間の詳細スケジュール発表。ハイパーポール進出は各クラス8台、スタートは16時
AUTOSPORT web
カーエアコンの「フィルター」なぜ価格がピンキリ? 「交換フィルター」高い・安いで何が違う? 交換時期の目安は?
カーエアコンの「フィルター」なぜ価格がピンキリ? 「交換フィルター」高い・安いで何が違う? 交換時期の目安は?
くるまのニュース
【MotoGP第4戦スペインGP】Moto2小椋藍選手は17番手からの6位ゴールながら納得のいかない表情
【MotoGP第4戦スペインGP】Moto2小椋藍選手は17番手からの6位ゴールながら納得のいかない表情
バイクのニュース
「“普通二輪免許”で乗れるトライアンフ」の魅力とは? アンダー70万円のプライスタグだけじゃない!「スピード400」は走りもスゴかった
「“普通二輪免許”で乗れるトライアンフ」の魅力とは? アンダー70万円のプライスタグだけじゃない!「スピード400」は走りもスゴかった
VAGUE
環境のために世界的にEVが重要なのはわかる! でもEVに乗ると「どんないいこと」があるのか?
環境のために世界的にEVが重要なのはわかる! でもEVに乗ると「どんないいこと」があるのか?
WEB CARTOP
本四高速・松山道のGW渋滞、連休後半は5月3日に神戸淡路鳴門道で全国でも屈指の大渋滞! Uターンラッシュはいつ?【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
本四高速・松山道のGW渋滞、連休後半は5月3日に神戸淡路鳴門道で全国でも屈指の大渋滞! Uターンラッシュはいつ?【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】
くるくら

みんなのコメント

12件
  • ACC便利だけど、料金所では切るな。
    まあ、ずっといれっぱなしなズボラな奴は必ずいて、そのうちや重大事故をらかすとは思うけど。
  • 高速は分岐やランプウェイでは一時停止状態にして自分で運転しないと危険ですね。
    特に前車がコーナーの先に消えてしまうと、急加速してしまう場合がある。
    高齢者だったらパニック状態になるのは間違いない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

138.7183.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0316.9万円

中古車を検索
ハスラーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

138.7183.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0316.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村