驚くべき速さと、目を見張る美しさ。スーパースポーツカーは、このふたつの要素を兼ね備えた特別な存在だ。『オートスポーツweb 最新スーパースポーツカー試乗レポート』では、クルマ好きなら誰もが憧れる数々の至高のマシンの中から注目の1台をピックアップして、その走りの印象を伝えていきます。
ハンドルを握るのは、モータージャーナリストの吉田拓生さん。第4回目は、『マクラーレン600LT』を取り上げます。
* * * * * * *
■21世紀に語り継がれるロングテールの新章のスタート
マクラーレン、620ps発揮の新グランドツアラー『GT』お披露目「2020年も新モデルを続々投入予定」
マクラーレンにとって“LT”というアルファベットは、特別な意味を持っている。それはポルシェにとっての“RS”であり、BMWにとっての“M”のようなものである。
LTは“ロングテール”を意味している。マクラーレンの長い尻尾、それは熱心なレースファンにしか理解できないマニアックさを秘めている。1997年のル・マン24時間レースに登場したマクラーレンF1-GTR“ロングテール”と呼ばれるロングノーズ・ロングテールを与えられたレーシングカーこそが、LTの源泉だからである。
2011年にスタートを切ったマクラーレンのスーパースポーツカー・プロジェクトにおいて、これまで4台のLTモデルがリリースされている。
2015年の675LTクーペと、そのスパイダー、そして2019年にリリースされた600LTのクーペとスパイダーがそのラインアップだ。
とはいえややこしいのは、現代のLTがあえて主張するほどロングテールではないことだろう。マクラーレンF1では、リヤオーバーハングが500mm近くも延長されていたのだが、675LTでは33mm、600LTでは74mm延長されているに過ぎないのだ。
当然のようにその事実を把握しているマクラーレンサイドは、現代のLTに『軽量、ハイパワーでサーキット走行に適したモデル』という注釈をつけているのである。
600LTはマクラーレンのスポーツ・シリーズの570Sクーペをベースとして完成している。パワーは570Sクーペと比べて、プラス30psの600psの大台に到達している。
さらに、600LTは専用チューニングのサスペンションによって、ピレリPゼロ トロフェオRタイヤのハイグリップに対応しているのだ。
カーボンファイバー製のバケットシートで味わう600LTは、まさにスペックどおりの高性能を体感させてくれるマシンだった。コーナリング時のみならず直進している時ですら、軽さやエンジンパワーより強烈なタイヤのグリップの方が強く感じられる。
ダウンフォースの掛かり方も、車体全体の感度の高さもベースとなった570Sとは明らかに別物といえる。少しオーバーペースでコーナーに飛び込んでも、拍子抜けするほどフラットなコーナリングが遂行されるだけなのである。
さらに極めつけは、リヤウイングの手前で上方排気されるエキゾースト・システムから青く鋭い炎が吹きあがること。バックミラー越しで見るアフターファイヤーに興奮しないクルマ好きなどいるはずがない。
600LTは、新たな伝説を築きつつあるマクラーレンLTの名に相応しいスーパースポーツカーなのである。
■マクラーレン600LT 諸元
車体全長×全幅×全高4604mm×1930mm×1194mmホイールベース2670mm車両重量1356kg駆動方式RWDトランスミッション7速DCTサスペンション形式 前/後ダブルウイッシュボーンブレーキ 前/後ベンチレーテッドディスクタイヤサイズ F 255/35R19 R 285/35R 20エンジン種類V型8気筒DOHCツインターボ総排気量3799cc最高出力441kW(600ps)/7500rpm最大トルク620Nm(63.2kgm)/5500ー6500rpm最高速度328km/h
■Profile 吉田拓生 Takuo Yoshida
自動車雑誌の編集部を経て、2005年からフリーのモータージャーナリストとして活動をスタート。自動車、ヨット、英国製品に関する文章を執筆。現代のスポーツカーをはじめ、1970年以前のヒストリックカー、ヴィンテージ、そしてレーシングカーの試乗レポートを得意としている。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
新車採用が「義務化」! でも後退時「バックモニター」だけで動くのは「危険すぎ」!? “カメラ”に映らない「死角」がヤバかった
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
「ヘッドライトが“まぶしい”んですけど、どうにかならないですか?」 困惑の声多数! あなたの行為「違反」かも? 「ハイビーム」の“落とし穴”とは
「財布を忘れて帰ろうとしたら、免許不携帯で捕まりました。今取りに帰るんですよ。私が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「事実でしょ」「非常識」の声も…「うっかり」でも許されない理由とは
なぜ「暖機運転」必要なくなった? 昔はあたりまえの“習慣”も今では「NG」に!? 最近では「暖機“走行”」必要との見方も
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?