7人乗りジャストサイズSUVが全方位に磨きをかけて登場
メルセデス・ベンツのEVコンパクトSUVで7人乗り3列シートを備える「EQB」が、主にバッテリーまわりの変更による一充電走行距離の伸長と、エクステリアデザインをブラッシュアップして、6月13日から予約注文受付を開始した。
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EQBは、全長4685mm、全幅1835mm、全高1705mm(いずれもEQB 250+の値)と日本の道路環境下において取りまわしのしやすいサイズでありながら、2830mmと長いホイールベースを活かした最大7名の乗車や積載性の高さなど、日常の使い勝手も両立させた電気自動車となっている。そして、これまでのメルセデス・ベンツの特長である安全性、操縦安定性、快適性、利便性、品質などを高いレベルでバランスさせているのが特徴だ。
そんなEQBは、EQB 250+は6月13日から、EQB 350 4MATICは7月下旬ごろから納車が開始される予定だ。
両グレードには駆動方式の違いによるパワートレインの構成や最高出力にも違いが生まれている。
EQB 250+はフロントアクスルに交流同期電動機が搭載され前輪を駆動する。最高出力は190馬力(140kW)で最大トルクは385N・mを発揮し、十分な加速力を持ちながら、内燃機関の自動車から乗り換えても違和感を感じないスムーズな制御を行っているという。車体へのモーターの搭載方法を工夫し、モーターからの振動や騒音が車内に伝わらないよう配慮し、静粛性も高めている。
一方のEQB 350 4MATICは、フロントアクスルに交流誘導電動機を1基、リヤアクスルに交流同期電動機を1基搭載して四輪を駆動する。最高出力は292馬力(215kW)で最大トルクは520N・m(いずれも欧州仕様参考値)を発揮し、前後アクスル間のパワーバランスを走行状況に応じて毎秒100回の頻度で高度に調整する。メインはリヤの電気モーターだが、高負荷がかかる場面などではフロントの電気モーターをサポートとして使うことで電力量消費率を最適化する。それと同時に、フロントアクスルの誘導モーターの部分負荷域における引きずり損失を最小限に抑えることを基本思想としている。
EQBの高電圧バッテリーはリチウムイオン電池を採用しており、前後アクスル間のフロア部に搭載されている。EQB 250+のバッテリー容量は70.5kWh、WLTCモードの一充電走行距離は557kmとなる。なお、充電に関しては、6.0kWまでの交流普通充電と100kWまでの直流急速充電(CHAdeMO規格)に対応している
エクステリアとインテリアの変更点
エクステリアデザインはフロントを中心に変更が加えられた。メルセデス・ベンツのデザイン基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」をより先進的に表現する「プログレッシブ・ラグジュアリー」というコンセプトのもとにまとめられたEQBのデザインは、前後オーバーハングを短くしてタイヤをボディの四隅にレイアウトすることで居住空間を最大化しつつ、筋肉質でエモーショナルな都市型SUVに仕上げている。
従来モデルに比べ新型のEQBは、メルセデス・ベンツの電気自動車「EQ」シリーズの最新デザインを踏襲し、立体的なスターパターンをあしらったフロントグリルを用いたフロントフェイスを採用した。これによりフロントバンパーもデザインが改められたほか、ホイールとリヤコンビネーションランプが新デザインに切り替わっている。
インテリアでは新世代のステアリングホイールを採用。各種インフォメーション機能の設定を手元で完結できる機能を搭載したほか、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック使用時のハンズオフ検知機能のために、リムに静電容量式センサーを備えたパッドを採用している。これにより、ステアリングホイールにかかるトルクがなくとも、ドライバーがステアリングホイールを握っていることが認識され、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックの使い勝手を向上している。
安全機能も従来の運転支援機能(レーダーセーフティパッケージ)から国際的な基準(UN-ECE R152)に準拠したため、新しい世代の運転支援機能「ドライビングアシスタンスパッケージ」へ変更されている。
高速道路や一般道を走行している際に、先行者を認識して速度に応じた車間距離調節を行う「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」は、高速道路での渋滞時に自動停止したとき、先行車が30秒以内に発進すればアクセルを踏まずとも再発進してくれる機能を搭載している。
また、ドライバーが周囲の道路状況に反応しなくなってから一定の時間が経過しているとクルマ側が判断した場合、警告灯と音で警告を段階的に強め、それでもドライバーのアクションが無い場合は車両停止まで行う「アクティブエマージェンシーストップアシスト」を装備した。
そのほかにも、「アクティブブレーキアシスト」、「緊急回避補助」、「アクティブレーンキーピングアシスト」、「ブラインドスポットアシスト」など、安全装備の充実化が図られている。
過不足のない一充電走行距離に、メルセデス・ベンツらしい安全へのこだわりを備えたEQB。3列目シートの乗員は身長が165cmまでと制限がつくものの、全長4685mmというコンパクトなサイズに3列シート7人乗りを実現しており、細く入り組み混雑した道を日常的に使用するファミリー層にとってジャストサイズな1台といえよう。車両本体価格はEQB 250+が消費税込み811万円、EQB 350 4MATICが消費税込み899万円だ。
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