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キア・スポーテージ 1.6 T-GTi HEVへ試乗 大胆なデザインで5代目へ進化 前編

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キア・スポーテージ 1.6 T-GTi HEVへ試乗 大胆なデザインで5代目へ進化 前編

リスクを恐れない前衛的なデザイン

21世紀に入ってから、キアの新車開発は欧州から注目を集めている。かつては欧州車のデザインを模倣したような例が多かったものの、近年では魅力的なモデルを数多くショールームに取り揃えている。

【画像】大胆なデザインで一新 キア・スポーテージ 競合するSUVと比較 全121枚

日本では馴染みが薄いかもしれないが、ソウルにシード、プロシード、スティンガーまで、個性的な見た目だけでなく、それぞれが実力派。突如、キアは一定の評価を得るようになった。リスクを恐れていない姿勢は確かだといえる。

5代目に生まれ変わったミドルサイズSUVのスポーテージも、そんな1例。キアのデザインは大胆で前衛的なものへ、さらに1歩を踏み出しているように見える。

新しいスポーテージを、可愛らしいと感じることはないはず。明らかに、そんなイメージは狙っていない。だが、3代目での大きな変化と同様に、このモデルにとって問題ではないのだろう。有機的で洗練されたスタイリングが目指されている。

明らかに、フロントマスクは肉食動物的。光沢感のあるブラックトリムが与えられ、SF映画に登場するマシンのように印象が残る。キアの最近の傾向へ沿うように主張は強いが、魅力的に思えるかどうかは、見る人に依ると思う。

ただし、スポーテージの基本的なシルエットは、比較的背の高い典型的なSUV。低いシルエットに、スケートボード状プラットフォームを採用したEV6の方が、さらに革新的ではある。

運転支援システムなど技術面でも意欲的

スポーテージのビジュアル・インパクトへ慣れるまで、しばらくの時間は必要そうだ。2時間ほど試乗させてもらったが、クルマから降りて最後に振り返っても、驚きは薄れなかった。

そんなスタイリングだけでなく、技術面でも意欲的な内容が与えられている。ひと回り大きいSUVのソレントと同じN3プラットフォームをベースとし、軽量で高剛性に仕上げられている。運転支援システムやタッチモニター主体のインテリアも特長といえる。

パワートレインには、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)も導入予定で、四輪駆動を指定することも可能だ。手頃で従来的なSUVがお好みなら、ガソリンかディーゼルのエンジンに、マイルド・ハイブリッドを組むこともできる。

欧州に導入されるスポーテージは、キアのスロバキア工場で生産されるショートホイールベース版。それでも、4代目と比較して5シーターの車内空間にはゆとりがある。

手頃な価格設定も忘れていない。エントリーグレードのマイルド・ハイブリッドなら、2万8000ポンド(約434万円)を切る価格が英国では設定されている。

今回試乗したのは、左ハンドルのドイツ仕様。1.6Lガソリンターボのハイブリッドで、アダプティブダンパーを除き、基本的には英国へ導入されるGTライン Sトリムと同じ内容だという。タイヤはドイツ仕様のスタッドレスを履いていた。

印象的なデザインのインテリア

ドアを開いてインテリアを眺めてみる。確かに運転環境は魅力的に映る。ダッシュボード上部には、メーターパネルとインフォテインメント用とが一体になった、薄くワイドなモニターがカーブを描いて据えられている。

ちなみにエントリーグレードの場合、従来的なアナログのメーターパネルに、小さなインフォテインメント用モニターが与えられるという。

エアコンの送風口のカタチも特徴的。ドアパネル側のドアハンドルと形状が呼応している。ボディと同様に印象的なデザイン処理が施され、成功作といえるインテリアだ。

大きなタッチモニターに目が奪われがちだが、それに支配されているわけではない。エアコンの操作には、メインのタッチモニターとは独立したインターフェイスが用意されている。使いにくくは感じなかった。

インフォテインメント・システムも、物理的なボタンでも操作が可能。それらのボタンや内装パネルなどの製造品質も、ソリッド感があり悪くない。

一方でプラスティック製部品には、低コスト感が拭えないものもある。ソフト加工が与えられている部分とそうでない部分との決定も、今ひとつ妥当性には欠けるように見受けられた。

車内空間の広さでは、スポーテージはクラス内でかなり競争力が高い。リアシート側も充分広く、身長が180cmを超える体型の大人でも問題ない。子供なら3名でも不満は出ないだろう。荷室容量は、プジョー3008などのライバルと同等以上はある。

この続きは後編にて。

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