現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いつかはクラウン神話崩壊!? 硬派なクラウン若返り路線の現状

ここから本文です

いつかはクラウン神話崩壊!? 硬派なクラウン若返り路線の現状

掲載 131
いつかはクラウン神話崩壊!? 硬派なクラウン若返り路線の現状

 日本の高級車の代名詞であるクラウンは、15代に渡る長い歴史を持つクルマだ。

 現行型の15代目クラウンは、これまでクラウンが歩んできた道を少し外れ、イメージチェンジを図ったモデルである。走行性能を鍛え、ユーザーの若返りを目標にしたが、その効果は出たのだろうか。15代目クラウンが登場し、クラウンへの需要はどう変わったのか、ユーザーの声や動きを中心に考えていく。

発売即大ヒット確定の新型ヴォクシー/ノア【ガチで欲しい人向け企画】納期「不明」で見積もり総額480万円!!

文/佐々木 亘、写真/トヨタ

[gallink]

■日本のセダンが売れないことに気が付いたクラウン

GA-Lプラットフォームを採用し、走りの性能を追求した現行型(15代目)トヨタ クラウン

 2018年に登場した現行クラウン。GA-Lプラットフォームの採用を機に、クルマの「走る・曲がる・止まる」の基礎能力を高め、欧州車にも負けない走行性能を売りにした。

 クラウンでは初めてシックスライトキャビンを採用し、シャシーからエクステリアデザインに至るまで「クラウン初」を採用した延長線上には、好調な販売を続ける欧州セダン勢の姿があるのだろう。

 「日本ではセダンが売れない、販売の中心はSUVやミニバンだ」と、2000年代に入ってから20年近く言われ続けてきた。

 確かにセダンの売れ行きは、SUVやミニバンに比べれば悪くなってきているが、街中では新車で購入したであろうセダンが、まだまだ多く走っている。その多くは、メルセデス・BMW・アウディに代表されるドイツメーカーのクルマだ。

 正しく言えば「日本でセダンが売れない」のではなく、「日本のセダンが売れない」のである。輸入車ディーラーのショールームに出向き、積極的にセダンの試乗や購入相談をする姿は、世代を問わず多い。

 クラウンも、今までの60代以上のオーナーではなく、輸入セダンを好む比較的若い購買層へ刺さるクルマへ変わりたかったようだが、こうしたメッセージは肝心のターゲット層に届いていないのではないだろうか。

■スポーツイメージが弱くなった?想定とは逆の反応

「いつかはクラウン」のキャッチコピーを掲げて登場した7代目クラウン。日本中に『クラウン=憧れの高級車』というイメージを根付かせた名キャッチコピーだ

 クラウンは時代の変遷とともに、クルマのコンセプトを少しずつ変えている。歴代クラウンの姿やスペックを見ると、その時代背景が良くわかるのだ。

 変化をさせつつも、クラウンの根幹である「乗り心地」と「居住性」については、世代が変わるごとに少しずつグレードアップしている。キャラクターやコンセプトが変わりつつも、根幹部分の変化は少ないため、これまでクラウンを支えていた「いつかはクラウン」を知るユーザー層が離れることは少ない。

 「いつかはクラウン」、このキャッチコピーが登場したのは1983年の7代目クラウン登場時だ。当時クルマの免許を持っていた世代は、若くとも50歳以上になっている。いつかはクラウンの中心を生きてきた世代は還暦を越え、その子の世代も既に30代半に差し掛かるだろう。

 こうした世代がクラウンに抱くイメージは、高級であり手の届かない存在ということだ。この点では現行クラウンも同様のイメージを持っている。しかし、15代目クラウンでトヨタが強く押し出した「スポーティ」というイメージは、登場から3年近くが経過する現在も、未だに定着していない。

 実際に販売店でクラウンユーザーに話を聞いてみると、15代目クラウンへスポーティイメージを持つ人は少なかった。歴代のクラウンアスリート乗り継いできたという方は、「アスリートが無くなったことで、クラウンのスポーツイメージは、さらに薄くなった」と語っている。

 今、クラウンを新車で購入していくユーザー層は、相変わらず「いつかはクラウン世代」が多い。現行型が目指したユーザー層の若返りは思ったように進んでいないし、スポーツイメージの定着も薄い。

■本質が変わらなければ、クラウンはクラウン

現行型クラウンはクラウンの本質とはかけ離れてしまっているといえる。走行性能を売りにしなくとも、高級&快適という従来のクラウンらしさを望む需要はあるのではないか

 若返りを図るために行われた今回のコンセプトチェンジは、逆効果だったと筆者は思う。なぜなら今の若年層が欲しがるモノは、「本質を極めたもの」だからだ。輸入車の真似事にも見える現行型クラウンは、クラウンの本質とはかけ離れてしまっている。

 クラウンは日本人が日本のためだけに作ったクルマだ。1,800mmに抑えられた全幅、ふわりとした乗り心地は、走行性能の上限値では欧州車に負けるかもしれないが、日本の道路という限定的なフィールドであれば、クラウンほど快適に使える高級セダンは他にない。

 クラウンがクラウンであることを突き詰めて、クラウンの本質を磨き上げたクルマを生み出せれば、これまでのファンも、これからのファンも作り上げられると思う。古きよきものは、今の若年層に「エモい」と刺さっているし、クラウンも「エモさ」を存分に出したほうが良い。

 消費者がクルマに求めることは少しずつ変化している。しかし、クラウンへ求めることは、今も昔も変わらないように思う。

 硬派な現行型クラウンに対する需要は少ないが、クラウン自体への需要は十分に残っているし、変わっていない。次期型ではクラウンの本質に立ち返り、いつの時代も変わらないクラウン良さを全面に押し出してほしいものだ。

[gallink]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

東京都に住むEVオーナーは注目!  最新設備の「アウディ・チャージング・ハブ 紀尾井町」の150kWh超急速充電を30分無料開放
東京都に住むEVオーナーは注目!  最新設備の「アウディ・チャージング・ハブ 紀尾井町」の150kWh超急速充電を30分無料開放
THE EV TIMES
「公道で操れんわw」「1.6億で仰天」超弩級のシューティングブレーク『ROCKET GTS』にSNSも熱視線
「公道で操れんわw」「1.6億で仰天」超弩級のシューティングブレーク『ROCKET GTS』にSNSも熱視線
レスポンス
新しいF1レースディレクター、ドライバーたちは好印象「これまでで最高のドライバーズブリーフィングだった」
新しいF1レースディレクター、ドライバーたちは好印象「これまでで最高のドライバーズブリーフィングだった」
motorsport.com 日本版
ノリス2番手「ロングラン・パフォーマンスの悪さに衝撃を受けた」マクラーレン/F1第22戦木曜
ノリス2番手「ロングラン・パフォーマンスの悪さに衝撃を受けた」マクラーレン/F1第22戦木曜
AUTOSPORT web
ダイハツの「“2階建て”軽トラ!?」登場! 4人乗れて4人乗れる! “広々”内装の「ステージ21 リゾートデュオ バンビーノJr」所有のインフルエンサー「さおりんご」さんに直撃!
ダイハツの「“2階建て”軽トラ!?」登場! 4人乗れて4人乗れる! “広々”内装の「ステージ21 リゾートデュオ バンビーノJr」所有のインフルエンサー「さおりんご」さんに直撃!
くるまのニュース
足が長くてシートがもっと高い! BMW Motorrad「R 1300 GS・GSスポーツ」は不慣れなライダーでも楽しめる?
足が長くてシートがもっと高い! BMW Motorrad「R 1300 GS・GSスポーツ」は不慣れなライダーでも楽しめる?
バイクのニュース
初日最速のハミルトン「なぜトップに立てたのか分からない」メルセデス/F1第22戦
初日最速のハミルトン「なぜトップに立てたのか分からない」メルセデス/F1第22戦
AUTOSPORT web
これでヤリクロ&ヴェゼルを撃墜! 日産キックスは豪華になって2025年登場か!?
これでヤリクロ&ヴェゼルを撃墜! 日産キックスは豪華になって2025年登場か!?
ベストカーWeb
三菱「デリカD:5」をファミリーカーとしてギリギリカスタム! 1.5インチのさりげないリフトアップに「オープンカントリーR/T」がベストマッチ
三菱「デリカD:5」をファミリーカーとしてギリギリカスタム! 1.5インチのさりげないリフトアップに「オープンカントリーR/T」がベストマッチ
Auto Messe Web
2024ポルシェ356ホリデイ 85台のポルシェ 356が神戸に
2024ポルシェ356ホリデイ 85台のポルシェ 356が神戸に
AUTOCAR JAPAN
「個タク」って「個人のクルマ」なのになんで「白いボディに青い帯」ばっかり? ボディカラーに決まりはあるのか
「個タク」って「個人のクルマ」なのになんで「白いボディに青い帯」ばっかり? ボディカラーに決まりはあるのか
WEB CARTOP
[15秒でニュース]アウディ『TT』生産終了…名車がラインアップから退く
[15秒でニュース]アウディ『TT』生産終了…名車がラインアップから退く
レスポンス
まさかの急展開! タナクのクラッシュでヌービル戴冠確定。トヨタにビッグチャンス到来|WRCラリージャパンDAY4午前
まさかの急展開! タナクのクラッシュでヌービル戴冠確定。トヨタにビッグチャンス到来|WRCラリージャパンDAY4午前
motorsport.com 日本版
日産の「新型スポーティセダン」公開に反響多数!?「ほしい」「格好いいよね」 迫力エアロ採用の「ラティオ」後継車! VLでスポーツな「アルメーラ」比国に登場
日産の「新型スポーティセダン」公開に反響多数!?「ほしい」「格好いいよね」 迫力エアロ採用の「ラティオ」後継車! VLでスポーツな「アルメーラ」比国に登場
くるまのニュース
マナー違反?それとも法令違反? バイクでのすり抜けの法的扱いとは
マナー違反?それとも法令違反? バイクでのすり抜けの法的扱いとは
バイクのニュース
フォルクスワーゲン、2026年にEVモデル全面刷新へ エンジン車縮小と「ポロ」改良を明言
フォルクスワーゲン、2026年にEVモデル全面刷新へ エンジン車縮小と「ポロ」改良を明言
AUTOCAR JAPAN
『レンジローバー』がオーバーヒート、リコール
『レンジローバー』がオーバーヒート、リコール
レスポンス
衝撃50Gの大クラッシュも、コラピント決勝出場へ。再検査受け問題なし……マシンもなんとか修復
衝撃50Gの大クラッシュも、コラピント決勝出場へ。再検査受け問題なし……マシンもなんとか修復
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

131件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村