ツインモーターの4輪駆動で0-100km/h加速4.9秒
text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
予告通り、ボルボは純EV版のXC40「リチャージ」を発表した。ボルボとしては初めての純EVモデルで、ツインモーターの最高出力は407ps、航続距離は400kmと優れた性能を持つ。英国での発売は2020年後半が予定され、発売時の特別仕様車は4万9900ポンド(678万円)になるという。
XC40リチャージは、今後5年間に純EVを5車種リリースする、ボルボの計画に沿った最初の1台。また2025年までに販売台数の半数をEVにすることを目指しており、残りはハイブリッドとなる。5種類の純EVには、「リチャージ」というEVだけに与えられるサブブランド名が与えられる。
ボルボは同時に、2025年までにクルマのライフサイクル・カーボン排出量を40%削減する計画も掲げている。2040年までには、企業活動で与える環境負荷を中立化させることも目指す。ちなみにライフサイクル・カーボンとはクルマの場合、生産からユーザーによる利用、廃棄やリサイクルまでに発生する二酸化炭素を指す。
4輪駆動のXC40リチャージは、フロントとリアに搭載された2基のモーターで、最高出力407psと最大トルク67.2kg-mを発生。最高速度は180km/hに制限されるが、0-100km/h加速は4.9秒でこなす。
床下に搭載されるバッテリー容量は78kWhで、WLTP値による航続距離は400km。充電器は11kWのAC充電器か150kWのDC急速充電器に対応。急速充電器なら40分で80%の電気を蓄えられるという。充電ポートは、従来の給油リッドの場所に設けられている。
英国価格はベースグレードで約470万円から
エクステリアもインテリアも、リチャージとしての細部の変更は受けているが、基本的なデザインには大きな違いはない。ラジエターが不要になったことで、従来のフロントグリルにはフラットなフェイシアパネルが取り付けられた。
車両構造を作るプラットフォームも基本的にほかのXC40と同じ。コンパクト・モジュール・アーキテクチャ(CMA)を採用し、ボディサイズは全長が4425mm、全幅が2034mmとほぼ変わらない。床下にバッテリーを搭載することで最低地上高は175mmと、エンジン搭載モデルより36mm低くなっている。
荷室容量は413Lで、標準の460Lからは小さくなった。だがフロントのボンネット内には、エンジンがなくなったことで31Lの荷物置き「フランク」が設けられている。ボルボXC40リチャージの車重は2150kg。エンジン搭載モデルが1497kgだから、かなりの増加だといえる。
インフォテインメント・システムには、ボルボとして初めてグーグル・アンドロイドOSを採用。デザイナーがコーディネートした「デザイナーズチョイス」が用意され、納車までの期間を非常に短縮できることも特徴だという。
英国でのボルボXC40リチャージの価格は、特別仕様のローンチエディションで4万9900ポンド(678万円)。ベースグレードは3万4500ポンド(469万円)からとなるようだ。高性能EVブランドからリリースされる、ポールスター2に近いと価格と考えられる。基本的に同じパワートレインを持ち、最高出力やトルクなども変わりないのだ。
ボルボは、2020年までに販売するクルマの20%がプラグイン・ハイブリッドになると予測。EV版ボルボXC40リチャージを含む、電動化モデルの生産量を3倍にまで増やす計画を進めている。
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