現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ハイパフォーマンスモデルの日産「リーフe+」の実力検証【走行編】

ここから本文です

ハイパフォーマンスモデルの日産「リーフe+」の実力検証【走行編】

掲載 更新
ハイパフォーマンスモデルの日産「リーフe+」の実力検証【走行編】

国内では、すでに今年1月23日より新たにラインナップに加わった「日産リーフe+」。この「e+」は、スタンダードモデルの「日産リーフ」に新開発e-パワートレインを採用することにより、パフォーマンスと航続距離を向上させている。

そのバッテリー容量は、40kWhから62kWhへとスタンダードモデルに比べ55%も向上させたことにより、航続距離は、322km(WTLCモード)/400km(JC08モード)から458km/570kmへ、約40%も延ばすことに成功。

今週、話題になったクルマのニュース6選(2019.01.19)

さらにモーター出力も、スタンダードモデルの最高出力110kW(150ps)、最大トルク320Nmに対し、「e+」は160kW(218ps)、340Nmと大幅に強化されている。そんなパワーアップした「日産リーフe+」に試乗してきたので、【走行編】と【機能編】の2回に分けてレポートしてみたい。

EVの新たな価値を創造するパッケージ

「日産リーフe+」のスタイリッシュなエクステリアデザインは、スタンダードモデルとほぼ共通。違いといえば、バンパー下にブルーのリップスポイラーが装着されていることと、充電ポートに「e+」のロゴが描かれているぐらい。ただ、50万円以上の価格差を考えると、見た目の上でももっと違った特別感があってもいいような気がするのは私だけだろうか。

リアまわりは、ひと目で「日産リーフ」と分かるような、特徴的かつ未来的なデザインで好感が持てる。ボディサイズは、全長4480×全幅1790×全高1545mmと、街中でも取り回しに苦労することはなく気軽に使えるサイズ感。

今回、試乗したグレード「e+ G」のタイヤは、前後ともダンロップ・エナセーブEC300の215/50 R17を装着。ドライ路面でしか試せていないが、気になる硬さはなく、エコタイヤとしてはなかなかのグリップ力を感じた。

そして、インテリアはスタンダードモデルと同様に、機能性を重視した室内空間となっていて、シートやドアトリム、ステアリングホイールなどに、鮮やかなブルーのステッチが施されている。個人的には、もっと未来感ある特徴的なデザインにしてもよかったのではとも思うが、ドライバーの馴染みやすさを考えると、この辺りに落ち着くのだろうか。

リアシートは、頭上スペースやヒザ前の空間にも、このクラスとしてはほどほどの余裕がある。ただ、少しばかり驚かされるのが、FR車かと思わんばかりのセンタートンネルの盛り上がり。実は、フロア下のバッテリーパックを冷やすための空冷用のトンネルだそう。とはいえ、バッテリーの大容量化にあたり、車内空間を犠牲にすることなくこのパッケージが実現できていることに感心させられる。

リアのラゲッジスペースは、スタンダードモデルと同じ453リッターの収納力があり、6:4の分割可倒式シートをすべて折り畳めば、さらに大きな荷物も積めて便利だ。ちなみに、リアラゲッジのサイドボックスには、充電ケーブルが収納されている。

走りもバージョンアップ!

この「日産リーフe+」は、モーター出力は最高出力160kW(218ps)、最大トルク340Nmと大幅に強化されている。しかも日産によれば、「スタンダードモデルは50km/hを超えると加速Gが落ちるが、e+は70km/hまで同じ加速Gが続く」とのこと。

また、例えば、80km/hから100km/hへの加速時間は約15%短縮しており、高速道路の合流や追い越しの際に、よりスムーズなドライビングが可能で、最高速度も約10%向上し、より快適なクルージングを楽しむことができるのだという。

さて、そんな情報を得てからの試乗となるのだが、今回は2台を比較しながらというわけでもなく、しかもスタンダードモデルに乗ったのは、1年以上も前のこと。正直、記憶を辿りつつ、その違いを感じることができるか不安だったのだが…。

実際に走り出すと、そんな心配は、杞憂に過ぎなかった。その加速たるや一段とパワフルで、思わず「うほ~!」という声が出てしまうほど。さらに、スタンダードモデルから160kgも増えた車両重量(1680kg)も、決して悪影響を感じさせることはなく、むしろ加速が鋭くスポーティな印象。

しかも、その重量増がフロア下のバッテリー部分のため、さらなる低重心化につながり安定した走りに貢献。スタンダードモデルより、走りのクオリティが、レベルアップした印象を強く受けるのだ。

そして、アクセルペダルだけで加減速のコントロールが可能な「e-Pedal」についても「日産リーフe+」では、制御を車両重量の変化に合わせて最適化し、さらに後退時の制御を見直すことで駐車時などの操作をよりスムーズなものとしたとのこと。

今回は、一般道と高速道路を使った短時間の試乗だったため、スタンダードモデルとの違いまでは確認できなかった。ただ、「e-Pedal」は、ストップ&ゴーの多い街中などではとても便利で、慣れるとちょっとしたスポーツドライビング時にも使用したくなるほど。

なお、バッテリー大容量化による航続距離を、458km(WTLCモード)/570km(JC08モード)へ延ばした件については、やはり時間の都合で検証できなかったため、今後ロングドライブの機会があれば、改めて挑戦してみたい。

愛を込めて“ダメ出し”

さて、こんなにも走りのパフォーマンスがアップして、楽しい「日産リーフe+」だが、今年1月23日にラインナップに加わったにもかかわらず、いまのいままでノーマークで試乗すらしていなかった私。

もちろん、追加当時にはリリースなどのアナウンスがあったに違いないが、その魅力を伝えきれていない日産は、アピール力が弱いんじゃなかろうか?(私の落ち度はさておき)

もっと、欧米のメーカーのように、ガンガンPRしていかないと、せっかく2010年という早い時期にEVの量産車として初代が登場しているのに、そのアドバンテージが薄れていってしまうのではないか。がんばれ!日産。

次回、【機能編】と続く

■キャンペーン情報
http://www2.nissan.co.jp/EVENT/PRIZE/19/02/index.html#safety1

■関連情報
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/leaf.html

(プロフィール)
文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメやファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。

関連タグ

こんな記事も読まれています

スズキ「新型コンパクト“SUV”」発表へ! クーペスタイルの「小さな高級車」か!? MT設定&「100万円台」の「インドフロンクス」とは
スズキ「新型コンパクト“SUV”」発表へ! クーペスタイルの「小さな高級車」か!? MT設定&「100万円台」の「インドフロンクス」とは
くるまのニュース
BMW『X5/iX5』も大型キドニーグリルと決別!「ノイエ・クラッセ」デザインで2026年デビューか
BMW『X5/iX5』も大型キドニーグリルと決別!「ノイエ・クラッセ」デザインで2026年デビューか
レスポンス
ホンダが「どこでも快適・軽バン」実車初公開! 斬新シート採用!? 「大人1人から4人まで」自由自在!  10月発売の「新N」とは
ホンダが「どこでも快適・軽バン」実車初公開! 斬新シート採用!? 「大人1人から4人まで」自由自在! 10月発売の「新N」とは
くるまのニュース
全ては「勝つ」ために! カワサキが「KX450」「KX450X」の新型モデルを発売
全ては「勝つ」ために! カワサキが「KX450」「KX450X」の新型モデルを発売
バイクのニュース
名車「シトロエン DS」、デビュー70周年を祝う…仏「レトロモビル2025」
名車「シトロエン DS」、デビュー70周年を祝う…仏「レトロモビル2025」
レスポンス
ホンダ・シビック タイプRってどんなクルマ? 歴代モデルと最新6代目を詳しく解説!
ホンダ・シビック タイプRってどんなクルマ? 歴代モデルと最新6代目を詳しく解説!
WEB CARTOP
VWグループジャパン、2024年度に投入する新モデル5車種を公開 ティグアンとパサートはフルモデルチェンジ
VWグループジャパン、2024年度に投入する新モデル5車種を公開 ティグアンとパサートはフルモデルチェンジ
日刊自動車新聞
アウディのカルトスポーツエステートRS4の25周年限定車「Audi RS4 Edition 25 Years」に初試乗
アウディのカルトスポーツエステートRS4の25周年限定車「Audi RS4 Edition 25 Years」に初試乗
AutoBild Japan
三浦半島の「新スマートIC計画」に反響多数!?「とても便利」「なる早で開通して」横浜横須賀道路の「IC空白地帯」で工事準備中
三浦半島の「新スマートIC計画」に反響多数!?「とても便利」「なる早で開通して」横浜横須賀道路の「IC空白地帯」で工事準備中
くるまのニュース
レッドブルF1代表、怒り心頭マクラーレンからのフェルスタッペン批判に反論「間違っているしフェアじゃない」
レッドブルF1代表、怒り心頭マクラーレンからのフェルスタッペン批判に反論「間違っているしフェアじゃない」
motorsport.com 日本版
BMW『M5』新型、鮮やかなイエローボディがラインオフ
BMW『M5』新型、鮮やかなイエローボディがラインオフ
レスポンス
写真で見るニューモデル VW「ティグアン」「パサート」
写真で見るニューモデル VW「ティグアン」「パサート」
日刊自動車新聞
スーパーカーの巨匠、ガンディーニ氏逝去…デザインと作品を振り返る
スーパーカーの巨匠、ガンディーニ氏逝去…デザインと作品を振り返る
レスポンス
トヨタが欧州で「ハイブリッド130」を採用! 日本のハイブリッドとは何が違うのか?
トヨタが欧州で「ハイブリッド130」を採用! 日本のハイブリッドとは何が違うのか?
WEB CARTOP
800万円! 新型「和製スーパーカー」発売! V8×6速MTも用意!? ”旧車デザイン”採用の「GT」とは
800万円! 新型「和製スーパーカー」発売! V8×6速MTも用意!? ”旧車デザイン”採用の「GT」とは
くるまのニュース
混合気供給の要“キャブレター”を分解!! 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ Vol.3
混合気供給の要“キャブレター”を分解!! 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ Vol.3
バイクのニュース
[サウンドシステム設計論]「外部パワーアンプ」を使う「パッシブシステム」で本格サウンドを堪能!
[サウンドシステム設計論]「外部パワーアンプ」を使う「パッシブシステム」で本格サウンドを堪能!
レスポンス
ポルシェ タイカン【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
ポルシェ タイカン【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

408.1583.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

12.0484.0万円

中古車を検索
リーフの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

408.1583.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

12.0484.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村