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あのイスパノ・スイザも復活! スポーツカーは“電気”で面白くなるのか?──ジュネーブ国際自動車ショー2019リポート【第22弾:EVスポーツカーたち】

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あのイスパノ・スイザも復活! スポーツカーは“電気”で面白くなるのか?──ジュネーブ国際自動車ショー2019リポート【第22弾:EVスポーツカーたち】

「スポーツカーがおもしろい」。これが、2019年のジュネーブ国際自動車ショーを見た感想だ。スポーツカー祭りといっていいほど多くのモデルが展示された。しかもそれらの多くは電気を動力源に走るEVであるから驚きだ。

ショー会場を歩いていて目にしたのは、とにかくスポーツカー、スポーツカー、スポーツカー……だった。あまり知られていない中・小規模メーカーのスポーツカーも多く並ぶ。一体、スポーツカーを出展したメーカーはいくつあるのか? 数えようと思ったが、あまりの多さに途中で断念してしまった。

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なかでも、1番印象に残った1台は、サプライズで登場した「ピエヒ・オートモーティブ」である。ミュンヘンとチューリッヒでビジネスをスタートさせた同社のオーナーはふたりいるが、うちひとりは名字が社名にもなっているトニ・ピエヒ氏だ。

トニ・ピエヒ氏は、ポルシェ・レーシングチームの黄金時代を築き、かつアウディ・クワトロの開発を指揮し、そしてフォルクスワーゲングループの監査役会会長を務めたフェルディナント・ピエヒ氏の息子である。

「ピエヒ・オートモーティブ」のブースは床面積が広いうえ、凝った演出だった。新ブランドであるにもかかわらず、想像以上に立派なブースに飾られたのは「マーク・ゼロ」と呼ぶ2シーターのEVスポーツカーだ。

「デザインとは外観や雰囲気のことではない、機能のことを言うのだ」と喝破した故・スティーブ・ジョブス氏の言葉とともに紹介されたマーク・ゼロは、スポーツカーとはなにか? を、突き詰めてデザインしたという。

チーフデザイナーを務めるハンガリー人のラズロ・バルガ氏が手がけたエクステリアは、オーソドックスだ。ちなみにバルガ氏は、かつてジャガーEタイプを現代的に解釈したモデルを発表し、注目を集めたデザイナーである。

バックボーンフレームのシャシーに電気モーターを搭載し、前後輪を駆動するという(詳細は不明)。車両重量は1.8トン以下、航続距離は500km超を目指すそうだ。なお、パワートレーンの開発を指揮するのは、BMW M社で高性能モデルの開発に従事してきたクラウス・シュミット氏である。

おなじEVスポーツカーのなかで、スタイルの美しさにおいてマーク・ゼロのよきライバルと思えたモデルは、ピニンファリーナ・アウトモビリが展示した「バティスタ」だ。

ディテールまで凝った面の美しいボディに、マクラーレンのディヒドラルドアを想起する跳ねあげ式ドアを組み合わせたバティスタは、1900psの最高出力と2300Nmの最大トルクを発揮する驚きのスーパースポーツEVだ。

デザインを本業とする「ピニンファリーナ」から分離した「ピニンファリーナ・アウトモビリ」は、バティスタの市販化(150台限定の予定)を目論んでいる。2000年代にF1に参戦したレーシングドライバーのニック・ハイドフェルト氏によるテストドライブを繰り返しているという。

往年の名車ブランド「イスパノ・スイザ」もEVスポーツカーとして復活した。1904年に創業し、第2次世界大戦まで世界でも屈指の高性能車を製造していたスペインのメーカーだ。ジュネーブ国際自動車ショーでは、噂になっていた2シーターモデル「カルメン」を発表した。

「ハイパーラックス・グランドツーリングカー」とメーカーがうたうカルメンは、リアに搭載された2個のモーターによって最高総出力750kW(1019ps)を発揮する。また、軽量素材を使ったボディの重量は1.6トンに抑えられていて、静止状態から100km/hまでに要する時間はわずか3秒という。なお、駆動方式はFRだ。

スタイリングは、1920年代のイスパノ・スイザ車を現代的に解釈したという。インテリアの仕上げは凝っており、上質な素材をふんだんに使っている。

さらにもうひとつ気になったのは、中国の「アークフォックス」(「北京汽車」傘下のブランド)が展示したハイパースポーツEVだ。

このデザインを手がけたのは、ワルター・デシルバ氏だ。デシルバ氏は、2015年までフォルクスワーゲングループのデザインを統括していた才能あるデザインディレクターで、現在はドイツのエンジニアリングコンサルタント会社に籍を置いている。

「アークフォックスGT」と呼ぶコンセプトカーはキャビンフォワードのミドシップのようなプロポーションを持つ。ブースには、ユニークなストリート仕様の「街道(日本語でオンロードを意味する)版」と、レース仕様の「赛道(日本語でサーキットを意味する)版」の2タイプが展示されていた。

炭素樹脂製の軽量モノコックボディに組み合わされる電気モーターは、4つの車輪それぞれに搭載される。静止状態から100kmkm/hまでの加速は、わずか2.59秒(街道版)という。また、赛道版はフォーミュラEの最新技術を使っているそうで、電気モーターの最大トルクは1302Nmにも達するというからすごい。

新興ブランドが超弩級の高性能車を作ってしまうあたり、スーパースポーツの世界も、今、電気の力で大きく変わろうとしていることをひしひしと感じたのであった。

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