レパード F31 後期型には、当時らしいエレガントさが溢れ出る
2023年11月4日に開催した「レパードオープンミーティング2023」にて、『あぶない刑事』の劇中車と全く同じナンバーを付けた車両に遭遇しました。まだ希望ナンバー制度が無い時代に、こんな奇跡が起こるものなのか!? と驚き、オーナーの横田久憲さんにお話しを伺いました。幼少期にクルマが登場するテレビドラマに夢中だったアラフォー世代は必見です。
日産「レパード」といえば『あぶない刑事』! 「パトランプを常備」する全国から集まったファンの情熱に脱帽でした
ディーラーで見かけた「レパード」前期型の美しさに惚れた
劇中車である港302号と全く同じ、「横浜 33 の 45-05」のナンバーに目が釘付けとなった。自動車のナンバープレートの数字のみ、希望で取得できるようになったのは1998年5月。その後、全国で実施されたのがその1年後。それにもかかわらず、2ケタナンバーで、4ケタの数字だけではなく「の」まで一緒。そんな奇跡なんて簡単に起こるものなのか!?
「これは、展示用のダミーナンバーです。雰囲気を合わせるには、ここからこだわらないとダメだろうと思い、フォントとサイズ、文字色、字ヅメなど、何度か調整を重ねて納得できる完成度になりました!」
そう答えてくれた横田さん。もちろん愛車は、第2期『もっとあぶない刑事』に使用されたレパードを模した後期型を愛用。筆者と同い年のため、やはり小学生時代に夢中にドラマをご覧になっていたそうだが、レパードへの興味は、日産「ブルーバード」を所有していた父親と共に訪れた日産ディーラーでの初対面にまで遡る。
「そこにレパード F31の前期型が展示されていたのですが、初めて見たときからカッコイイと思っていたんです。その後にあぶない刑事が始まり、レパードが登場。たまに映るデジタルメーターなどで、さらに憧れが強くなりました」
知人のおかげで引き継いだ、レパードへの思い
小学生でレパードに惹かれた横田さんは、免許取得直後の18歳で平成元年式のレパード XSを購入。30歳ぐらいまでの約12年間を共に過ごしてきた。
「前期型は壊れると聞いたので、後期型を選びました。当時の若者には高価なクルマでしたが、借金をして、頑張って払いながら乗り続けていましたよ(笑)。でも故障が多くて、特にエアコンのトラブルにはよく悩まされました。さすがに故障が多すぎてもうダメだと思い、そこで手放したのです」
その矢先に、レパード繋がりで知り合った友人から、「車両を引き受けてもらえないか?」という連絡が。どうやら結婚するため、そのタイミングで手放したい。しかし、思い入れのあるクルマなので、同じレパード愛に溢れる横田さんに乗ってほしい、という依頼だったそうだ。
「絶対に売らないで、最後までこのレパードを私に乗り潰してほしいと言われたのです。そう指名されたら応えないわけにはいかないでしょう。予算の問題もありましたが、それもお互いが納得できる状況で交渉成立。その結果、18年ほど前に私にとって2台目となるレパードがやってきたのです」
この出会いが無ければ、「1台目でレパードは降りていた」という横田さん。その結果、横田さんはこのレパードをずっと乗り続けていることになる。
あぶ刑事だけではない、他の劇中車もオマージュ
このイベントにお邪魔して興味深かったのは、劇中で使用された無線機を、何人かのオーナーが装着していたことだった。どうやらその首謀者のひとりは、この横田さんだと判明。電気工事技師という本業の関係で電装系の修理や改造が得意だそうで、趣味と実益を兼ねて、そういった無線の修理や自らの愛車の改造を手掛けているのだった。
「いろいろ自慢のポイントがありますが、改造で言えば、デジタルメーターへと変更したことですね。また、私はあぶない刑事だけじゃなくて、ナイトライダーやトラック野郎といった、当時のクルマ系ドラマや映画が大好きだったため、そういった作品へのオマージュも込めて、細部を仕上げています」
レパード F31 後期型はアナログメーターしか設定がなく、未来感溢れるデジタルメーターは前期型のみ。しかし、それをそのまま移植してもおもしろくないということで、日産「グロリア Y32」でオプション設定されていたアナログ風デザインのデジタル式を移植した。
さらには、『ナイトライダー』をオマージュして、シフトレバー付近にイエロー、レッド、グリーンの電装パネルを配置。そして、アクセルペダルの左右にも電飾を追加。劇中で主人公のマイケル・ナイトが操る「キット」のような改造を取り込んでいるのだ。
横田さんによれば、このイベントに集まるオーナーの多くが、『あぶない刑事』が大好きなのは当たり前とのこと。そのため、車両の仕上げ方も似たような方向性になってしまう。その中で、「いかに自分のオリジナリティを引き出すか」にこだわった事で、現在のようなスタイルにシフトしていったそうだ。
同一車種のオーナーズミーティングは、車両の状態維持やパーツ確保の情報交換だけではなく、こうした独自アイデアで愛車を楽しむオーナーに出会えるのが楽しい。それを改めて実感した取材だった。
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