待望のピニンファリーナによるデザイン
1973年にデビューした308GT4は、ベルトーネによる直線を基調とした2+2ボディをもつモデルだったが、それは実用性こそ高くとも、やはりラグジュアリーでスポーティな2シータースポーツを求めるカスタマーには、やや魅力に乏しいモデルであったようだ。デビュー時にフェラーリではなく、ディーノのエンブレムを掲げていたことも“V12絶対主義”を貫いていることの証しとして否定的な意見が唱えられることも多かった。最終的にフェラーリは、その308GT4をディーノからフェラーリへとブランド名を変更。並行して、本命となるV型8気筒エンジンをミッドシップ・マウントした2シーター車の開発を進める。
V12ミッドシップ「テスタロッサ」の系譜(1984-1994)【フェラーリ名鑑】
308 GTB(1975)
ここで誕生した「308GTB」は、ピニンファリーナによる実に流麗なボディをもつモデルだった。特徴的なボディサイドのエアインテークは、ピニンファリーナのプロトタイプ「P6」から受け継がれたもので、サイドビューの強いアクセントとなっている。もちろん、それはただのアイキャッチではなく、ミッドに搭載されるエンジンにフレッシュなエアを送り込むことなど、308GTBのエアロダイナミクスにとって重要な役割を担っている。
初期モデルはグラスファイバー製
だが308GTBの生産は、当時イタリアの経済状況が悪化し、フェラーリの生産車部門を買収したフィアットも、308GTBの製造に潤沢な資金を投じることはできない状態にあった。フェラーリのファンにはよく知られているとおり、308GTBの初期モデルはグラスファーバー製のボディをもつが、これは軽量化が目的ではなく、鋼板やアルミニウムの調達ができなかったこと、そしてそれらが調達できたとしても、その成型のための設備投資が少額では済まないことが本当の理由だった。もっともカスタマーから見れば、ファイバーボディの初期モデルは、軽量を活かして加速性能では有利という結論が自然と引き出されることにはなったが・・・。
クロームモリブデン鋼で組み上げられたセンターフレームに角断面の前後サブフレームを組み合わせるという308GTBのシャシーは、フェラーリとしては初の試みだった。エンジンは2926ccのV型8気筒DOHCで、最高出力は255ps。スチールボディが登場するのは、1975年の発表からほぼ2年が経過した頃で、ここでホイールアーチの前にようやくピニンファリーナのエンブレムが付いた。エンジンは基本的に変化がないが、ヨーロッパ仕様とアメリカ仕様では、潤滑方式や最高出力のスペックには多少の差があった。アメリカ仕様は1978年からエグゾーストシステム内で未燃焼ガスを燃焼させる、エアインジェクションとエアポンプの装備が義務づけられ、最高出力はヨーロッパ仕様が255psであるのに対し、205psにまで抑えられてしまう。
308 GTS(1977)
タルガトップのGTSが登場
1977年にボディがすべてスチール製になると、アメリカ市場では特に人気の高いタルガトップを備える「308GTS」がラインナップに加えられる。ディーノ246GTSの成功でも分かるように、オープンカー市場はカリフォルニアを中心にフェラーリにとって実に重要。実際のセールスはきわめて好調で、結局クーペの308GTBより2年ほど遅くデビューしたにもかかわらず、マイナーチェンジが行われるまで308GTSの方が308GTBより多く販売されている。
328 GTB(1985)
時代の流れとともに着実な進化を果たす
308シリーズはその後、全モデルをインジェクション化した「308GTBi」、「308GTSi」に、さらには4バルブ化した「308GTBクワトロバルボーレ」、「308GTSクワトロバルボーレ」へと進化。そして最終進化型となったのは、1985年デビューの「328GTB」、「328GTS」で、その生産は1989年まで継続される。シリーズ最終型の328シリーズは、エンジンを3185ccに拡大したもので、最高出力は270psを得ていた。また308及び328シリーズでは、税制の問題から排気量を2リッターターボとしたイタリア市場専売車の「208」シリーズが併売されたことも見逃してはならない。
【SPECIFICATION】
フェラーリ 308 GTB
年式:1975年
エンジン:90度V型8気筒DOHC
排気量:2926cc
最高出力:188kW(255hp)/7700rpm
乾燥重量:1090kg
最高速度:252km/h
フェラーリ 308 GTBi
年式:1980年
エンジン:90度V型8気筒DOHC
排気量:2926cc
最高出力:157kW(214hp)/6600rpm
乾燥重量:1286kg
最高速度:240km/h
フェラーリ 308 GTB クワトロバルボーレ
年式:1982年
エンジン:90度V型8気筒DOHC
排気量:2926cc
最高出力:176kW(240hp)/7000rpm
乾燥重量:1275kg
最高速度:255km/h
フェラーリ 328 GTB
年式:1985年
エンジン:90度V型8気筒DOHC
排気量:3185cc
最高出力:199kW(270hp)/7000rpm
乾燥重量:1263kg
最高速度:263km/h
解説/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
「すごい衝突事故…」 東富士五湖道路が一時「上下線通行止め!」 ミニバンが「横向き」で“全車線”ふさぐ… 富士吉田で国道も渋滞発生中
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?