2019年7月17日に「シトロエン 2019年ビジネス中間報告会」がプレス向けに開催された。2019年に創業100周年を迎えたシトロエンは、グローバルでの販売台数が好調で、2018年には過去最高となる104万6000台を記録。そのうち82万5000台が欧州市場とやや偏っているものの、世界4位の自動車マーケットであるインド市場に2020年に同ブランドを投入すると明らかにした。また、日本市場も好調に推移しているが、東京モーターショーへの出展は見送り、シトロエン生誕100周年を記念した独自のイベントを開催するとしている。TEXT & PHOTO◎塚田 勝弘(TSUKADA Katsuhiro)
「シトロエン 2019年ビジネス中間報告会」には、5月28日に発売されたミドルサイズSUVである「シトロエン C5 エアクロスSUV」、前日の16日に販売が開始されたばかりの「シトロエンC3エアクロスSUV」も展示され、3008や5008などを擁する「プジョー」、DS 7 クロスバックやDS 3 クロスバックなど最新世代のSUVを投入している「DS」ブランドと同様に、世界的ブームが続くSUVに注力する姿勢を示した。
「4年前になりますが、シトロエンがいかに成長可能なブランドなのかご説明しました。そして新たなプロダクト計画を導入し、販売ネットワークの再構築、そしてシトロエンがいかにアイコニックなブランドなのかを訴えるコミュニケーションを立ち上げました。2019年上半期は、4年前の2015上半期と比べて、プラス83%の成長を遂げています。同時に、販売ネットワークのリノベーションを図っています」
と挨拶。
さらに、プロダクト戦略については、2017年登場の現行C3の成功について触れていて、旧型C3の月間平均販売台数(2014年~2016年の月平均販売台数)が55台だったのに対し、現行C3(2017年~2019年の月平均販売台数)は、168台と、約3倍のヒットモデルになっていて、新規顧客の獲得にも貢献しているという。
さらに、プロダクト戦略については、2017年登場の現行C3の成功について触れていて、旧型C3の月間平均販売台数(2014年~2016年の月平均販売台数)が55台だったのに対し、現行C3(2017年~2019年の月平均販売台数)は、168台と、約3倍のヒットモデルになっていて、新規顧客の獲得にも貢献しているという。
続いてプレゼンを行なったのは、グループPSAのインド・パシフィック地区統括本部長のエマニュエル・ドゥレ氏。
「本日、2つのSUVモデルをご紹介できることをうれしく思っています。過去5年にわたり、グループPSAは劇的なターニングポイントを経てきました。我々は、プジョー、シトロエン、DS、オペル、ヴォクソールの5ブランドを抱えています」とあらためてグループPSAのブランドを紹介している。
2014年から同職にあるエマニュエル・ドゥレ氏は、インド・パシフィック地区の主要マーケットである日本、韓国、オーストラリアに加えて、2020年にインドへの参入を明らかにした。日本については、グループPSAでは小さなマーケットではあるものの、非常に重要かつ優先度の高い市場と位置づけているそうで、日本の顧客は品質の高さ、サービスへのこだわりも高いと認識しているという。
こうした背景があり、同氏は、4年前には、最新技術を搭載した新たなモデルを日本に導入する計画を立てるのと同時に、販売ネットワークの充実化に注力してきた年月だったと振り返っている。
結果は着実に出ていて、2015年から2018年の間、プジョー、シトロエン、DSの3ブランドでプラス62%の累計販売台数を記録。なかでもシトロエンは、累計販売台数がプラス85%に跳ね上がることからも、いかに同ブランドが急成長を遂げているかという点について強調した。さらに2019年も記録を更新する勢いで販売が伸びているという。
ブランド戦略について、エマニュエル・ドゥレ氏は、
「日本ではプジョーの認知度が高いのは承知していますが、そのほかの2ブランドも同時に知名度を上げていきたいと思っています」と締めくくっている。
さらに、1919年にアンドレ・シトロエンにより創業された同ブランドのごく一部を紹介。ヨーロッパで初めて大量生産されたクルマである1919年登場の「シトロエン タイプA 10HP」、1925年から1934年の10年間、エッフェル塔に同ブランドのロゴを描き出すという巧みなマーケティング戦略、1948年登場の2CV、1999年のクサラ・ピカソなどをピックアップしている。
東京モーターショーは不参加。しかし、独自イベントを開催
続いて、プジョー・シトロエン・ジャポン広報室のPRマネージャー森 亨氏が、2019年秋の東京モーターショーへの出展はグループPSAとして見送ると表明。しかし、シトロエン100周年を記念して、独自イベントを今秋複数開催する予定と明らかにした。
まず、「シトロエン 5CV TYPE-C」が今秋開催予定の各イベントで展示される。この個体は、すでに亡くなっているオーナーの奥さんから寄贈したいという申し出があったそう。そのオーナーによると1923年製で、シトロエン本国では1925年製ではないか? と製造年は定かではないそうだ。「シトロエン 5CV TYPE-C」は、日本の自動車雑誌のモノクロ写真数点を参考にしながらオーナー自らレストアされたモデルだそうで、オリジナルとは違う部分はあるものの、こうした熱意に敬意を表して展示されるという。
さらに、9月16日~23日には、「CITROËN CENTENARY GATHERING(仮題)」と題して、赤坂アークヒルズでのイベントや、10月25日~28日まで開催される「LA FESTA MIGLIA 2019」にオフィシャルカーの提供などが予定されているという。
シトロエン C5 エアクロスSUV
なお、同プレス発表会で展示された「シトロエン C5 エアクロスSUV」は全長4500×全幅1850×全高1710mm、ホイールベースは2730mm。パワートレーンは、2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボと8速ATの組み合わせで、価格は424万円。
シトロエン C3 エアクロスSUV
「シトロエン C3 エアクロスSUV」は、全長4160×全幅1765×全高1630mm、ホイールベースは2605mm。パワートレーンは、1.2Lの直列3気筒ガソリンターボの「ピュアテック」エンジンで、トランスミッションは6速ATが搭載されている。価格は259万円~297万円。
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