フルモデルチェンジしたトヨタの新型「プリウス」のハイブリッド版に、公道で乗った。パワートレイン&駆動方式による乗り味の違いをチェックした!
軽い! 超キモチいい!
新型トヨタ・プリウスのデザインや機能、使い勝手については何度かGQ JAPAN Webでも取り上げられている。ここでは、新型プリウスの“走り”にフォーカスした記事をお届けしたい。取材では、新型プリウスの前輪駆動(FF)と4輪駆動(E-Four)を同条件で試乗した。
スタートする前に新型プリウスのモデル構成を簡単におさらいしておきたい。
最新の第5世代となるハイブリッドシステムは、1.8リッターエンジン仕様と2.0リッターエンジン仕様の2本立てとなる。ただし、1.8リッターエンジン仕様に一般の方が乗るケースは少ないはずだ。というのも、1.8リッターエンジン仕様には「X」と「U」の2グレードが設定されるけれど、前者が法人向け、後者がサブスクリプションの「KINTO」専用モデルとなるからだ。
GQ編集部のI氏は、「サブスク専用の『U』にふれられる機会は貴重ですから」と、たくさん写真を撮っていたけれど、ここではみなさんがお乗りになるであろう2.0リッターエンジン仕様のFFとE-Fourのインプレッションを記したい。
まずハンドルを握ったのは、「Z」というグレードの2.0リッターのFFモデル。
走り出してまず口をついたのが、「軽い!」というフレーズだった。それくらい、軽快に加速する。1997年に登場した初代プリウスから、2代目、3代目、4代目と進化を重ねるごとに、加速の“まったり”感は薄くなっていったけれど、5代目でついに心地良いと感じるレベルに到達した。
極低速域を得意とするモーターと、少し上の速度域から本領を発揮するエンジンの連携が見事で、野球で「6→4→3」のダブルプレーがビタッと決まった瞬間みたいに爽快な気分になる。
北島康介氏だったら「超キモチいい!」と、言うかもしれないなぁと妄想したのは、エンジンがきれいに吹け上がったから。歴代プリウスが搭載してきたエンジンの、歯にモノが挟まっているかのようなもどかしさや、くぐもった音など、ネガティブな印象が吹っ飛んだ。
ペダル類が、従来の吊り下げ式からオルガン式に変更されたことも、パワートレーンの好印象とリンクしている。オルガン式のほうがペダルを踏み込む力の加減を微妙にコントロールしやすく、ここで操作に遅れがないから、パワートレーンのレスポンスの好印象につながる。
スペックを見ても、従来型の1.8リッターエンジンの最高出力が98psだったのに対して新型の2.0リッターエンジンは152ps、モーターの最高出力も72psから113psへと大幅に向上している。
一般道で走るわけだからパワーをすべて使い切るわけではないけれど、パワーに余裕があるほうが余裕を持ってドライブできるのは間違いない。
「軽い!」という印象は、道が曲がりくねりはじめると、さらに強くなる。ハンドル操作に応じて、ノーズがスパッと向きを変えるからだ。この俊敏な反応は実用車というよりも、ホットハッチと呼ばれる熱い走りのハッチバック車のレベルだ。
しかもノーズが向きを変えるのと同時進行で外側のタイヤがじんわりと沈み込み、安定した姿勢を保ちながらコーナーを脱出する。この一連の所作が整っているうえに軽快で、そのコーナリングフォームはルノーやプジョーなど、フランスのFFコンパクトカーを思わせた。
ワインディングロードでうれしいのは、ブレーキペダルを踏んだときの感触と減速感を、自然だと感じたことだ。
ハイブリッド車の場合は、減速エネルギーを回収する回生ブレーキと、摩擦ブレーキというふたつの系統がある。新型プリウスでは、このふたつが別々に働くのではなく、ひとつ屋根の下で同じ目的に向かって仕事をしているように感じるのだ。ブレーキの油圧系統のポンプを、抜本から変えたことの効果だという。
従来型がよく走るハイブリッド車だったとしたら、新型は気持ちよく走る、思い通りに走るハイブリッド車になっている。
悩ましい選択新型プリウスをドライブしていておもしろいのは、運転免許を取得してから何十年も経つ自称ベテランであるのに、少し運転がうまくなったように感じることだ。これには、理由がある。あまり表立っては紹介されていないけれど、新型プリウスには同社として初となるプロアクティブドライビング・アシスト(PDA)という仕組みが採用されているのだ。
これがどんなメカニズムかというと、カメラが前方をチェックしていて、たとえば直線が続いているとハンドルの手応えを少しだけどっしりとさせる。右コーナーが迫ると、少しだけハンドルの右回転の手応えを軽くして、操舵をうながす。コーナリング中はまた手応えを少しだけ重くして旋回の動きをキープ、コーナーの出口ではハンドルを戻す操作をうながすように、左回転の手応えを軽くする。おなじように、ブレーキもほんのわずかなお手伝いが作用する。
こう書くとおせっかいのようだけれど、ハンドルが動くのではなく、あくまで手応えが少し変わる程度。クルマが状況を先読みして、ちょうどいい操作に導いてくれる感覚だ。介入の度合いは3段階から選ぶことが可能で、イヤなら完全にオフにすることもできる。でも、イヤな感じはまるでなく、ちょうどいい塩梅だった。
といったところで、4駆のE-Fourに乗り換える。こちらもFFと同じく「Z」グレードで、駆動方式以外は、装備もほとんど変わらない。
走り出してみると、ドライバーの意志と操作に忠実に気持ちよく走る、という点では変わりはないものの、FF仕様に比べて落ち着きがあるというか、どっしりとした印象を受けた。
これは4駆のほうがFFに比べて60kg車重が重いということのほかに、ふたつの理由がある。
ひとつは、4駆の制御が従来型と変わっていること。後輪をモーターで駆動する点に変わりはないけれど、従来型の4駆はオンデマンド式で、つまり前輪が滑ったときなど、必要に応じて後輪も駆動した。いっぽう新型のE-Fourは、直線をのんびり走っているとき以外、かなりの頻度で駆動に関与している。
たとえば発進加速から、後ろから押し出されている感覚がある。またコーナリング中は、スリップを防ぐことだけでなく、狙ったラインをトレースするように後輪に駆動力をかけている。後輪を駆動するモーターの最高出力は41psで、従来型が7.2psだったことと比べると、大幅にパワーアップしていることがわかる。
パワーアップしたことと4駆の制御が変わったことを踏まえて、最終的なファインチューニングが施された。こうして、FFと4駆の味付けが差別化された。
FFをフランスの小型車っぽいと書いたけれど、対するE-Fourはドイツ車っぽい。スパンスパンと曲がるFFも楽しいけれど、どっしり、しっとり走るE-Fourも捨てがたい。
さらにはプレミアム&ハイパフォーマンスのPHEVも控えているから、今度のプリウスはどの仕様にすべきか、多くの人がうれしい悩みを抱えるはずだ。
文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
実際はスポーツカーと比べたらそれなりにマイルドな走りらしいけど、スポーツカーの走行性能は公道では持て余すだけの場合が多いので、よほど攻めなければ不満は小さいであろうことと、実用性はスポーツカーと比べたら良いので、スポーツカーがほしいけど、スポーツカーの実用性では困る人には良い選択肢になると思われる。
懸念点としてはあのAピラーはスポーツカーとしては寝過ぎで、カーブの先の視界が気になる所であるが、窓やミラー位置に配慮はみられるので、実際大丈夫かどうかは試乗して確認すべきだろう。