この記事をまとめると
■フォルクスワーゲンTロックがマイナーチェンジを実施した
ハイパフォーマンスモデルとなる「T-Roc R」も日本初登場! フォルクスワーゲンT-Rocがマイナーチェンジで内外装を刷新
■マイナーチェンジのタイミングで、新たにTロックRが日本に初上陸を果たした
■新しくなったTロックRにモータージャーナリストの森口将之さんが試乗した
Tロックがマイナーチェンジで最強グレード「R」を追加
フォルクスワーゲンのSUVでTクロスとティグアンの間、つまりゴルフに近いポジションに位置するTロックのマイナーチェンジモデルが日本で発売された。
Tロックが我が国に上陸したのは2020年なので、日本車並みに早めのタイミングに思うかもしれないが、欧州では2017年にデビューしていたので、それを含めて考えれば一般的なスケジュールではないだろうか。
エクステリアデザインはフロント/リヤまわりに手が入った。バンパーは前後ともに一新し、リヤに取り入れていたアンダーガード風アクセントをフロントにも採用し、中級グレード以上ではゴルフ同様、グリルにも左右のヘッドライトをつなぐように光の帯が入る。リヤウインカーがシーケンシャルになったこともニュースだ。
インテリアは不評だったクオリティが改善。ステッチが入ったソフトタッチの素材などを投入した。センターディスプレイがインパネ中央から立ち上がるタイプになり、エアコンの操作パネルがタッチ式になったことなども確認できた。
クルマ好きにとって最大のトピックは、ハイパフォーマンスモデルRの追加だろう。300馬力/40.8kg-mを発生する2リッター直列4気筒ターボエンジンと4WDのドライブトレインを持つもので、日本仕様のTロックでは初の2リッターガソリンターボ、初の4WDだ。
外観は前後のバンパーが専用となるだけでなく、サイドシルのプロテクターもボディ色になっていて、20mm低くなった車高ともども、オンロード寄りの姿だ。ノーマルでは隠されていたマフラーが4本出しになったことも特徴。ホイールは16~17インチから一挙に19インチになった。
インテリアは派手なブルーのパネルがインパネやドアトリムに張り巡らされていて、いかにもドイツの高性能車的なセンス。
シートはサイドの張り出しが大きくなり、ナッパレザー仕立てとなる専用タイプだ。
背の高さを忘れさせる後輪駆動的ハンドリング
走りはじめて最初に感じたのは、乗り心地がそんなに悪くないこと。ほかのTロックではトーションビームのリヤサスペンションがマルチリンクになったことが関係しているのかもしれないが、ガチガチではない。
エンジンはさすがに発進の瞬間からレスポンスが鋭く、その後の加速もかなり強烈。ステアリングのRボタンを押してスポーツモードに切り替えると、音も豪快になる。
あえてちょっと昔っぽい雰囲気を出しているんだろうと予感させるこのフィーリングは、ゴルフGTIにも通じるものだ。少し前に乗った、似たような内容を持つアウディSQ2とは表現する世界観が違っていた。
ハンドリングは4WDを生かしたもので、とりわけスポーツモードではリヤの駆動配分が多めになり、後輪駆動的なハンドリングを味わわせてくれる。SUVに乗る機会が多くなっているためもあるだろうが、背の高いクルマに乗っていることを完全に忘れさせる。
じつはこの時点では、本国では2年前に発表されている、基本的に同じパワートレインを積むゴルフRは日本に来ないと思っていて、TロックRが代わりを務めると思っていたのだが、原稿を書くタイミングになってゴルフRの日本導入が発表された。
しかし価格を見ると、TロックRのほうが13.2万円ではあるが安い。ゴルフという名より2リッターターボ4WDという実を取る人なら、こちらを選ぶのではないだろうか。
その後に乗った1.5リッターガソリンターボのスタイルは、パワーはこれで十分だと思ったものの、乗り心地は細かいショックを拾いがちで、SUVっぽいとも言えるけれど快適性はRとさほど変わらず。前輪駆動ということもあって、ハンドリングを楽しむようなキャラクターではなかった。
ホイールが1インチ小さくなるベースグレードのアクティブなら、乗り心地が少しまろやかになりそうだが、こちらはグリルのライティングやサイドシルのモールがつかないので、そのあたりを気にする人がいるかもしれない。僕はこちらのほうが欧州っぽくって好みだが。
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