現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ランクルよお前もなのか……伝統に泥を塗る不正発覚 今後ランドクルーザーはどう生きるべきなのか

ここから本文です

ランクルよお前もなのか……伝統に泥を塗る不正発覚 今後ランドクルーザーはどう生きるべきなのか

掲載 31
ランクルよお前もなのか……伝統に泥を塗る不正発覚 今後ランドクルーザーはどう生きるべきなのか

ダイハツの不正が発覚し、その後に豊田自動織機の不正も発覚。トヨタグループとしては非常に厳しい1年となりそうだが、今回の豊田自動織機の不正ではランドクルーザー/ランドクルーザープラドについても不正が発覚した。「生きて帰る」を標榜してきたランクルの歴史に泥を塗ってしまった形になるが、今後どうすべきなのだろうか。

文:ベストカーWeb編集長 塩川雅人/写真:トヨタ

ランクルよお前もなのか……伝統に泥を塗る不正発覚 今後ランドクルーザーはどう生きるべきなのか

■70年以上の歴史にケチがついた

トヨタBJ。ランクルシリーズの原点となるクルマだ

ランドクルーザーの歴史は1951年の「トヨタBJ」から始まった。本格的に「ランドクルーザー」の冠がついたのが1955年の20系。そこからご存じのとおり40、60、70、80、100、200、300系とランドクルーザーはモデルを紡いできた。

1990年に「プラド」が70系統に登場し現行の150系まで、アーバンライクに乗れる4WDとして「ランドクルーザープラド」が定着。多くのユーザーが身近にランクルを味わえるようになったのもブランド拡充には大きな役割を果たした。

70系のプラド。硬派なクロカン4WDがより身近に感じるようになった

そんなランクルのコンセプトは「生きて帰る」。電気もガソリンスタンドもない荒野が広がるオーストラリア、さらには砂漠を中心に寒暖差が激しい中東、サバンナのアフリカなどランクルの行動範囲は世界中。だからこそ一番大切なことはクルマが破損しようが故障しようが、とにかく乗員が「生きて」家に帰れることなのだ。

その信頼性を70年の歴史で紡いできたのがランドクルーザーであり、ランドクルーザー開発陣の「そこまでやるの!!?」というこだわりだった。しかし今回とんでもないケチがついてしまった。

■名機1GDエンジンにまさかの不正

再再販ランクル70にも搭載される1GDエンジンだが……

今回の豊田自動織機の不正はやや闇が深いというべきか、トヨタとの関係性の歪みがあるように思われる。まず整理したいのがランクルシリーズ搭載の1GDとF33Aの両ディーゼルエンジンについて、トヨタは豊田自動織機に開発を依頼しているということ。

不正の実態としてはエンジンの出力が安定するように市販用とは異なるECUを使い、スペック上のバラつきを抑えてトヨタに報告したというもので、これがまた難解な印象を与える不正だ。

結果的にはエンジンスペックを偽装しているわけではなく、豊田自動織機が依頼主のトヨタへ向けて妙な気遣いをしてしまい、挙句の果てに市販車とは異なるECUを使うという暴挙に及び、エンジンスペックを「整えて」伝えてしまった。残念ながら誰も得をしていない不正なのだ。

■「誰トク」な不正が起きてしまった

発売も近いランクル250。こちらも1GD搭載グレードがあるのだが……

前述したとおり今回の不正は本当に「誰トク」状態なもの。今回の不正の対象となっている150系プラドのみならず、現在販売中(現状厳しいが)の再再販ランクル70、そして今後発売のランクル250にも使われる1GDエンジンにとっては、とんだとばっちりだ。

現状では再再販ランクル70の1GDエンジンについては不正の対象外となっているが、これは豊田自動織機がトヨタ側へデータを提出した時期の相違によるものかもしれない。ただこのような事案が発生すると、市場では「実はランクルってなんかスペック詐称をしているのでは」という懸念が生まれてしまったのも事実。

ランクル300、LX500dについては現行販売車種であり、納車待ちのユーザーにとっては納期遅延などたまったもんじゃないというのが本心だろう。繰り返しになるがスペック自体はカタログどおりであり、ただ豊田自動織機-トヨタ間で共有されたデータについて不正があったという事実は理解しておきたい。キャンセルはもったいない。

■ランクルが歩むべき道とは

フラッグシップとして君臨する300系。長納期はまだしも、今回の不正で納期がさらに延びそうでとんだとばっちりを受けている

今回はトヨタ本体のランドクルーザー開発現場での不正というわけではなく、エンジン開発を依頼されていた豊田自動織機での不祥事だ。逆に言えばこれはランドクルーザー自体の不正ではないという免罪符にもなるが、いかんせん開発陣からしたって悔しい思いはあるだろう。

今回このような不正が明るみになったことは、一連の不正発覚を経て、自浄作用としてウミを出し切った形だ。しかもランクルのみならずハイエースなども含まれるとなれば、全幅の信頼を置いていた消費者にとっても大ショックなハナシ。

今後は二度と過ちが繰り返されないことを願うばかりだが、そんななかでもランクルは世界中で走り続ける。そして新型の250も控えている。こうなってしまえば今回の不正発覚をしっかりと反省点として認識し、これまで以上の品質でまた信頼を勝ち取るしかない。

73年目のランクルの歴史はあらぬ方向で始まってしまったが、また孤高のオフローダーとして君臨し続けるためには進化を臆せず、開発は絶対にとめてはならないと思う。





【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

新型スバル[フォレスター]登場か!! トヨタ製ハイブリッドで燃費に期待大!?
新型スバル[フォレスター]登場か!! トヨタ製ハイブリッドで燃費に期待大!?
ベストカーWeb
オーナー注目! アバルト「595」に新作の「フロントリップスポイラー」と「リアバンパーカナード」が加わった…「2シーターブレース」も初披露
オーナー注目! アバルト「595」に新作の「フロントリップスポイラー」と「リアバンパーカナード」が加わった…「2シーターブレース」も初披露
Auto Messe Web
【25’ 2/17最新】レギュラーガソリン全国平均184.4円 3週連続の値下がり
【25’ 2/17最新】レギュラーガソリン全国平均184.4円 3週連続の値下がり
グーネット

みんなのコメント

31件
  • いっくん
    排ガスを操作してないよね。
    してたら終わりです。
  • *******
    なぜトヨタの不正は静かな?
    他社なら集中砲火なのにね
    これからは他社の不正も静かに頼むよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

577.8756.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

60.0460.0万円

中古車を検索
300の車買取相場を調べる

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

申込み最短3時間後最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

あなたの愛車、今いくら?
※1:本サービスで実施のアンケートより (回答期間:2023年6月〜2024年5月)
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

577.8756.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

60.0460.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

申込み最短3時間後最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

あなたの愛車、今いくら?
※1:本サービスで実施のアンケートより (回答期間:2023年6月〜2024年5月)
メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村

あなたの愛車今いくら?