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【後輪も「曲がる」】四輪操舵システム、ようやく脚光? 注目モデル10選 懐かしのモデルも

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【後輪も「曲がる」】四輪操舵システム、ようやく脚光? 注目モデル10選 懐かしのモデルも

パイオニアはR31スカイライン

text:James Mills(ジェームズ・ミルズ)

【画像】疾走するフェラーリ/ポルシェ 四輪操舵システム採用モデル【ディテール】 全52枚

自動車シャシー技術のなかでもっとも議論を呼ぶもののひとつが、ハイテクの国、日本で考案されたと聞いても驚くには値しないだろう。

アクティブリア操舵システム(4WS)が初めてその姿を現したのは1985年のことだったが、最初にこのシステムを採用したのが、当時最新技術の塊だと思われていた日産R31スカイラインだったのは当然かも知れない。

それでも、この技術を広くひとびとに知らしめることに成功したのは、1987年に登場するや世界中で販売されたホンダ・プレリュードだ。

そして、いち早く4WSのメリットに注目したのが、米国の自動車雑誌「Road & Track」だった。

1987年、彼らはスラロームコースを舞台に、プレリュード2.0i 4WSとシボレーやフェラーリ、ポルシェといったスポーツカーを対決させているが、この慎ましい日本製クーペはその多くを打ち負かしている。

それでも、他の多くの革新的技術と同じく、4WSの新規性も時が経つにつれてその効力を失っていったのであり、この高価なシステムを搭載した車両は、万一追突事故に会った際には修理コストが高額になることから、保険会社をもうんざりさせることとなった。

その結果、アクティブリア操舵は徐々にひとびとから忘れ去られた存在となっていったのだ。

だが、すべてのモデルが大きく重くなっていくなか、駐車場でもサーキットでも車両をより扱いやすくすることの出来るこのシステムの利点がようやく認められ始めたようだ。

古今東西、四輪操舵システムを与えられた注目すべき10台をご紹介しよう。

BMW 850 CSi

E31世代の8シリーズでフラッグシップの座にあった850 CSiが値崩れしている理由をご存知だろうか?

それは、このクルマが搭載していた四輪操舵システムであるAktive Hinterachs-Kinematik(AHK)の信頼性が極めて低く、多くの場合その修理には驚くほどのコストが必要となるからだ。

850 CSiは380psを発揮する5.6L V12エンジンを積んで、BMW Motorsport社の手も入っていたが、問題は1990年代初頭に約8万ポンドというプライスタグを掲げていたということだった。

ホンダ・プレリュード

ひとびとに四輪操舵システムを知らしめたのがこのプレリュードだ。

このクルマが搭載していたシステムでは、フロントと同じように1.5°から最大246°のステアリング入力に応じて後輪が操舵されていた。

ステアリングをロックするまで回転させると、リアがフロントと逆位相に最大5.33°まで切れるこのクルマの最小回転半径はわずか5mに留まっていた。

それでも、追突のリスクを考えた保険会社が、このリアに複雑なステアリング機構を持つクルマに設定した保険料は決して安いものではなかった。

クセドス9(日本名:マツダ・ミレーニア)

このクルマのことを覚えているひとがどれだけいるだろう?

マツダが上級移行を目指したサブブランドから登場した6(日本名:マツダ・ユーノス500)は英国ではそれなりの成功を収めたものの、より大型の9が日の目を見ることはなかった。

おそらく、その理由は日本仕様と同じく、英国向けでも四輪操舵システムを採用していたことにあったのだろう。

ランボルギーニ・ウルス

改良型アヴェンタドールSに4WSを採用することで大きな進歩を見せたランボルギーニは、その後このシステムをウルスにも搭載している。

この高性能SUVを創り出すのに4WSは必要不可欠なテクノロジーだったのであり、お陰でウルスがイタリア第2のスポーツカーメーカーの名を汚すようなことはなかった。

三菱3000GT(日本名:GTO)

3000GTには映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場したデロリアンと同じくらいの多彩な装備が与えられていた。

アクティブエアロやAWDシステム、アダプティブサスペンション、ツインターボ、そして、もちろん4WSだ。

それでも、BMW やポルシェを手に入れられるようなドライバーが、このクルマに魅力を感じることはほとんどなかった。

フォードF-150プラチナムZF

全長5.8mのボディに7m近い最小回転半径を備えたクルマとなれば、立体駐車場に駐車することを考えるだけで冷や汗ものだろう。

だからこそ、最新のF-150にはZFの後輪操舵システムが与えられることになったのであり、その後フォードでは、現行F-150に搭載したのと同じようなシステムで特許申請まで行っている。

ポルシェ911 GT3

ポルシェ初の4WS搭載モデルは918スパイダーだったが、実際にその効果を感じさせることに成功したのは991世代の911 GT3が最初だった。

当時初めてこのクルマをテストしたロードテスターは、「もしポルシェが教えてくれなかったなら、4WSの存在に気付くことはなかったかも知れない」とレポートしており、ポルシェのエンジニアたちは素晴らしい仕事をしたと言えるだろう。

フェラーリF12tdf

限定モデルのF12tdfがその約780psものパワーを四輪で受け止めるには、使えるものは何でも必要だったに違いない。

史上初めてリア操舵システムを導入したフェラーリでは、このシステムのことを「バーチャル・ショートホイールベース」と呼んでいる。

驚いたことに、このZF由来の4WSシステム導入に伴う重量増はわずか5kgに留まっており、このクルマはスタンダードなF12から110kgもの減量に成功していた。

限界付近でのtdfは手強い存在だが、この四輪操舵システムはGTC4 ルッソや812スーパーファストなどにも採用されている。

ルノー・メガーヌRS

ハッチバックとしてはやり過ぎかも知れないが、ルノースポールのエンジニアたちはこのクルマに新たな武器を与えるべく、4コントロールと呼ばれる最新の四輪操舵システムを導入することで、路面状況に応じたコントロール性と、理想のサーキット性能を与えることに成功している。

4WSを持たないメガーヌと比べて、最大40%のステアリング操作角の削減が可能だとルノーは言う。

日産300ZX

1990年当時、もっとも知られたモデルがマイクラ(日本名:マーチ)だった日産は、英国のドライバーに自らがポルシェにも伍する存在だということを納得させられなかったが故に、300ZXの販売台数はあっと言う間に急減の憂き目を見ている。

利点は多かったものの、HICASと呼ばれた四輪操舵システムを残しておくべきかどうか、意見は分かれている。

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みんなのコメント

3件
  • R31乗ってた頃、HICASの中間リンクからオイル漏れ、治したらHICAS本体からオイル漏れ、直してしばらくしたらパワステポンプからオイル漏れ。直すとまた何処かからオイル漏れをおこすだろうってことで、パワステ~HICAS一式外したな。
  • 後輪が逆位相にきれて回転半径を小さく出来る車では、1937発売のメルセデスG5(W152)などがあります。 これは逆位相にしかきれないので、高速での安定性が悪かったようです。 逆位相と同位相の両方が出来たのが、プレリュードということになります。。。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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