2023年2月9日、FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンが開幕する。ラリーは北部最大の都市であるウーメオーに起点に、雪と氷に完全に覆われた森林地帯の未舗装路を特殊な雪道専用の「スタッドタイヤ」で走行。12日にウーメオーでフィニッシュを迎える。
雪と氷に完全に覆われたフルスノーイベント
ラリー・スウェーデンは昨年2022年より、積雪の多い北部に移動、ウーメオーにサービスパークを置き、ステージは全面的に新しくなった。
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今年のラリーのステージは昨年とほぼ同じ。9日木曜日の午前中にシェイクダウンが行われ、その晩19時過ぎから競技がスタート。ウーメオーの市街地近くで全長5.16kmのSS1「ウーメオー・スプリント1」が1本行われる。
森林地帯での本格的な戦いは翌日10日金曜日の朝から始まり、ウーメオーの西側から北側にかけてのエリアで3本のステージを各2回走行。最も北側に展開するSS4/7「ボッツマーク」は、今年新たに設けられたステージとなる。
競技3日目の11日土曜日はウーメオーの北側エリアで3本のステージを各2回走行。1日の最後にはSS1/SS8のロングバージョンである10.08kmの「ウーメオー1」がSS15として行われる。
最終日の12日日曜日は、ウーメオーの北東で1本のステージを2回走行。その後、最終ステージのSS18「ウーメオー2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
ステージは全18本で合計301.18km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1194.16kmが予定されている。
勝田貴元の3台めのGRヤリス ラリー1をドライブ
ラリー・スウェーデンは、雪と氷に完全に覆われた森林地帯の未舗装路を、金属製のスタッド(=スパイク)が埋め込まれた特殊な雪道専用の「スタッドタイヤ」で走行するフルスノーイベント。路面は滑りやすいが、スタッドがしっかりと氷雪路面に食い込むと非常に高いグリップ力が発生するため、雪壁に囲まれたコーナーをハイスピードで駆け抜けることができる。
トヨタのカッレ・ロバンペラが得意とするイベントで、完全に封鎖された凍結湖で幼少期からスノードライビングの腕を磨いてきたロバンペラは、トップカテゴリー参戦初年度だった2020年のラリー・スウェーデンで総合3位を獲得、昨年2022年には見事に優勝を飾っている。
開幕戦ラリー・モンテカルロを制したセバスチャン・オジェは、今シーズンもまたいくつかのラリーに出場を絞るため欠場。トヨタはこのラリーに、ロバンペラ、エルフィン・エバンス、勝田貴元の3台がワークスとして参戦する。
昨年のモンテカルロではトヨタのカッレ・ロバンペラが優勝
昨年のラリー・スウェーデンでは、トヨタのカッレ・ロバンペラが優勝。2位にはヒョンデのティエリー・ヌーヴィル、3位にはトヨタのエサペッカ・ラッピが入った。
初日は先頭スタートとなるロバンペラの苦戦が予想されたが、この日をなんとか2位で終えると、ロバンペラは2番手スタートとなった勝負の土曜日に一気にペースを上げて首位を奪い、そのまま後続との差を広げていった。
最終日にハイブリッドシステムが不調となり、パワーブーストなしでステージを走らなければならなくなったが、ロバンペラはそれまでのリードを守ったままフィニッシュ。自身3勝目、GRヤリス ラリー1にとっての初勝利を挙げるとともに、ドライバーズ選手権リーダーに浮上した。
ロバンペラはここから3連勝を飾り、チャンピオン獲得へ歩み出すことになった。
はたして、2023年 ラリー・スウェーデンはどうなるか。ラリーは現地時間2月9日19時、日本時間2月10日3時にステージ1がスタートする。
【参考】2022年WRC第2戦 ラリー・スウェーデン 結果
1位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)2h10m44.9s
2位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20 Nラリー1)+22.0s
3位:E.ラッピ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+30.6s
4位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+2m19.4s
5位:G.グリーンスミス(フォード プーマ ラリー1)+3m20.4s
6位:O.ロズベルグ(フォード プーマ ラリー1)+5m39.4s
7位:A.ミケルセン(シュコダ ファビア ラリー2エボ)+7m11.1s
8位:O.C.ベイビー(シュコダ ファビア ラリー2エボ)+7m34.3s
9位:J.フッツネン(フォード フィエスタ ラリー2)+8m14.2s
10位:E.カウル(フォルクスワーゲン ポロ GTI R5)+8m24.8s
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