純粋に、内燃機関のみで走るブガッティ最後のモデルが登場した。それが「ミストラル」と名付けられたロードスターである。(Motor Magazine2022年10月号より)
最高出力は1600ps、最大トルク1600Nmのモンスターマシン
2022年3月、内燃機関を搭載した最後のブガッティと言われたシロン スーパースポーツクーペに試乗した。しかしこれはICEを搭載した「クーペ」の最終モデルという意味で、この後にロードスターバージョンの追加も予告されていた。今回ベルリンで公開された「ミストラル」と名付けられたオープン2シーターがそれだ。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
ブガッティがフォルクスワーゲングループの傘下に入って間もない頃、ヴェイロンに「バルケッタ」と呼ばれるオープンバージョンの可能性を探っていた。しかし当時は開発費を回収するのが先決で、このアイデアはお蔵入りとなってしまった。しかし、経営が安定した今日、純粋なエンジン車の最終バージョンとなるロードスターを加えたのである。
ところで「ミストラル」といえば、マセラティが1963~1970年に発売していたクーペおよびロードスターの名称だ。日産も1994年には欧州向けモデルのテラノを「ミストラル」として日本で販売していた。しかしこれらの商標権はすでに切れている。
また、ミストラルにはフランスに吹く風のほかに「見事な」という意味もあり、1600ps、1600Nmを発生する8L W16気筒エンジンを搭載する最後のロードスターに相応しい名だとブガッティのチーフデザイナーのアヒム・アンシャイドは語っている。
99台限定。価格は8億2000万円・・・だった(すでに過去形)
ベルリンのスタジオに現れたミストラルは、低くなった車高に合わせてフラットに変化したブガッティ蹄鉄型グリルと左右の巨大なエアインテークが目を惹く。また4本スリットのLEDヘッドライト、さらにスターウォーズのライトセーバーが交差したようなリアライトが特徴的である。
ミストラルはシロンクーペのルーフを切り取ったことでドアからルーフに続く独自のラインサイドビューはなくなった。ちなみにルーフはグランドスポーツに採用されたケブラーとカーボンの骨格を持ったアンブレラタイプである。
ブガッティの説明によれば、このミストラルはシロンのロードスターバリエーションではなくて、ディーヴォやチェントディエッチのような独立した少量生産グループ「フュー・オフ(Few Off)」の部類に入る。
このICEを搭載したブガッティ最後のロードスターのプライスタグは、なんと595万ユーロ(約8億2000万円)。生産は2023年から始まり、24年に出荷される計画だが、すでに99台限定のミストラルはフランス南東部に吹く風「ミストラル」のように瞬時に完売してしまった。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)
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みんなのコメント
自動で関連付け広告入れてるにしてもヒドイなw