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目がない…斬新「天才タマゴ」登場! “エスティマみたいな流線”デザイン!? 1000万円超え「MEGA」 乗るとどう? 中国で試乗

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目がない…斬新「天才タマゴ」登場! “エスティマみたいな流線”デザイン!? 1000万円超え「MEGA」 乗るとどう? 中国で試乗

■驚異の「高速鉄道」ルックミニバン! 理想「MEGA」に試乗

 中国のEVメーカー「理想(Li Auto)」が2024年に発売したばかりの純電動ミニバン「MEGA」に試乗しました。

【画像】「えっ…!」次期エスティマ!? 全長5m級ミニバンの画像を見る!(49枚)

 中国新興EVメーカー御三家のひとつに数えられる「理想汽車」は2015年に設立されました。

 初のモデル「One」は2019年に登場、そのシンプルな見た目と先進的な運転支援機能で話題となりました。

 また、今でこそ中国ではエンジンを発電用として搭載するレンジエクステンダー付EV(EREV)はメジャーですが、当時はまだ少なく、「One」は1.2リッター直列3気筒ターボエンジン+容量40.6 kWhバッテリーを搭載するEREVとして総合航続距離800 km(NEDCモード)を誇りました。

 2022年3月には旗艦モデルとなる「L9」を発表しています。

 L9は新たな「Lシリーズ」の到来をつげ、ほぼ同じデザインでサイズだけ小さくした「L8」「L7」「L6」が現在までに投入されています。

 理想が手がけるモデルは今までどれもSUV、かつEREVでした。

 ですが、2023年11月には初となるミニバンで電気自動車(BEV)となる「MEGA」をお披露目。

 MEGAはもちろん理想初のミニバンとしても話題となりましたが、何よりも注目を集めたのはそのエクステリアデザインです。

 高速鉄道の車両のような見た目を持つMEGAは大きな反響を呼びました。

 ボディサイズは全長5350 mm x 全幅1965 mm x 全高1850 mm、ホイールベース3300 mmと大きな存在感を誇ります。

 参考までに、日本でも馴染みのあるトヨタ「アルファード」が全長4995 mm x 全幅1850 mm x 全高1935 mm、ホイールベース3000 mmなので、同じミニバンであったとしても別格のサイズとなるのがわかるでしょう。

 パワートレインは理想初の純電動で、前207 hp・後328 hpの出力536 hpを誇る仕様となり、単一グレードなため二輪駆動モデルは設定されていません。

 また、最大トルクは542 Nmと、車両重量2785 kgの車体を5.5秒で時速100キロメートルまで到達させるほどの力強い加速です。

 肝心のバッテリーはCATL製三元系リチウムイオン電池を採用、容量で102.7 kWhでWLTCモードでの航続距離は575 kmとなります。

 MEGAにおいてもっとも特徴的なのはそのエクステリアです。

 Cd値0.215を達成した流線型フォルムは一列目シート上部を頂点とし、後ろへ緩やかに下ろしていくデザインです。

 フロントマスクもヘッドライトは下部に配置、ガラス真下には横一直線のデイライトでシンプルにまとめています。

 対してリアはボディが直角的に切り落とされる「カムテール」形状を採用しており、後部における空気抵抗も極力抑えています。

 一方、インテリアはメーターディスプレイを廃し、センターディスプレイと助手席ディスプレイを一枚に集約するという昨今の中国BEVではありがちな設計です。

 ですが、ハンドルの中央上部に航続距離などの車両状態を表示する4.82インチディスプレイを備えているのは比較的独特でしょう。

 ミニバンにおいて肝心なのは後列の居住性です。

 実際に座ってみると、2列目は左右独立のキャプテンシートとなっているため座り心地は抜群。

 一方で3列目は空気抵抗を意識したルーフラインのために頭上空間が削られており、非常に窮屈であると感じました。成人男性が3列目に座ることはオススメできません。

 実際に運転してみるとモーター駆動特有の強烈な加速が感じられます。

 ですが、ファミリー向けであることを考慮すると少々酔いやすいかもしれません。

 サスペンションのチューニングもそこまで良いものではありませんし、3列目であれば先述の窮屈さと相まって、乗っていてかなりキツい印象を覚えました。

 満を持して登場した理想初のミニバン「MEGA」ですが、売れ行きは芳しくありません。

 理想は当初、発売開始後24時間の受注台数目標を3000台と設定していたものの、実際には半分しか達成できなかったようです。

 半月経ってようやく4000台に達しましたが、滑り出しは好調と言えませんでした。

 その後も販売台数は好転せず、3月は3229台、4月は1145台、5月は614台と大幅に減少しています。

 この売れ行きが影響し、理想は2024年の販売台数目標を「65~80万台」から「56~64万台」、そして最近では「48万台」へと下げました。

 この失敗の裏には初のBEVであるにも関わらず、販売の拡大を急ぎすぎたことが挙げられます。

 また、MEGA自体の価格も高く、当初は55.98万元(約1218.7万円)で発売されました。

 その後3万元(約65万円)下げられ52.98万元(約1153.4万円)となったものの、依然として割高感は否めません。

 対して、同時期に登場したライバルのシャオペン(Xpeng)「X9」は前輪駆動と後輪駆動の両方を設定、バッテリーも2種類から選択できる全4グレード構成となっており、価格帯も35.98万元(約783.3万円)から41.98万元(約913.9万円)とMEGAに比べて安価です。

 MEGAで苦戦する理想は販売戦略を見直し、まずは販売ターゲットを絞って再スタートを切ろうとしています。

 BEVラインナップも2025年までに追加で5車種を投入する計画でしたが、その先陣を切る純電動SUVも発売が2024年内から2025年上半期へと延期されました。

 世界全体でBEVが下火傾向にある今、急速に純電動化を進める予定だった新興電動メーカーは苦戦を強いられており、ガソリンエンジンのノウハウを蓄積している従来の中国メーカーはこぞってハイブリッド車に積極的です。

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