現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 眉唾っぽい逸話溢れる自動車メーカーエンブレムの由来! とくに気になる5つのメーカーの真相を探った

ここから本文です

眉唾っぽい逸話溢れる自動車メーカーエンブレムの由来! とくに気になる5つのメーカーの真相を探った

掲載 3
眉唾っぽい逸話溢れる自動車メーカーエンブレムの由来! とくに気になる5つのメーカーの真相を探った

 この記事をまとめると

■自動車メーカーのエンブレムのなかから面白い逸話が残されているものを紹介

「森林人」「飛度」って何のクルマかわかる? 中国の漢字車名が面白すぎた

■まことしやかに語られる逸話がじつはウソだったというケースも

■時代と共に大きく変わったメーカーもある

 正式な由来が不明なメーカーもある

 フェラーリのバッカレラ伯爵から、ポルシェのシュツットガルド紋章につながるエピソードはつとに有名ですが、クルマのエンブレム誕生の裏にはだいたい胸アツだったり、クルマ好きがときめくようなストーリーがありがち。もっとも、なかには正確な由来が不明だったり、間違って伝わっているものもあるようです。ちょっと面白そうなものをピックアップしてみました。

 マクラーレン

 現在のF1やハイパーカーに使われているエンブレムは、1980年代のF1チームが使い始めたのが起源。文字をロゴと化し、右上に赤いウロコだかカマボコだかわかりづらい図案が組み合わされています。

 この赤い図案については3つの説があり、ひとつめはマクラーレンご自慢の風洞実験トンネルで車体から発生する空気の渦(Voltex)を象ったというもの。ふたつめは、このロゴを使い始めたときのメインスポンサー、フィリップ・モリスの「マルボロ」をアレンジしたデザイン。そして3つめが創業者、ブルース・マクラーレンがの故郷の飛べない鳥、キィウィをイメージしたという説。

 ちなみに、1960年代に発売されたマクラーレンの市販車には当時らしく七宝焼きのエンブレムが貼られているのですが、こちらはイメージでなく、リアルなキィウィが描かれています。

 正式なステートメントもないので、どれが正解かはわかりませんが、いくらロン・デニスが腕っこきのビジネスマンだとて、マルボロ説だけは怪しい気がします(笑)。

 BMW

 青と白の格子というか、四分割したマークはプロペラの回転とバイエルン州のカラーをアレンジしたもの。これが通説でしたが、これは誤りだとBMWが正式にアナウンスしています。

 彼らによれば、正しくはBMWの前身たるRapp Motoren Werke(1913年に航空機エンジンメーカーとして創業)が用いていた円形にチェスのナイトを象ったロゴがご先祖様とのこと。このナイト(馬ですね)の部分をバイエルン州カラーにしたという流れでして、プロペラというのは後付けどころかでたらめだった、というのが真相だそうです。

 BMWといえば、2022年にM社の創立50周年を記念した特別エンブレムを設定しました。クルマはもちろん、バイクも含めてMモデルに導入されましたが、これは将来の値上がり必至でしょう。バイエルンのエンジン屋さんはなかなかの商売上手、といったらあざといでしょうか(笑)。

 アストンマーティン

 スカラベ(フンコロガシや黄金虫)の羽根を象ったエンブレムは、1930年代初頭から採用されています。創立当初はAとMというイニシャルを円形にアレンジしたシンプルなものですが、デザインしたのは創立者のライオネル・マーチンの妻、ケイトだったとされています。

 その後、ASTONを右翼にしてARTINを左翼、中央にMが配されるシャープなデザインが導入され、1930年代初頭まで使用。そして、ついにスカラベの羽根デザインになるのですが、その理由は「イギリスでエジプト学が流行っていたから」というミーハー路線(笑)。

 作ったのはレーサーであり、自動車雑誌の編集部員でもあったサミー・デイビスとのこと。実際、サミーがレースで乗ったアストンマーティンLM1にはこのエンブレムが付けられ、その後、デビッド・ブラウン時代には彼の名が加わり、ラゴンダ売却の1974年まで同デザインを採用し続けました。

 フンコロガシが転がす糞を太陽に見立てたエジプト人のセンスも驚きですが、これが流行るイギリスの国民性もまた興味深いもの。アストンマーティンは流転のブランドかと思いますが、根底はやっぱり英国気質あふれるものといえそうです。

 黒文字への変更は自分で自分を哀悼した!?

 ロールスロイスとロータス

 2社いっぺんに取り上げたのは、両社ともにある時期をもってエンブレムの色を黒に変更している、という共通点があるからです。

 まず、ロールスロイスはチャールズ・ロールスとヘンリー・ロイス、ふたりのイニシャルであるRがふたつ重なるロゴが有名です。当初、七宝焼きのエンブレムで使われた文字色は赤でしたが、1933年に黒へと変更されました。

 この理由は、長らく「1933年はヘンリー・ロイスが逝去した年ゆえ、哀悼の念を表した」と考えられてきましたが、これ、どうやら都市伝説だった模様(笑)。実際には、黒い文字色であればボディカラーを選ぶことなく似合うはず、というマーケティング戦略が理由であり、当のヘンリー・ロイスも亡くなる1カ月前に稟議書にサインをしているという始末。まさか、自分への哀悼に許可を出すわけありませんよね。

 一方のロータスは、いわゆる蓮の葉(ロータス)の色が当初のクリーム色とグリーンから、黒字にシルバーの文字へと変更された期間がありました。これまた、コーリン・チャップマンがチーム・ロータスF1のエースドライバー、ジム・クラークの事故死に対する哀悼の念を表したもの。ロールスと違ってこちらはガチでして、わずか1カ月の生産分しか変更されなかったため、希少価値も抜群! それゆえ、後付けエンブレムが出まわり、黒に付け替えるオーナーも数えきれなかったとか。

 マセラティ

 ボローニャにある海神ネプチューンが持つ三叉の槍がモチーフになっていることはご承知のとおり。この槍が楕円のなかにレイアウトされる以前、1920年代は長方形のプレートに槍が描かれていました。ところが、レーシングカーが進化するにつれて長方形のエンブレムは使い勝手が悪くなったのだそうです。つまり、フロントグリルが湾曲するとか、ノーズのデザインに長方形が似合わなくなったということ。グランプリマシンの場合は四角い部分を省いて、グリルに槍の金型だけを貼り付けて事なきを得ていたようですが、さて市販車はどうするか、マセラティ・ファミリーは頭をひねりました。

 そこで、トライデントのデザインを考案したファミリーの五男坊、マリオが「シャシーチューブの楕円形でどうよ!」と再び閃いたのだそうです。当時の一般的な鋼管フレームは丸パイプを用いていたのですが、マセラティはこれを楕円形状とすることで剛性や軽量化を実現し、数々の栄光を手にしたのです。

 以降、この楕円モチーフは途切れることなく使われていること、ご存じのとおりです。

こんな記事も読まれています

&quot不死鳥”ウィケンス、IMSAのGTDクラスに参戦! インディカーでのクラッシュで下半身不随もレースへの情熱は燃え続ける
&quot不死鳥”ウィケンス、IMSAのGTDクラスに参戦! インディカーでのクラッシュで下半身不随もレースへの情熱は燃え続ける
motorsport.com 日本版
激レア車が集結!オーテック湘南里帰りミーティング2024レポート
激レア車が集結!オーテック湘南里帰りミーティング2024レポート
レスポンス
V8エンジン7基搭載の魔改造トラクターって地球の底まで耕す気か! 重いものを引っ張る競技「トラクタープリング」がこれぞアメリカだった
V8エンジン7基搭載の魔改造トラクターって地球の底まで耕す気か! 重いものを引っ張る競技「トラクタープリング」がこれぞアメリカだった
WEB CARTOP
【F1メカ解説】本当はミニDRSを使いたかったのに……使用を制限されたマクラーレン、ラスベガスを超低ダウンフォース仕様でしのぐ
【F1メカ解説】本当はミニDRSを使いたかったのに……使用を制限されたマクラーレン、ラスベガスを超低ダウンフォース仕様でしのぐ
motorsport.com 日本版
クルマに戻ってきたら顔面蒼白! ほぼ泣き寝入り確実の「ドアパンチ」を防ぐ5つの手段
クルマに戻ってきたら顔面蒼白! ほぼ泣き寝入り確実の「ドアパンチ」を防ぐ5つの手段
WEB CARTOP
運転士がこないと「こまります」バスが集結! 切実な人手不足を訴えるイベント実施 名鉄
運転士がこないと「こまります」バスが集結! 切実な人手不足を訴えるイベント実施 名鉄
乗りものニュース
約299万円!? マツダ新型「スポーティ“セダン”」公開! 半円4連テール×流麗ボディが超カッコイイ! 全長4.9m級の「イージーシックス」中国に登場
約299万円!? マツダ新型「スポーティ“セダン”」公開! 半円4連テール×流麗ボディが超カッコイイ! 全長4.9m級の「イージーシックス」中国に登場
くるまのニュース
シンプルながら力強さと美しさを兼ね備えたNEWグラフィック!! アライが2タイプの「RAPIDE-NEO46WORKS」を発売
シンプルながら力強さと美しさを兼ね備えたNEWグラフィック!! アライが2タイプの「RAPIDE-NEO46WORKS」を発売
バイクのニュース
過去20年で最多となる405台が湘南に帰ってきた! 「オーテック里帰りミーティング2024」が開催
過去20年で最多となる405台が湘南に帰ってきた! 「オーテック里帰りミーティング2024」が開催
WEB CARTOP
BMW、新型「X3」を発売!全モデルに48Vマイルド・ハイブリッドを搭載した第四世代
BMW、新型「X3」を発売!全モデルに48Vマイルド・ハイブリッドを搭載した第四世代
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタ、スープラの生産終了を告知…特別仕様車A90 ファイナルエディションの日本導入時期は「検討中」
トヨタ、スープラの生産終了を告知…特別仕様車A90 ファイナルエディションの日本導入時期は「検討中」
driver@web
スープラ、販売終了へ! “A90 Final Edition”も登場へ──GQ新着カー
スープラ、販売終了へ! “A90 Final Edition”も登場へ──GQ新着カー
GQ JAPAN
【ダカールラリー2025】JLR  ランドローバー・ディフェンダーがダカールラリーに参戦
【ダカールラリー2025】JLR  ランドローバー・ディフェンダーがダカールラリーに参戦
Auto Prove
乗用車への採用はいまのところ期待薄! 充電待ちから解放される夢のバッテリー交換式EVの行方
乗用車への採用はいまのところ期待薄! 充電待ちから解放される夢のバッテリー交換式EVの行方
THE EV TIMES
ボッタス、レッドブルへのサプライズ移籍は「選択肢にはならない。僕のことはあまり好きじゃないだろうし……」
ボッタス、レッドブルへのサプライズ移籍は「選択肢にはならない。僕のことはあまり好きじゃないだろうし……」
motorsport.com 日本版
エンジン再現準備完了!タミヤ+フジミで作る「ポルシェ911ターボ」第2回【CARSMEETモデルカー倶楽部】
エンジン再現準備完了!タミヤ+フジミで作る「ポルシェ911ターボ」第2回【CARSMEETモデルカー倶楽部】
LE VOLANT CARSMEET WEB
「考えるクルマ」にピンクのファーまとうフィアット500も、奇才「Mr Brainwash」の車アート展が米LAで開幕
「考えるクルマ」にピンクのファーまとうフィアット500も、奇才「Mr Brainwash」の車アート展が米LAで開幕
レスポンス
『ディフェンダー』が2026年からダカールラリーにワークス参戦。2025年は車両パートナーに
『ディフェンダー』が2026年からダカールラリーにワークス参戦。2025年は車両パートナーに
AUTOSPORT web

みんなのコメント

3件
  • chk********
    かっこよ
  • hit********
    アンソニーコーリンブルースチャップマンACBCの文字が刻まれたエンブレム、ってむかしカーグラTVのナレーションで言ってたのを思い出しました。外国車のエンブレムって芸術的で素敵ですよね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

83.0142.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.849.0万円

中古車を検索
ロゴの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

83.0142.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.849.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村