■ダイハツ、軽自動車は苦戦も登録車は前年比増!
2020年度上半期(4月から9月)の新車販売台数が発表されましたが、新型コロナウイルスの影響が大きく、ほとんどのメーカーが前年比減となってしまいました。
しかし、そのなかで唯一前年比増を記録したのがダイハツです。その原動力となったのはなんだったのでしょうか。
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新型コロナウイルスは、日本の自動車産業にも大きな影響を与えています。現在ではほとんどの工場が生産を再開していますが、多くの工場で操業停止や操業時間の短縮がおこなわれました。
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の発表した数字を合算すると、2020年度上半期(4月から9月)の新車販売台数は、202万8540台となり、前年比22.6%減でした。この減少率は、オイルショックや東日本大震災のときに匹敵しています。
ブランド別では、三菱が前年比59.5%減ともっとも深刻で、次いでスバルが44.9%減、日産が37.1%減と続きます。比較的健闘しているトヨタでも、17.6%減となっています。
そんななか、唯一前年比増(46.5%増)となっているのが、ダイハツです。この数字はあくまで登録車のみ、つまり軽自動車は含まれない数字であり、軽自動車も含めるとダイハツも前年比減となっていますが、それでも唯一の前年比増はコロナ禍の昨今においては快挙といえるでしょう。
では、ダイハツ躍進の要因はどこにあるのでしょうか。ダイハツの販売店関係者は次のように話します。
「コロナ禍のなかで、外出自粛の影響もあり販売店にいらっしゃるお客さま自体が少なくなりました。そんななか、コンパクトSUVの『ロッキー』は順調に販売台数を伸ばしてくれました。ダイハツの登録車が前年比増となった要因はロッキーの好調にあります」
そもそもダイハツの登録車(乗用車)は、ロッキーのほかにはトールワゴンの「トール」、コンパクトの「ブーン」、トヨタ「プリウスα」のOEMである「メビウス」、トヨタ「カムリ」のOEMである「アルティス」しかありません。
トールやブーンはモデルチェンジからしばらく時間が経っているため目新しさに欠けているのに加え、メビウスやアルティスは国産車のなかでもトップクラスの「レア車」なので、いずれも前年比増の要因とはなりづらいと考えられます。
一方、2019年11月に投入された新モデルであるロッキーは、登録車でははじめて「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」が採用されたモデルであり、さらに、いまもっとも売れ筋カテゴリーといわれるコンパクトSUVであることから、前年比増は必然だったのかもしれません。
■お買い得なロッキー、加えてSTAY HOMEが追い風に?
ロッキーの魅力は、そのお買い得感でしょう。SUVがトレンドの昨今とはいえ、その多くはミドルクラス以上もしくは軽自動車であり、コンパクトSUVは意外と少ないというのが実状でした。
5ナンバーサイズに限定すれば、ロッキーが登場するまでは、スズキ「クロスビー」と「ジムニーシエラ」しかありませんでした。
コンパクトながらも本格的なクロスカントリービークルとしての性能を持っているジムニーシエラは別格とすると、実質的にはクロスビーの独壇場だったといえます。
そんななかで、ライバルのクロスビーよりおよそ10万円安い170万5000円からという価格で販売されているロッキーは、消費者にとって魅力的に映ったのかもしれません。
ロッキーというクルマに魅力があることは前提ですが、ある広告代理店関係者によると「STAY HOMEも追い風になったのでは」と話します。
「もともと、ダイハツのような低価格ブランドはTVCMを活用する傾向があります。CMの内容も、クルマの機能やスペックを細かく紹介するものよりも、話題の芸能人を起用してできるだけ印象に残るようなキャッチーなものとなる場合が多いです。
これは、ターゲットである若年層がクルマを購入する際、『なんとなくCMで印象に残っている』というのが起点になることが多いとされているからです。
そして、コロナ禍のなかで『STAY HOME』が推奨されたことにともない、テレビの視聴時間が増加したというデータがあります。ダイハツはゴールデンタイムにCMを放送し続けていたので、例年よりも効果が高かったのかもしれません」
新車販売が全体的に減少したのは前述のとおりですが、新型コロナウイルスの影響が比較的少なかった人など、一定数の新車購入層がいたことも事実です。また、地方在住の新社会人など、クルマが生活必需品であることから購入せざるを得ない人もいたことでしょう。
ダイハツは、ロッキーのCMに人気俳優の窪田正孝さんを起用し、音楽には布袋寅泰さんの楽曲を使用するなど、キャッチーな内容のものを放送してきました。
ダイハツの登録車が前年比増となった背景には、ロッキーという魅力的な新型車が投入されたことに加えて、通常時よりもCMの効果があったことが要因といえるかもしれません。
※ ※ ※
新型コロナウイルスの影響で全国的に新車販売台数が落ち込むなか、大健闘しているダイハツの原動力となっているロッキーですが、そのトヨタ版である「ライズ」も2020年1月から6月の新車販売台数トップを記録するなど、非常に評価の高いモデルであることがうかがえます。
2020年に入り、日産「キックス」やトヨタ「ヤリスクロス」などのコンパクトSUVが登場していますが、いずれも3ナンバーサイズとなっています。
2017年に登場したクロスビーも近いうちにマイナーチェンジすることが予想されますが、それまではしばらく5ナンバーサイズのコンパクトSUVではロッキー/ライズの時代が続きそうです。
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みんなのコメント
2020/10/18 00:20 違反報告 不景気の時にしか売れない安グルマ。
2020/10/18 00:23 違反報告 コロナ禍ビジネスで儲けるゲスなダイハツ工業。