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人気SUV何が違う? C-HRやヴェゼル好調でも元祖小型SUVのジュークがパッとしない理由とは

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人気SUV何が違う? C-HRやヴェゼル好調でも元祖小型SUVのジュークがパッとしない理由とは

 最近の新車市場では、SUVモデルが定番のジャンル化しています。多様なモデルが各社からラインナップされるなかで、コンパクトSUVのなかで高い人気を誇るのがトヨタ「C-HR」とホンダ「ヴェゼル」です。

 同市場には、ほかに日産「ジューク」やマツダ「CX-3」、レクサス「UX」なども存在しますが、C-HRとヴェゼルに大きな台数差を付けられています。なぜ、同じようなサイズのSUVでも差が生まれるのでしょうか。

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コンパクトSUVの火付け役的存在「ジューク」 最近のSUVブームは、2010年頃からといわれ、その先駆け的存在として日産「2代目エクストレイル(2007年)」やマツダ「初代CX-5(2012年)」があげられます。

 その後、大きなボディサイズ(広い室内空間)が特徴だったSUVジャンルにおいて、コンパクトサイズのモデルが続々と登場。とくに、コンパクトSUVというジャンルを確立させたといっても過言ではないのが、2010年6月に登場したジュークです。

 発売の翌年には、販売台数ランキング(登録車)において3万4224台を記録し18位にランクインするなど、従来のSUVの概念(大きなサイズ・室内空間)を破ったデザイン性が大きな話題となりました。

 この人気にあやかるべく各社は、ヴェゼル(2013年)、CX-3(2015年)、C-HR(2016年)UX(2017年)といったコンパクトSUVモデルを次々と新車市場へ投入。輸入車でもBMW「X2(2018年)」やボルボ「XC40(2018年)」などがあります。

 そして、2018年の販売台数ランキング(登録車)では、C-HRが7万6756台(全体12位)で登録車のなかにおけるSUVジャンルで首位に立ち、それを追う形でヴェゼルは5万9629台(全体14位)という結果です。

 一方で、CX-3は1万7036台(全体39位)。そして、コンパクトSUVの火付け役といえるジュークは、ランキングとして発表される50位には入らず圏外となり、最後の50位はレクサス・NX300hの8712台でした。

 同じようなサイズ感のコンパクトSUVにおいて、大きな違いといえるのがパワートレインです。

 C-HRは、1.2リッターガソリン車(ターボ仕様)と1.8リッターハイブリッド車の2種類を展開。対する、ヴェゼルは、当初1.5リッターガソリン車(ターボ無し)と1.5リッターハイブリッド車でしたが、2019年1月に1.5リッターガソリンターボ仕様を追加するなど、ラインナップの拡充をしています。

 CX-3は2リッターガソリン車と1.8リッターディーゼル車の2種類と、競合車にはないディーゼル仕様をラインナップすることで、差別化を図るとともに個性を出しています。

 一方、ジュークは1.5リッターと1.6リッターターボの2種類のガソリン車という他車と比べると、選択肢が限られるラインナップです。  しかし、パワートレインの選択肢だけで、販売台数に大きな差が生まれるものでしょうか。日産の販売店スタッフは次のように話します。

「ジュークは、発売当初は個性的な外装・内装のデザイン性が話題を呼び、それまでなかったスポーティなスタイルが人気を博しました。また、当時の主なメインユーザーは30代の独身男性で、パーソナルユースにマッチしていたといえます。

 しかし、普段使いするうえで、個性が強すぎるデザインは飽きられます。C-HRは外装のデザインは個性が際立ってはいますが、内装はそこまでクセが強くないほか、先進安全機能や運転支援など都度改良しているうえ、ハイブリッド車に対するニーズも増加していることから、人気が続いているのだと思います。

 一方で、ジュークはほかの日産車にもいえますが、基本的に大きな手を加えることなく9年目を迎えていることから、現在では月販で約250台から300台ほどの販売台数です。

 また、次期型ジュークの話題が出ているようですが、今のところ具体的な話は販売店にはきていません」

コンパクトSUV以外にも似たコンセプトを持つモデルが存在 コンパクトSUVには、販売台数における二大巨頭のC-HRとヴェゼル、さらにディーゼルという個性を持つCX-3以外にもジュークの販売に影響を与えるモデルが存在します。

 それは、最近流行りの『SUV風モデル』といわれるもので、トヨタ「アクア クロスオーバー」や日産「ノート シーギア」、スズキ「クロスビー」といったクルマです。

 アクア クロスオーバーは、トヨタの人気ハイブリッド車「アクア」をベースにSUVの持つ独特なテイストを取り入れたモデルです。同様にノート シーギアも日産の人気コンパクトカー「ノート」をベースとし、随所にアクティブな雰囲気を醸し出しています。

 この2台は、長きに渡り販売台数ランキング(登録車)のトップ3に君臨し続けるため、ベース車とは違う個性を求めるユーザーからは好まれているようです。

 前出の販売店スタッフは、ノート シーギアについて、次のように話します。

「2017年10月に発売して以来、アクティブなユーザーから好評です。ベース車となるノートのアクティブ感をより強調するとともに、ユーザーの遊び心を刺激するような存在感のあるモデルとして登場しました」

発売後、堅調な人気を誇るスズキ「クロスビー」 また、クロスビーは2017年12月の発売以来、使いやすく広い室内空間を持つワゴンとSUVの楽しさを融合させた新ジャンルのモデルとして人気のモデルです。2018年度の販売台数においては、前年比272.1%を誇るほどの人気ぶりです。

 クロスビーの特徴について、スズキは次のように説明しています。

「ワゴンに求められる広い室内空間と日常の使いやすさに加え、個性的で愛着がわくデザインや雪道などラフロードに対する力強い走破性とSUVの実用性を兼ね備えているのが大きな特徴です。

 また、街乗りからアウトドアやスポーツなどのレジャーを好まれる方まで、幅広いユーザーのライフスタイルに適応する、新しいジャンルの小型クロスオーバーワゴンというのが競合とは被らない個性といえます」

※ ※ ※

 最近の新車市場には、人気だったコンパクトカーやミニバン、SUVといった枠組み以外に、SUV風モデルやミニバン風ワゴンといった、売れ筋ジャンルのテイストを加えたクルマも増えつつあります。

 このように複雑化した背景には、ユーザーのニーズが年々多様化するとともに、細分化していく傾向になったことで、『●●風』や『●●テイスト』が増えたのだといえます。

 今後の新車市場でも、さまざまなジャンルがクロスしたモデルが多く登場するかもしれません。

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