人気トップはZグレード! ユーザーの90%以上がハイブリッド車を選ぶ
受注台数:3万2000台(2021年5月24日現在)
「最新モデル試乗」4年連続ベストセラー、じっくり乗ってわかったホンダN-BOXが売れている理由
ヴェゼル人気グレード
1:e:HEV・Z(価格:289万8500~311万8500円)
2:e:HEV・PLaY(価格:329万8900円)
3:G(価格:227万9200円)
ヴェゼル人気ボディカラー
1:プラチナホワイトパール
2:クリスタルブラックパール
3:プレミアムサンライトパール
イメージを大幅刷新した新型ヴェゼルが好調だ。発売1カ月で計画の6倍以上となる3万2000台の受注を獲得。旧型を中心としたSUVユーザーだけでなく、ミニバンやハッチバックからの乗り換え層も目立つという。
新型の全長×全幅×全高は4330×1790×1580~1590mm。従来型比で幅が20mm広がったものの、全長は同寸法、全高は25~35mm低くなった。7年ぶりのフルチェンジとはいえ、ヴェゼルならではの取り回しやすさは健在だ。フィットをベースにして多くのハードウェアを構築した点も従来モデルと変わらない。基本的な骨格は従来型からのキャリーオーバー。フィットよりも80mm長い2610mmのホイールベースを採用する点も、旧型と同様である。
パワーユニットは新世代だ。新型の主役は、ユーザーの90%以上が選ぶ、e:HEVという呼称の2モーター式ハイブリッド。モーター内蔵の7速DCTを用いた従来型とは全面的に異なる。フィットが先行導入し、高評価を受けているシステムの改良型である。
試乗車は、人気トップグレード、Zの4WD仕様。4WD機構は、プロペラシャフトで後輪側へ駆動力を伝達するオーソドックスな方式。電動化が図られた4WD車は後輪をモーターで駆動するケースが少なくないが、ヴェゼルはいわば正統派。新型は電子制御式クラッチを用いて、大トルクがタイムリーに伝達可能になった点が特徴だ。「低ミュー路での発進補助だけでなく、通常時の操安性にもメリットが大きい」とアピールする、ホンダ自信の4WDである。
スタイリングはハンサムなイメージ。写真で見るよりも実車のほうが、はるかに好ましいと感じた。ボディラインはシャープで、ボリューム感がある。
賛否が分かれていると聞いていたフレームレスグリルを採用したフロントマスクには、まったく違和感がなかった。最近は、SUVでもクーペ流儀のワンモーションによるルーフラインの持ち主が多い。そんな中、新型ヴェゼルの、長めのフード採用と、水平基調で構築されたプロポーションは新鮮。しかも美しい。
走りは静かでスムーズ。素直なハンドリング感覚
スタート後、まずは郊外路を50~60km/h程度で流してみる。印象に残ったのは良好な視界と高い静粛性だ。前方はもちろんだが、斜め前方のドアミラー周辺の「抜け」がいい。静かさも感心するレベルだった。
e:HEVは、エンジンで発電し、モーターで走る「シリーズ式ハイブリッドをベース」にしている。それだけに、エンジン出力に頼らない「EVモード」時の静粛性が高いのは当然だが、エンジン始動時でもノイズが巧みに抑えられている。静粛性は従来型とは一線を画している。
ただし、そんな静かな印象は、長い上り坂などアクセルペダルを深く踏み込むシーンが続くと一変する。
e:HEVは、1.5リッター直4エンジン(106ps/127Nm)とモーター(131ps/253Nm)の組み合わせ。フィットと比べ、吸気抵抗の低減でエンジン出力を向上させ、駆動用バッテリーのセル数上乗せでモーター出力も高められたとはいうものの、重量増によってフィットよりも「荷が重い」印象は否めない。駆動系のファイナルギアレシオがローレシオ化された関係もあり、「走行シーンが変わるとエンジンノイズが急増」というイメージを受けた。
やはりここのところは、いっそうのエンジン強化を望みたい。余裕をもったエンジン制御が可能になれば、静粛性の大幅アップなど、さらに上質な走りが期待できるからだ。
「上質な走り」といえば、フットワークの味わいには驚かされた。新型はこれまでのヴェゼルで気になった
「揺すられ感」とは無縁の、しなやかでフリクションを意識させないテイストの持ち主である。タイトなターン脱出時のパワーオンの場面では、後輪がしっかり地面を蹴っている感触が濃厚だった。しなやかさと素直なハンドリング感覚は、新型ヴェゼルの大きな美点だ。
新型の完成度は非常に高い。各部を全面新設計とするのではなく、これまでの骨格をキャリーオーバーしたうえで、丁寧に煮詰めていったアプローチが好結果につながったようだ。
新型は、余裕たっぷりの後席空間や、「センタータンク・レイアウト」を活かした圧倒的ユーティリティ性など、これまでもヴェゼルが得意としてきた美点を継承したうえで、新たな魅力を上乗せした。売れて当然、満足度の高いSUVの代表である。
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みんなのコメント
CH-Rやスイフトみたいに、3ドアに見せるデザインでもないのに?
単に開けにくいだけでは?
個人的に、前型の方がカッコいいと思った。