マツダはこのたび、米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、以下EPA)が1月12日に公表した2016モデルイヤー車の「燃費トレンドレポート」において、マツダの企業平均燃費値が総合1位であったと発表した。マツダの総合1位獲得は5年連続。
EPAの「燃費トレンドレポート」は、当該モデルイヤーとして米国で発売された車種の燃費動向をまとめたもので、各社別に企業平均燃費実績値を集計した結果などが公表されている。マツダの2016モデルイヤー車総合の平均燃費は、29.6mpg(マイル毎ガロン)で、前年比0.4mpgの改善となった。
(以上、マツダのプレスリリースから)
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黄色帯のMY2016が今回の決定値。細字はブランドごとの、太字がメーカー全体の値を示す。つまり、複数の細字値がある場合はその平均値が太字になる計算だ。
メーカー全体、つまりCAFE(企業平均燃費実績)値で見れば、今回のリリースのとおりマツダが首位を獲得した。2位で肉薄するヒュンダイはわずか0.4mpgの差、以下ホンダ、スバルがトップ5のメンバーである。ヒュンダイはMY2017においてガソリンHEVの「アイオニック」を抱えていることから、MY2018での巻き返しも予想される。同車の測定値は77mpg(コンバインド)。
ちなみに1975年の公表以来、燃費最大値のトップ10車種のうち6台がMY2017である。栄えあるトップ車はトヨタ・プリウス(81mpg)。次点に先述のヒュンダイ・アイオニックが付けている。
日本では軽自動車の割合が高く、それも含めて直列3/4気筒エンジンのクルマが大半を占める。いっぽうで北米市場の販売比率を眺めてみると、6割が直列4気筒、3割がV型6気筒、1割がV型8気筒という分布。直列3気筒の存在はほとんどなく、10気筒以上のエンジンも近年は見当たらない。推移を眺めれば確実にレスシリンダーの波は押し寄せていて、じわじわと直4エンジンの割合が高まっている。
それを踏まえて、どのような「よく聞く新技術」が新型車に採用されたかを示すのが上のグラフ。
GDIはガソリンの筒内直接噴射技術のこと。マツダを除いた日本勢の状況はご存じのとおりで、トヨタを含めようやく「直噴」の単語が新エンジンにも見られるようになってきた。ターボ過給についても同様。ドイツ勢は「ほぼ100%」で、フォード以下から急に勢いがなくなる。平均値が25%程度低いのも目立つ特徴。
気筒休止(Cylinder Deactivation)はお寒い状況だ。GMのV8が4気筒運転するのはよく知られているシステム。ホンダはV6のユニークな気筒休止システムのことだろう。アイドルストップ(Non-Hybrid Stop/Start)は、意外にも日本勢の低さが目立つ。MY2017に限っていることと北米仕様であるためか。残念なのは、MY2016/2017いずれについても、具体的に車種が記されていなかったことだ。
「CVT」および「7 or More Gears」のふたつのグラフは、日欧の違いがよくわかって興味深い。CVTにおけるトヨタの低さは日本市場とはずいぶん異なる印象で、EVT(THS II)を勘定に含めているかが結果の違いだろうか。7速以上といえばジヤトコ(日産勢)とアイシン・エィ・ダブリュ(トヨタほか)が想起されるものの、これらもグラフの高さには現れていない。
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